9/3(金)の東京株式市場では、日経平均株価が5営業日続伸となり、上昇幅は584円に達しました。
菅首相が総裁選への不出馬を表明し、退陣する意向を示したことが要因です。菅内閣は、新型コロナウイルス対策等への国民の不満を背景に支持率が低迷。来る総選挙において、菅首相では自民党は満足に選挙戦を闘うことができないという空気が満ちていました。菅首相の退陣表明により、総選挙で自民党が大敗するリスクが後退し、政治安定への期待が高まりました。
なお、総裁選への立候補表明では岸田政調会長が最初に名乗りをあげましたが、菅首相退陣の報道以降、河野規制改革相、石破元幹事長らが出馬を検討すると報道されており、出馬を目指している高市前総務相らと激しい総裁選になる可能性も出てきました。次期総裁が誰になるかは、かなり混沌としていると言えそうです。
株式市場は今後どうなるのでしょうか。
過去の総選挙と株価の関係を考えた場合、総選挙前は株価が上昇しやすいという経験則があります。また、ここ数年9月の日経平均株価は上昇して終わっています。月の後半にかけ、配当や株主優待の権利を確保する買いも増えそうです。さらに、日経平均株価のチャートは25日移動平均線が上昇に転じ、一目均衡表が「3役好転」になるなど、形状の好転が目立っています。9月は日経平均株価3万円回復のチャンスかもしれません。
日経平均株価は8/20(金)に年初来安値を付けた後、上昇に転換した形ですが、今の所、新型コロナウイルスの新規感染者数は8/20(金)がピークであった可能性が強まっています。すでに、全国および東京の実効再生産数は1をかなり下回っており、このまま新規感染者数が減少に転じる可能性も出ています。感染者数に遅行する死亡者数はピークになっていますが、すでに入院・治療を要する人の数は減っています。ワクチン接種を2回終わった人の比率は9月末にも70%に達する可能性が指摘され、経済再開への期待も高まると思われます。
9月中には日経平均株価が3万円台を回復する可能性がみえてきたと言えそうです。
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