東京株式市場では、日経平均株価が3/19(金)に前日比424円70銭安、3/22(月)も617円90銭の下げと大幅安が続いています。
相場の急落につながっている要因は以下の3点であると考えられます。
(1)FOMC(米連邦公開市場委員会)後も、米国で10年国債利回り上昇・株価下落が続いたため。
(2)日銀金融政策決定会合で株価指数を投資対象とするETF(上場投資信託)の年間購入目標最低額が廃止され、日経平均型ETFの購入も停止されたため。
(3)ルネサスエレクトロニクス(6723)の那珂工場が火災となり、自動車向け半導体の供給不足が一層深刻となったため。
(1)については、米国時間3/17(水)に、2023年までの米政策金利について実質ゼロ金利継続が表明されましたが、その後も米10年国債利回りの上昇基調が続き、米株式市場が下落基調となりました。3/19(金)には米銀資本規制緩和の終了(※注)が決まり、米国債への売り圧力(金利上昇圧力)が一層強まる見通しになりました。
(2)について、これまで日銀は株価指数を投資対象とするETF(上場投資信託)の年間購入目標額について、最低6兆円、最高12兆円としてきましたが、最低6兆円というラインの設定を廃止しました。また、購入する指数について、これまではTOPIXの他、日経平均株価なども対象になっていましたが、後者が除外されたことで、3/19(金)および3/22(月)ともに、日経平均採用銘柄の相対的な弱さが目立つことになりました。
(3)については、これにより半導体供給の正常化までいっそう長い時間が必要になる懸念が強まりました。これを受けて主要ユーザーであるトヨタ自動車(7203)やデンソー(6902)等が大幅安となり、特にTOPIXの上値を抑える要因になりました。
ただ、過度の懸念は不要と考えられます。株式市場は世界的に“金融相場”から“業績相場”への過渡期にあるように思われるためです。
前者は株式相場が大底から立ち上がる時の局面で、景気・企業業績はいまださほど良くないものの、金融緩和に支えられて株式相場が上昇している局面と特徴づけられます。言い換えれば「理想買い」の局面と言えそうです。その後「中間調整」を経て、株式相場は“業績相場”へ移行すると考えられます。金利は上昇局面にあるものの、業績拡大傾向を織り込み、株価は上昇局面になります。
したがって、株価は上昇局面を残していると考えられ、基本的には押し目買いが有効であるとみられます。
(1)について、そもそも米金利上昇局面は米国の景気・企業業績が拡大する時期で、円安・ドル高傾向もあり、日本株へ追い風になるという面もあります。
(2)については、日経平均株価が1990年以来の高値を回復する中で、すでに日銀による購入額は減少しており、現状追認という側面が強そうです。日銀によるETF購入が日経平均採用銘柄への物色の偏りにつながった面もあり、それを修正する意味もありそうです。
(3)について、半導体関連メーカや自動車メーカの短期業績について、不透明感を助長する面は否定できませんが、EV化への流れや半導体需要の高まりという基調自体には、大きな変化を与える可能性は小さいとみられます。日経平均株価の下値メドとしましては、
(A)3月下旬から4月中旬頃の日経平均株価「一目均衡表」のクモの下限に近い28,500円前後
(B)日経平均株価の目先の安値(3/5終値)28,308円
(C)日経平均株価の本年高値(2/16終値)30,467円から10%下落した27,420円前後
等が想定されます。
(※注)米銀資本規制緩和の終了・・・銀行等が国債等に投資した分、資本の積み増しを必要とする資本規制があり、新型コロナウイルスの拡大傾向が厳しくなってきた昨年4月、FRBは運用の規制緩和を実施しました。本年4月以降は規制が復活し、米国債市場に2,000億ドル規模の売り圧力が生じるとの分析もあります。
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