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2021-03-06 01:22:40

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「ウィズ・コロナ」から「アフター・コロナ」へ〜株式市場はどう変化するか〜

2021/2/9

投資情報部 鈴木英之

日経平均株価の2月第1週(2/1〜2/5)終値は前週末(2021/1/29)比1,115円80銭(4.0%)高、週足ベースで反発となりました。2/8(月)はさらに上伸し、1990/8/3(金)以来、およそ30年半ぶりの高値水準まで上昇しました。米株高や、日本国内の上場企業の好決算が追い風になっています。

さらに、株式市場はこれまでの「ウィズ・コロナ」を意識した展開から、「アフター・コロナ」を織り込む展開に変わってきているように思われます。世界的には新型コロナウイルスの新規感染者数は減少傾向にあり、今後は物色対象が変わりつつある点に注意が必要でしょう。

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1日経平均株価は90/8/3(金)以来の高値水準

2月第1週(2/1〜2/5)のNYダウは前週末比3.9%高で、週足ベースで反発となりました。2/5(金)時点では5日続伸。個人投資家による投機的な売買が収束に向かうとの安心感が広がる中、追加経済対策の早期成立に向けた期待感が一段と高まる展開となりました。また、米新型コロナウイルスの新規感染者数や、死亡者数が減少傾向にあることもプラス要因となり、景気回復期待から景気敏感株を中心に買われました。

なお、NYダウは2/8(月)におよそ3週間ぶりに最高値を更新し、ナスダック、S&P500は2/4(木)から2/8(月)にかけて連日で過去最高値を更新しています。
米雇用統計については非農業部門雇用者数が増加も、市場予想を下回る結果となりましたが、今後の経済対策や金融緩和の効果に対する期待が強く、相場への影響は限定的でした。

米株高を追い風に日経平均株価は上昇基調となる中、日本国内の決算発表は佳境に入り、好決算銘柄を中心に買いが広がりました。2/8(月)にはTOPIXが2018/1/23(火)の高値を上回り、およそ29年8ヵ月ぶりの高値を更新したことで、戻り売りが出にくくなったことも、株価上昇を加速させる要因となりました。

なお、政府は2/2(火)の新型コロナウイルス感染症対策本部で、10都府県を対象に3/7(日)まで緊急事態宣言の延長を決定。当初予定していた2/7(日)で宣言を解除できなかったものの、市場では織り込み済みであったことから株価への大きな影響はみられませんでした。

世界の新型コロナウイルスの新規感染者数は、2/8(月)時点で約1億600万人、亡くなった人は231万人を超えました。日本では2/8(月)の東京の新規感染者数は276人となり、11日連続で1,000人を下回ったものの、依然として全国の死亡者数は最多水準で推移しており、重症化しやすい高齢者の感染が多い状況が続いています。

こうした中、日本株市場では自動車業界の株価が大幅に上昇。米アップルが日本を含む複数の自動車メーカーに電気自動車(EV)の生産を打診と報道され、思惑買いが広がる展開となりました。                                                                                                   

図表1 日経平均株価の値動きとその背景(2021/2/2〜2021/2/9)

  日経平均株価 日米株式市場等の動き
終値 前日比
2/2(火) 28,362.17 -28091.05 米投機的売買への警戒心が和らぎ、米株高を追い風に上昇。
2/3(水) 28,646.50 +284.33 3日続伸。米追加経済対策の早期成立に期待感。
2/4(木) 28,341.95 -304.55 利益確定売りが優勢となり、4日ぶりに反落。値がさ株を中心に売られる。
2/5(金) 28,779.19 +437.24 米株高を追い風に反発。マツダなど、好決算銘柄を中心に買われる。
2/8(月) 29,388.50 +609.31 90年8月3日以来の高値水準。米追加経済対策成立に期待感。
2/9(火) 29,505.93 +117.43 一進一退も小幅に続伸。ソフトバンクグループなど、値がさ株が下支え。
  • ※日経平均株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図表2 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/2/9取引時間中。

図表3 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/2/8時点。

図表4 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとに作成。データは2021/2/9取引時間中。

図表5 当面の重要スケジュール

月日 国・地域 予定内容 ポイント
2/9(火) 日本 12月毎月勤労統計調査  
    1月日本工作機械受注
    1月マネーストック
    ★決算発表 本田技研、日本たばこ、大和ハウス、ダイキン、富士フイルム
  アメリカ 12月米求人労働移動調査
    ★決算発表 ツイッター、Tモバイル
2/10(水) 日本 1月国内企業物価指数  
    1月都心オフィス空室率 2020/12の都心部空室率は4.49%で10ヵ月連続上昇。
    ★決算発表(469社) トヨタ自動車、東京海上HD、東京電力HD、国際石油帝
  中国 1月中国生産者・消費者物価指数
  台湾 休場(〜16日)
  アメリカ 1月消費者物価指数
    1月財政収支
    ★決算発表 コカ・コーラ、ゼネラルモーターズ、シャオペン
2/11(木) 日本 休場(建国記念の日)  
  中国 春節による休場(〜17日)
  韓国 休場(〜12日)
  アメリカ ★決算発表 ウォルト・ディズニー、イルミナ、コグネックス
2/12(金) 日本 オプションSQ  
    ★決算発表(751社)〜発表社数が最多 日本郵政、第一生命、ゆうちょ銀、SOMPOHD
  香港 休場(〜15日)
  アメリカ 2月ミシガン大学消費者マインド指数 米個人消費の勢いは?
2/15(月) 日本 10-12月期GDP  
    ★決算発表 クボタ、キリンHD、リクルートHD、ユニ・チャーム
  アメリカ 休場(プレジデンツデー)  
2/16(火) 日本 12月第三次産業活動指数  
  ドイツ 2月ZEW景況感指数  
  ユーロ 実質GDP  
  アメリカ ニューヨーク連銀製造業景気指数  
2/17(水) 日本 12月機械受注  
    1月貿易統計  
    コロナワクチンを医療従事者1万人程度に先行接種開始予定  
  アメリカ 1月生産者物価指数  
    1月小売売上高  
    1月鉱工業生産・設備稼働率  
    2月NAHB住宅市場指数  
    1月26・27日開催のFOMC議事録  
    ★決算発表 ロイヤルティファーマ、ショッピファイ、ブリティッシュアメリカンタバコ
2/18(木) 日本 1月首都圏新規マンション発売  
  アメリカ 1月住宅着工・建設許可件数  
    新規失業者保険申請件数  
    2月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数 米国の企業マインドを計測。
    1月輸出入物価指数  
    ★決算発表 ウォルマート、アプライドマテリアルズ
2/19(金) 日本 1月消費者物価  
  アメリカ 1月中古住宅販売件数  
    オプションSQ  
  • ※各種報道、日米欧中銀WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2021年
日銀金融政策決定会合 3/19(金)、4/27(火)、6/18(金)、7/16(金)、9/22(水)、10/28(木)、12/17(金)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 3/17(水)、4/28(水)、6/16(水)、7/28(水)、9/22(水)、11/3(水)、12/15(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 3/11(木)、4/22(木)、7/22(木)、9/9(木)、10/28(木)、12/16(木)
  • ※日米欧中銀WEBサイトを基にSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。 なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しています。日付は日本時間(ただし、ECBの結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。

3グローバルな株式市場は「アフター・コロナ」を意識し始めた?

日々のニュースを見ると、新型コロナウイルスの感染は依然として深刻な状態であると感じます。特に観光地や繁華街などへ人が繰り出す映像をみると感染拡大が再加速することが懸念されます。

一方で、世界的に新型コロナウイルスの新規感染者数はピークアウトの様相を呈しています(図表7)。同新規感染者数は9月849万人、10月1,207万人、11月1,719万人、12月2,019万人でしたが、1月は1,953万人と微減しました。ご参考までに、2月5日までのデータを月次に換算(今月は28日間)すると、1,300万人を割るペースになっています。
なお、新型コロナウイルス向けワクチンを接種した人は世界で1億2,800万人超に達し、ワクチンが新型コロナウイルスの感染拡大にブレーキをかけている可能性もあります。

日本国内では、新型コロナウイルス新規感染者数は1月上旬に7,800人超でピークを打ち、現在は2,000人台で推移しています。政府が1/7(木)に発出した緊急事態宣言の効果が徐々に表れているのかもしれません。
新型コロナウイルス感染者数の減少傾向は株式市場全般には追い風となり、「ウィズ・コロナ」を意識した展開から、「アフター・コロナ」を織り込む展開に変わってきているように思われます。

しかし、物色面では注意が必要で、明暗には変化が出てきています。
内外の観光客減が痛手となったJR東海は昨年9/14(月)の17,380円(取引時間中)から、1/6(水)には一時13,815円まで下げましたが、2/8(月)には昨年9月の水準を取り返しています。国際線が大きな打撃を受けた日本航空(9201)も同様に昨年9月の高値水準を回復しました。

反対に、ゲームや半導体、情報通信株など「ウィズ・コロナ」で買われてきた銘柄は相対的に上値が重くなっています。情報通信関連株の多い東証マザーズは1月下旬の高値水準を回復できず、日経平均株価が急騰した2/8(月)も横ばい程度の動きにとどまっています。

中長期的には、財政拡大や金融拡大への期待が共にピークアウトする可能性に注意が必要です。世界的には、FRB(米連邦準備制度理事会)のゼロ金利政策が2023年まで続くと予想されますが、新型コロナウイルスの感染者数が縮小するにつれ、出口論議が活発化する可能性は大きくなるとみられ、「金融相場」から「業績相場」に至る過程で波乱が起きるシナリオにも注意が必要でしょう。

図表7 世界の新型コロナウイルス新規感染者数(月次・万人)

  • ※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
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