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2024-04-17 23:24:50

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「霧」に覆われた株式市場〜しかし、その中に光明も

2022/2/8

投資情報部 鈴木英之

2022年・年明け以降世界的に株価が下げた大きな理由は、株式市場でインフレ進行、金利上昇への懸念が強まったためと考えられます。そして現状でも、市場を覆う霧は晴れてはいないのが現状だと思います。

しかし、霧の中にも光明は見えてきたように思います。なぜでしょうか。

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1戻り一巡後は強弱感が対立

1/31(月)〜2/7(月)の米国株式市場は強弱感が対立する中、若干の下げにとどまる展開となりました。1/26(水)に結果発表のFOMCを経て、インフレ進展や金利上昇が懸念される状況が続きましたが、決算発表が進捗する中、好調な企業業績が株価を支えました。

こうした中、同期間の日経平均株価は上昇後一服する展開となりました。FOMCのタカ派的な内容を警戒し、1/27(木)には一時26,044円まで下げましたが、年内高値からの下落率が10.3%と「調整局面入り」とされる10%超に達し、値頃感も出たようでそれ以降は反発局面になりました。ただ、2/2(水)に2万7千円台まで戻った後はそこが上値抵抗ラインになっているようで、その後は一進一退の展開になっています。

日経平均株価採用銘柄の中では、大平洋金属(5541)の上昇が顕著でした。LMEニッケル相場の上昇を受け、今期予想経常利益が43億円から99億円に大幅上方修正され、今期予想1株配当も55円から130円に増額されました。また塩野義製薬(4507)については、治験中の新型コロナウイルスの飲み薬が「条件付早期承認制度」の対象になる可能性が広がり、それが好感される展開となりました。

なお、米長期金利も上昇傾向が継続し、それを好感して銀行株の一角も買われました。

図表1 日経平均株価およびNYダウの値動きとその背景

  日経平均株価(終値) NYダウ(終値) 国内株式市場の動き 米国株式市場の動き
1/31(月) 27,001.98(+284.64) 35,131.86(+406.39) 前週末の米株高を受けて、海運株や半導体株を中心に買われた。商船三井(9104)が業績予想上方修正と増配予想を公表したことで、ムードが良くなった面も。 1月の株安を受けて月末のリバランスは株買いになるとの見方が出ていた。自社株買いを再開する企業の動きが目立ってきたことも好感された。ナスダックや半導体SOX指数の上昇が目立つ。
2/1(火) 27,078.48(+76.50) 35,405.24(+273.38) 米ハイテク株高を受けて日経平均も買い先行となる。一時は400円高水準まで買われたが、その後は利益確定売りに押され、伸び悩んだ。 先週来、戻りが急なハイテク株に売りが出る一方、景気敏感株は買われた。
2/2(水) 27,533.60(+455.12) 35,629.33(+224.09) 4営業日続伸。
米長期金利上昇が一服する中、ナスダック先物が小高く推移したこともあり、日本株も買い先行となった。
朝方発表のADP雇用統計(1月)で雇用者は予想(20万人増)を裏切る減少(30.1万人減)となり、売りが先行。しかし、AMDやアルファベットが好決算で上昇した流れを受けて切り返した。
2/3(木) 27,241.31(-292.29) 35,111.16(-518.17) 5営業日ぶりに反落。
前日までの4営業日で日経平均が1,300円ほど上げたことを受け、広範囲に利益確定売りが出た。
2/2(水)夕方に決算発表を行ったメタの1〜3月期見通しが市場予想を下回り、26%安となったことで、他のハイテク株にも売りが波及した。
2/4(金) 27439.99(+198.69) 35,089.74(-21.42) 反発。
米アマゾンが時間外で上昇した流れを受け、米株価先物が時間外で上昇。日経平均株価も連れ高に。
米雇用統計(1月)で非農業部門雇用者数が46.7万人増と市場予想(15万人増)を上回り、金融引き締めへの警戒感が強まった。ただ、アマゾンの好決算を受け、ナスダックは+219。
2/7(月) 27248.87(-191.12) 35,091.13(+1.39) 反落。
米雇用統計を受け、インフレ懸念から高PER銘柄が売られ、バリュー銘柄は堅調だった。売買代金は8営業日連続で3兆円超え。
米国の新型コロナウイルス新規感染者数が1月ピークから6割減となり、旅行・レジャー関連株が高い。反面、米長期金利が2/4(金)高水準まで一時上昇。それを嫌気してハイテク株は安い。
  • ※日経平均株価・NYダウ等各種株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図表2 日経平均株価

  • ※当社チャートツールをもとに作成。データは2022/2/8 11:00時点(日足)

図表3 NYダウ

  • ※当社チャートツールをもとに作成。データは2022/2/8 11:00時点(日足)

図表4 ドル・円相場

  • ※当社チャートツールをもとに作成。データは2022/2/8 11:00時点(日足)

図表5 主な予定

月日 国・地域 予定 備考
2/8(火) 日本 1月景気ウォッチャー指数  
    ★決算発表(200社) ソフトバンクグループ(9984)、日産(7201)
9(水) 日本 1月工作機械受注 前回は前年同月比46.4%。
    ★決算発表(272社) トヨタ(7203)、本田(7267)
10(木) 日本 1月東京都区部オフィス空室率 前月は6.33%
    ★決算発表(753件) 三菱地所(8802)、東京エレク(8035)
  米国 1月消費者物価指数 市場コンセンサス(前年比)は+7.3%。
11(金) 日本 ◎東京市場は休場 建国記念の日
12(土) 米国 2月ミシガン大学消費者信頼感指数  
13(日) 日本 NISA(少額投資非課税制度)の日  
14(月 ) 日本 ★決算発表(597件) JT(2914)、リクルート(6098)、日本郵政(6178)
15(火) 日本 ★決算発表(34件) ユニチャーム(8113)、ブリヂストン(5108)
    10-12月期GDP速報値  
  米国 2月NY連銀製造業景気指数  
    1月生産者物価  
    米上院銀行委員会、FRB首脳人事を  
    承認に向け採用実施予定  
16(水) 米国 1月小売売上高  
    1月鉱工業生産・設備稼働率  
    FOMC議事録【1/25、26開催分】  
  中国 1月生産者物価  
    1月消費者物価  
17(木) 日本 1月貿易統計  
    12月機械受注  
  海外 G20財務省・中央銀行総裁会議(〜18日)  
  米国 1月住宅着工件数  
    2月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数  
18(金) 日本 1月消費者物価指数  
  米国 1月中古住宅販売件数  
    米連邦政府つなぎ予算の期限  
  • ※各種報道、WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

  2022年
日銀金融政策決定会合 3/18(金)、4/28(木)、6/17(金)、7/21(木)、9/22(木)、10/28(金)、12/20(火)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 3/16(水)、5/4(水)、6/15(水)、7/27(水)、9/21(水)、11/2(水)、12/14(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 3/10(木)、4/14(木)、6/9(木)、7/21(木)、9/8(木)、10/27(木)、12/15(木)
  • ※日米欧中銀WEBサイトを基にSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。
    なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しています。日付は現地時間を基準に記載しています。

図表7 日経平均株価採用銘柄の上昇率上位(1/31〜2/7)

コード 銘柄 業種 株価(2/7) 株価(1/31) 騰落率(1/31〜2/7)
5541 大平洋金属 鉄鋼 2991 2266 32.0%
4507 塩野義製薬 医薬品 7984 6427 24.2%
9501 東京電力ホールディングス 電気・ガス業 357 306 16.7%
9766 コナミホールディングス 情報・通信業 7000 6130 14.2%
6701 日本電気 電気機器 5080 4450 14.2%
6762 TDK 電気機器 4555 4100 11.1%
4751 サイバーエージェント   サービス業 1468 1325 10.8%
8308 りそなホールディングス 銀行業 543.2 491.3 10.6%
8303 新生銀行 銀行業 2341 2126 10.1%
7731 ニコン 精密機器 1305 1186 10.0%
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • ※2/7終値を1/31終値と比較し、値上がり率の大きい日経平均採用10銘柄を掲載。

図表8  日経平均株価採用銘柄の下落率上位(1/31〜2/7)

コード 銘柄 業種 株価(2/7) 株価(1/31) 騰落率(1/31〜2/7)
7733 オリンパス 精密機器 2263 2547 -11.1%
4061 デンカ 化学 3635 4010 -9.4%
4452 花王 化学 5254 5732 -8.3%
4568 第一三共 医薬品 2360.5 2565.0 -8.0%
3402 東レ 繊維製品 670.8 725.1 -7.5%
6674 ジーエス・ユアサ・コーポレーション 電気機器 2270 2437 -6.9%
5202 日本板硝子 ガラス・土石製品 466 500 -6.8%
5801 古河電気工業 非鉄金属 2205 2358 -6.5%
4188 三菱ケミカルホールディングス 化学 839.3 895.0 -6.2%
6367 ダイキン工業 機械 22385 23825 -6.0%
  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
  • ※上記は過去の実績であり、将来の運用成果を保証または示唆するものではありません。
  • ※2/7終値を1/31終値と比較し、値下がり率の大きい日経平均採用10銘柄を掲載。

2霧の中にも光明か?

2022年・年明け以降世界的に株価を下げた大きな理由は、株式市場でインフレ進行、金利上昇への懸念が強まったためと考えられます。足元、WTI先物価格が7年4ヶ月ぶりの1バレル90ドル台まで上昇していることに加え、米10年国債利回りも1.9%台で高止まりしている状態です。株式市場が上記の懸念を払しょくする状況には至っていないため、市場を覆う霧は晴れてはいないのが現状だと思います。

ただ、「インフレ進行、金利上昇」のうち、後者については相当織り込みが進んだように見受けられます。短期金利市場が織り込む2022年内のFRBによる利上げ回数は5回以上(1回の利上げを0.25%した場合)の確率が80%となっています。最近は、利上げの加速をけん制するようなFRBメンバーの発言もみられるようで、市場はやや利上げに前のめりになり過ぎているようにも思われます。市場は、当面の利上げを相当織り込んだ可能性がありそうです。

前項でお伝えしたように、米国では新型コロナウイルスの新規感染者数がピークアウトしてきた模様です。我が国ではいまだ、ピークに近い状態ですが、新規感染者数のモメンタム自体は減少する兆しをみせています。ウイルスの感染力の強さを示す実効再生産数は1月上旬に6まで上昇していましたが、足元は1.16まで低下しており、新規感染者数も2月上旬にピークアウトになる可能性が出てきました。

株式市場全体の動きを示唆する指数レベルでは方向感が明確でないものの、個別銘柄レベルではすでにポスト・コロナを見据えた動きも出てきたようです。空運や陸運、レジャーといった銘柄を個別に物色しながら、全体の底入れ・反発を待つといった戦略がいいかもしれません。

霧の中にも光明が見えてきたように思われます。

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