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2021-09-22 15:36:51

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≪どうなる8月相場≫波乱の中、買い場到来の可能性も?

2021/8/3

投資情報部 鈴木英之

7月の株式相場は内外で明暗が分かれる展開になりました。米国では、ハイテク株がけん引する形で主要3指数が過去最高値を更新しましたが、日経平均株価(月足)は5.2%も下げました。

8月相場はどうなるのでしょうか。アノマリーでは、8月の日経平均は下落しやすく、波乱になる可能性が大きそうです。ただ、逆に言えば、下がったところが買い場になるとみられます。なぜでしょうか。

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1日経平均株価(7月・月足)は続落〜国内外で猛威を振るう新型コロナウイルスの感染再拡大

NYダウは、7月末(7/30)終値が34,935ドル47セント、前月末(6/30)比432ドル96セント(1.3 %)高で、月足としては2ヵ月ぶりに上昇。週足ベースでは(7/23)比で126ドル08セント(1.9%)安と、反落になりました。

7月はハイテク株が牽引し、主要3指数が揃って連日最高値を更新。一方、新型コロナウイルスの変異株拡大による行動規制の再強化などから景気減速懸念が広まり、7/19(月)には、前日比725ドル81セント安と、2020/10/28以来の大きさの下落率となるなど波乱の展開となりました。

月の後半は、主要企業に好調な決算が相次いだことを背景に上昇基調となり、7/23(金)にはS&P500指数が初めて4,400ポイント台に乗せました。こうした中、7/27(火)は中国政府による中国企業に対する規制強化が重荷となり、下落。7/28(水)は不安定さが漂う展開の中、FOMC(米連邦公開市場委員会)を無難に通過して小幅安で引けました。

一方、日経平均株価は、7月末(7/30)終値が27,283円59銭、前月末(6/30)比で1,507円94銭(5.2%)安と、月足ベースで続落になりました。週足ベースでは前週末(7/21)比で264円41銭(1.9%)安で、やはり続落となりました。

7月の東京株式市場は、新型コロナウイルスの感染再拡大や、中国当局による米国上場の中国企業に対する規制強化などを嫌気して軟調な展開となりました。

7/8(木)は新型コロナウイルス感染再拡大に伴い、政府が東京都に4回目の緊急事態宣言を発令し、さらに沖縄県に出されている宣言の延長を決定。翌7/9(金)の日経平均株価終値は5/17(月)以来、およそ1ヵ月半ぶりに2万8,000円の大台を割り込みました。
7/28 (水)は中国当局によるネット企業への規制強化が重荷となり、傘下グループ会社が中国に巨額金を投資するソフトバンクグループ(9984)が大幅安となり、年初来安値を3日連続で更新しました。
7/30(金)は新型コロナウイルスの1日あたりの新規感染者数が初めて1万人超に加速。経済活動の鈍化懸念が広がる展開となりました。

なお、新型コロナウイルス対策において、政府は東京都と沖縄県に緊急事態宣言の延長、新たに4府県に対して緊急事態宣言の追加を発表し、8/2(月)から8/31(火)まで計6都府県に拡大。今後のワクチン接種の加速や、感染者数の抑え込みなど動向に注目が高まるところです。

図表1 日経平均株価の値動きとその背景

  日経平均株価 日米株式市場等の動き
終値 前日比
7/27(火) 27,970.22 136.93 3日続伸。米株高を受けて上昇も、節目の2万8,000円を前に上値は重い。
7/28(水) 27,581.66 -388.56 一時、下げ幅が500円超となる場面も。中国当局によるネット企業への規制強化も重荷となり、上海や香港市場は大幅に続落。
7/29(木) 27,782.42 200.76 反発。アドバンテストなど、好決算や上方修正を発表した銘柄の一角が高い。FOMCを無難に通過したことで安心感につながった模様。
7/30(金) 27,283.59 -498.83 1/6以来の安値。一時下げ幅は500円超。新型コロナウイルス再拡大で緊急事態宣言が追加発令される見通しとなり、経済活動鈍化懸念が広がる。
8/2(月) 27,781.02 497.43 大幅反発。好決算を発表した銘柄への買いが指数を押し上げる。一方、緊急事態宣言の追加・拡大に伴い、陸運が売られて重荷に。
  • ※日経平均株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図表2 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/8/3時点。

図表3 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/8/3時点。

図表4 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/8/3時点。

図表5 当面の主な予定

月日(曜日) 国・地域 予定内容 備考
8/3(火) 日本 7月マネタリーベース  
    ★決算発表 住友化、協和キリン、花王、日本製鉄、JAL
  アメリカ 6月製造業受注  
    ★決算発表 アムジェン、ザイレム
8/4(水) 日本 ★決算発表(130社) 東レ、イビデン、トヨタ、ソフトバンク、ソニーG
  アメリカ 7月ADP雇用統計 労働省「雇用統計」の前哨戦的位置付け
    7月ISM非製造業景況指数 雇用や新規受注にも注目
    ★決算発表 ゼネラルモーターズ、ブッキングHD、ウーバー
8/5(木) 日本 ★決算発表(313社) 東エレク、NTTデータ、シャープ、キッコーマン
  アメリカ 新規失業保険申請件数  
    6月貿易収支  
    ★決算発表 ビヨンドミート、モデルナ、イルミナ
8/6(金) 日本 6月景気動向指数  
    6月毎月勤労統計調査  
    ★決算発表(574社)〜発表社数ベースではピーク 旭化成、大塚HD、東京海上、NTT、セコム
  アメリカ 7月雇用統計 非農業部門雇用者数の市場予想は87.5万人増
8/7(土) 中国 7月貿易収支  
8/8(日) 日本 山の日 東京五輪閉会式
8/9(月) 日本 振替休日  
  中国 7月消費者・生産者物価指数  
  アメリカ ★決算発表 バイオエヌテック
8/10(火) 日本 7月景気ウォッチャー調査  
    ★決算発表(323社) アサヒ、キリンHD、ソフトバンクG
  アメリカ 7月NFIB中小企業楽観指数  
    ★決算発表 ユニティソフトウェア、コインベース
8/11(水) 日本 7月マネーストック  
    ★決算発表(212社) 電通G、楽天G、日本郵政、ネクソン
  アメリカ 7月消費者物価指数 コア指数の市場予想は前年同月比4.3%上昇
    ★決算発表 ニオ、ロイヤルティファーマ、イーハンホールディングス
8/12(木) 日本 7月国内企業物価指数  
    7月都心オフィス空室率 6月の都心部空室率は6.19%と7年ぶり高水準
    ★決算発表(272社) 明治HD、サントリーHD、東芝、住友不
  アメリカ 7月生産者物価指数  
    新規失業保険申請件数  
    ★決算発表 ウォルトディズニー、パランティアテクノロジーズ
8/13(金) 日本 オプションSQ  
    ★決算発表(353社) 富士フイルム、ENEOS
  アメリカ 8月ミシガン大学消費者マインド指数 米個人消費の方向感は?予想インフレ率も注目
  • ※各種報道、WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定

  2021年 2022年
日銀金融政策決定会合 9/22(水)、10/28(木)、12/17(金) 1/18(火)、3/18(金)、4/28(木)、6/17(金)、7/21(木)、9/22(木)、10/28(金)、12/20(火)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 9/22(水)、11/3(水)、12/15(水) 1/26(水)、3/16(水)、5/4(水)、6/15(水)、7/27(水)、9/21(水)、11/2(水)、12/14(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 9/9(木)、10/28(木)、12/16(木) 1/20(木)、3/10(木)、4/14(木)、6/9(木)、7/21(木)、9/8(木)、10/27(木)、12/15(木)
  • ※日米欧中銀WEBサイトを基にSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。 なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しています。日付は現地時間を基準に記載しています。

2≪どうなる8月相場≫波乱の中、買い場到来の可能性も?

8月相場はどうなるのでしょうか。図表7は日経平均株価の月別平均騰落率です。8月は過去30年、平均で1.7%下落しています。過去10年で見ても平均1.4%下落し、12個の「月」の中で唯一下落傾向の月になっています。内外で夏休みが本格化し、様子見気分が強まりやすい月と言えます。

図表2の日経平均株価・日足チャートを改めてチェックすると、7月後半以降、日々線が200日移動平均を割り込んできています。一目均衡表の先行スパンは交差を繰り返す不安定な形です。これに新型コロナウイルスの感染拡大による沈滞ムードが加わると、8月相場は波乱となる可能性が膨らんできます。

ただ逆に、日経平均株価は8月が本年安値となり、「買い場」になる可能性もありそうです。そう考える理由は以下の通りです。

(1)新型コロナウイルスのワクチン接種が進捗し、感染者数がピークアウトする可能性

英国では新規感染者数(7日移動平均)が5/26(水)前後を底に拡大に転じ、7/21(水)にピークを形成。ほぼ同時期に経済活動再開に舵を切ったものの、以降の感染者数は減少傾向です。インドも同様で、デルタ型ウイルスの感染拡大は約2ヵ月がメドとなる傾向があります。日本の場合、6/20(日)が新規感染者数のボトムだったため、新型コロナウイルスのワクチン接種進捗を前提に、2ヵ月後の8/20(金)前後に感染拡大がピークアウトとなるチャンスが訪れると期待されます。

(2)重要スケジュールの消化

東京五輪は8/8(日)に閉会式の予定。また、2021/4〜6期の決算発表は、8/4(水)に時価総額最大のトヨタ(7203)が発表を終え、8/13(金)頃までにほぼ一巡するはこびです。米金融政策変化のヒントが出るかもしれないジャクソンホール会合は8/26(木)〜8/28(土)に開催予定です。これらの重要日程を消化し、市場では次第にポジションが取りやすくなると考えられます。

(3)“政治の季節”に追加経済対策への期待が高まる公算

2020/9/16に発足した菅内閣は、その活動期間がまるまる新型コロナウイルスの感染拡大時期に覆われたことが災いし、支持率低迷に苦しんでいます。そうした中、9月末に自民党総裁任期が、10/21(木)に衆議院議員の任期が満了となる予定で、総裁選挙や総選挙での勝利を目指す菅首相は、追加経済対策を打ち出してくる可能性がありそうです。報道では、30兆円規模の対策になる可能性が指摘され、9月以降の株式市場の刺激材料になると考えられます。

(4)米10年国債利回り(米長期金利)のボトムアウトと日本株底入れ

米10年国債利回りが低下傾向を続けているため、それと連動する傾向(図表8)の日本株も下げやすくなっています。しかし、米国の「カネ余り」や、主要先進国の中で一定水準の利回りを確保できる希少性から、米10年国債利回りの需給が良く、投機性が強まっていることも確かです。同国債利回りが米国の経済回復を反映し、上昇に転じてくれば、日本株に対する見方も変わってくることが期待されます。

図表7 8月は下落する傾向?〜日経平均株価の月別平均騰落率(過去10年・30年)

  • ※日経平均株価データをもとにSBI証券が作成。 1〜7月は2021年までの10年間、8〜12月は2020年までの10年間の月間騰落率の平均。

図表8 日経平均株価と米10年国債利回り

  • BloombergデータをもとにSBI証券が作成。 期間は2020/1/6〜2021/8/2
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