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既発債とは?
新発債と既発債
新規に発行される債券を「新発債」、既に発行されて市場に出回っている債券を「既発債」といいます。新発債は、額面金額で募集がかけられますが、既発債は流通市場のバランスで価格が決められて売買されるので、常に利回りは変動します。
金利と債券価格の関係
債券価格は、金利動向と密接に関係し、いろいろな金利と一定のバランスを保って動きます。したがって、金利一般が上昇するときは、債券の利回りが上昇し、債券価格は下落します。反対に、金利一般が低下するときは、債券の利回りも低下し、債券価格は上昇します。(下記は、イメージ図です。)
経過利子について
新発債と異なる点として、既発債をお買付いただく際には、経過利子がかかります。
利付債を売買するとき、受渡日がその債券の利払日と異なる場合には、経過日数に応じて、買い手から売り手に利息相当分(経過利子)を支払うことになっています。
債券の売却(Aの場合)
既発債のご売却時には、前回利払日の翌日から受渡日までの日数(経過日数)について、日割りで計算された利息相当分を受け取ることになります。
該当銘柄の次回利払日前に売却を行っても、直前の利払日から売却日までの経過日数に応じた利金を受け取ることができます。
債券の買付(Bの場合)
既発債のお買付時には、前回利払日の翌日から受渡日までの日数(経過日数)について、日割りで計算された利息相当分を支払う必要があります。
従いまして、単価×額面以外に、経過利子分を加えた金額が必要になりますので、ご注意ください。
お買付時に経過利子分をお支払いいただくことによって、該当銘柄の次回利払日は、利金を満額受け取ることができます。
(ただし、売買時の受渡日が、該当銘柄の利払日と同日の場合には、経過利子はかかりません)
格付とは?
債券購入の判断をする上で欠かせないのが「格付」です。「格付」は、民間の格付機関が、発行体の財務内容等を評価し、ランク付けしています。
一般的に格付が高いほど、利子の支払及び償還金額の返済確実性が高いと言えます。「発行体の信用力が高い」「償還までの期間が短く返済能力が落ちる可能性が低い」ほど、発行体は低金利での資金調達が可能になります。従って債券の利子も一般的に低く設定されます。
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格付機関 |
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Moody’s |
S&P |
R&I |
JCR |
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投資適格格付 |
Aaa |
AAA |
AAA |
AAA |
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投機的格付 |
Ba |
BB |
BB |
BB |
発行体一覧
当社で取扱う既発債の発行体格付は、AAA(S&P)/Aaa(Moody's)の国際機関が中心となっています。
発行体名 |
目的 |
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世界銀行(国際復興開発銀行) |
第二次世界大戦後の経済復興を目的に1945年に設立された国際機関で、一人当たりGNPの比較的高い加盟途上国を対象に、政府、政府またはその他の適切な保証を得られる公的・民間機関に貸付を行っております。 |
国際金融公社 |
開発途上国の民間部門への投資を促進する世界銀行グループの国際機関です。開発途上国、体制移行国における貧困の削減と生活水準の向上を支援しています。 |
欧州復興開発銀行 |
複数政党制民主主義、多元主義および市場経済の諸原則を誓約し、かつ適用している中欧および東欧の各加盟国における開放された市場指向型経済への移行、ならびに民間および企業家の自発的活動の促進を目的とする国際機関です。 |
米州開発銀行 |
ラテンアメリカ・カリブ海諸国における社会・経済開発のみならず貿易や地域統合を促進するための多国間開発金融機関です。 |
アジア開発銀行 |
アジア・太平洋における経済成長及び経済協力を助長し、開発途上加盟国の経済発展に貢献することを目的に設立された国際開発金融機関です。 |
スウェーデン地方金融公社 |
公共部門によって所有および保証される信用専門会社で、スウェーデンの金融監督局に監督されています。 |
債券のリスクについて
価格変動リスク |
債券の価格は金利動向や発行体の経営・財務状況の変化等により上下しますので、 償還前に売却する場合には投資元本を割り込むことがあります。 |
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信用リスク |
発行体(企業)の経営悪化などにより元本や利息の支払いが滞ったり、倒産などにより支払い不能になり投資元本を割り込むことがあります。 |
為替変動リスク |
元金や利子の受取が外貨で行われるものについては、それぞれの受取時点における為替水準によって、円貨に換算した時の受取額が異なることになります。 |
既発債の購入ポイント
その時点の市場環境により債券価格や為替が常に変動していますので、利回りや円換算した購入価格も随時変化しています。中には、額面より低い値段で取引されている債券もあり、償還時には額面で償還されますので、償還差益を狙うチャンスもあります。
反対に、額面より高い値段で取引されている債券もありますが、これはこの債券の発行時よりも金利が下がったことにより価格が上昇しているためで、受け取るクーポンは、その時点で新たに発行した債券よりも高いクーポンを受け取ることができます。
既発債の経過利子からは、源泉税相当額は控除されません。利払日の利子には、20%(2013年1月1日〜2037年12月31日は所得税額に対して2.1%の復興特別所得税が加算され20.315%)の源泉分離課税が適用されます。このため、次回の利払日に近い日に債券を買付されますと、買付時に支払う経過利子が次回に受け取る利金(税引後)よりも大きくなることがありますのでご注意ください。