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2021-01-27 13:51:31

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≪今の株価はバブルなのか≫日経平均約30年5ヵ月ぶりの高値回復でどう理解すべきか

2021/1/12

投資情報部 鈴木英之

日経平均株価の1月第1週(1/4〜1/8)終値は前年末(2020/12/30)比で694円86銭(2.5%)高となり、終値ベースでは1990/8/8(水)以来、約30年5ヵ月ぶりの高値水準を回復しました。米上院決選投票で民主党が2勝し、「ブルーウェーブ」となったことから、次期政権での大規模な財政出動への期待が高まった他、ISM製造業指数の上昇や原油価格の上昇も好感され、米国など主要国の株価指数が上昇した流れを引き継ぎました。

1/7(木)に1都3県を対象とする緊急事態宣言が再発令されたことにより、国内需要を中心とする景気の減速・悪化などが懸念され、失業の増加も心配されます。上昇傾向の株価と、不安材料の多い景況感を考えれば「株価はバブルではないのか」という疑問が増えてきても不思議ではないと考えられます。

では、投資家としては日本国内の株式市場の現状をどう理解すべきでしょうか。

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1日経平均株価が28,000円台〜約30年5ヵ月ぶりの高値水準を回復

日経平均株価の1月第1週(1/4〜1/8)終値は28,139円03銭となり、前年末(2020/12/30)比694円86銭(2.5%)高、週足ベースでは12月第5週(12/28〜12/30)が3.0%の上昇でしたので、続伸となりました。なお、1/8(金)の終値ベースでは、1990/8/8(水)以来、約30年5ヵ月ぶりの高値水準を回復しました。
また、東証1部の売買代金は利益確定売りをこなしながら上昇し、1/8(金)には3兆円を超え、11/30(月)以来の高水準となりました。

一方、1月第1週(1/4〜1/8)のNYダウは前年末比1.6%高と週足ベースで4週続伸し、終値は史上初めて31,000ドル台に乗せてきました。 ジョージア州で5日実施の上院決選投票を控え、年初の1/4(月)こそ売り優勢(382ドル安)となったものの、1/5(火)〜1/8(金)はイベントリスクが通過し、4営業日続伸(累計874ドル高)となりました。

上院決選投票は結局、民主党が2勝し、大統領、議会上院、議会下院でいずれも民主党が支配する「ブルーウェーブ」となり、次期政権への大規模な財政出動への期待が高まりました。また、前日にトランプ大統領支持派による議事堂侵入という暴動があったものの、1/7(木)にはペンス副大統領がバイデン氏の勝利を正式に発表し、混乱収拾に目途がついたことで安心感につながりました。その他、ISM製造業指数の上昇や原油価格の上昇も好感されました。

このように、米国株をはじめ、主要国の株式市場で上昇基調が続いたことや、米債券市場で10年国債利回りが昨年末0.917%から1/8(金)に1.119%へ上昇したことから円安・ドル高が進んだことなどが、日経平均株価に追い風となりました。

世界の新型コロナウイルスの新規感染者数は、1/11(月)には9,000万人を超え、感染拡大に歯止めがかからない状況が続いています。日本でも新規感染者数が1日当たり平均で4,415人、死亡者数も同57人増加となりました。こうした流れを受け、菅首相は1/7(木)に1都3県への緊急事態宣言の再発令を決定し、1/8(金)から2/7(日)までの1ヵ月間、飲食店を中心に営業時間の短縮などを要請しました。 

ただ、こうした新型コロナウイルスの感染拡大が株価下落の直接的な要因になることはなく、むしろ米国での大規模な財政出動や低金利長期化への期待感の高まりなどが、株価上昇につながっています。日経平均株価は、緊急事態宣言発令の1/7(木)に434円19銭高、その翌日の1/8(金)に648円90銭高と上昇し、アク抜けの形になっています。

図表1 日経平均株価の値動きとその背景(2021/1/5〜2021/1/12)

  日経平均株価 日米株式市場等の動き
終値 前日比
1/5(火) 27,158.63 -99.75 国内外の新型コロナ感染拡大に加え、米ジョージア州の上院選決選投票前で警戒感。
1/6(水) 27,055.94 -102.69 日経平均は4日続落。一方、新興株は高く、4日ぶりに反発。
1/7(木) 27,490.13 +434.19 米株高を受け、5日ぶりの反発。米新政権の財政支出に期待感。
1/8(金) 28,139.03 +648.90 およそ30年5ヵ月ぶりの高値更新。米新政権へのスムーズな移行に期待高まる。
1/12(火) 28,164.34 +25.31 一進一退の値動きも小幅に続伸。一部では緊急事態宣言の地域拡大で景気減速懸念も。
  • ※日経平均株価データ、各種資料をもとにSBI証券が作成。

図表2 日経平均株価(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールをもとにSBI証券が作成。データは2021/1/12取引時間中。

図表3 NYダウ(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2021/1/11現在。

図表4 ドル・円相場(日足)と主要移動平均線・おもな出来事

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2021/1/5取引時間中。

図表5 当面の重要スケジュール

月日 国・地域 予定内容 ポイント
1/12(火) 日本 12月景気ウォッチャー調査  
    ☆決算発表 セブン&アイ・ホールディングス、コスモス薬品、安川電機他
1/13(水) 日本 12月マネーストック  
    12月工作機械受注  
    ☆決算発表 イオン、エービーシー・マート、久光製薬他
  アメリカ 12月消費者物価  
    12月財政収支  
    ☆決算発表  
1/14(木) 日本 11月機械受注  
    12月国内企業物価指数  
    12月都心オフィス空室率  
    ☆決算発表 ファーストリテイリング、ベイカレント・コンサルティング他
  アメリカ 12月輸出入物価  
  中国 12月貿易収支  
1/15(金) 日本 11月第三次産業活動指数  
  アメリカ 12月生産者物価  
    1月NY連銀製造業景気指数  
    12月鉱工業生産・設備稼働率  
    1月ミシガン大学消費者マインド指数  
    ★決算発表 シティグループ、JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー他
1/16(土) 日本 大学入学共通テスト実施(〜17日)  
  ドイツ ドイツ与党のキリスト教民主同盟(CDU)党大会。新党首選出。  
1/17(日) 日本 阪神・淡路大震災から26年  
1/18(月) 日本 通常国会召集の予定
  アメリカ 休場(キング牧師生誕日)
  中国 10-12月期GDP
    12月工業生産
    12月小売売上高
    12月都市部固定資産投資
1/19(火) アメリカ 11月対米証券投資  
    ★決算発表 バンク・オブ・アメリカ、ネットフリックス他
  ドイツ 1月ZEW景況感指数  
  • ※各種報道、日米欧中銀WEBサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。

図表6 日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(月日は現地時間)

  2021年
日銀金融政策決定会合 1/21(木)、3/19(金)、4/27(火)、6/18(金)、7/16(金)、9/22(水)、10/28(木)、12/17(金)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 1/27(水)、3/17(水)、4/28(水)、6/16(水)、7/28(水)、9/22(水)、11/3(水)、12/15(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 1/21(木)、3/11(木)、4/22(木)、7/22(木)、9/9(木)、10/28(木)、12/16(木)
  • ※日米欧中銀WEBサイトを基にSBI証券が作成。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合があります。 なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しています。日付は日本時間(ただし、ECBの結果発表日程は現地時間)を基準に記載しています。

2今の株価はバブルなのか?

株価は景気の現状を反映するだけのものではなく、上場企業の資産や業績見通しも反映するものと考えられます。

図表7は、日経平均株価とその純資産を比較したものです。
2011年1月末の終値10,237円から、約10年後となる直近1/8(金)の終値28,139円で比較すると、日経平均株価は2.75倍になりましたが、それは同期間にBPSが2.66倍になったことと、大きなかい離はないと考えられます。日経平均株価はBPSの1.3倍程度、すなわちPBR1.3倍程度は許容範囲であり、現状では22,692円(BPS)の1.3倍に相当する29,499円は許容範囲であると考えられ、多少の誤差も考えれば、日経平均株価30,000円も許容範囲内であると考えられます。

同様に、現在約1,000円の日経平均予想EPS(1株利益)が来期4割程度増えると仮定すると、日経平均株価30,000円の時の予想PERは21.4倍程度と計算されます。こちらも割安とは考えにくいものの、「バブル」とは表現しにくい水準と考えられます。すなわち、日経平均株価はPBRやPER等の指標でみる限り、極端に割高とはいえないと考えられます。

米国株をけん引しているのがGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)と称される巨大IT企業ですが、来期の予想EPS(Bloomberg集計・調整後)をベースとした予想PERの単純平均は約32倍(1/11現在)と計算され、かなり評価が進んでいるようにみられます。時価総額面でこの一角に入ってきたテスラの予想PERは200倍を超えてきており、これらが株価を維持できるか否かも課題になってきそうです。

また、買収する企業が決定していない中、その資金枠だけを確保するに等しいSPAC(特別買収目的会社)が、先進的な金融工学のたまものなのか、株式市場の「行き過ぎ」なのかという点も注目したいところです。

このように、日本株を全般としてみれば、必ずしも「バブル」とは言い難いのですが、銘柄間の比較を行うと、すでに割高な水準まで買われた銘柄と、割安なまま放置されている銘柄が混在しているのが日本の株式市場であると言えそうです。したがって、個別にみれば「バブル」がはじけてしまう銘柄も出てくる可能性があるでしょう。

図表7 日経平均株価(月足)とBPS、PBR1.2倍・PBR1.3倍水準

  • ※日経平均株価データをもとにSBI証券が作成。1995/10以降の日経平均株価の月終値、月末BPS(1株純資産)および、PBR1.2倍、1.3倍水準をグラフ化したもの。2021/1月足は1/8(金)終値を使用。
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