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マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT! >  春相場は「上への波乱」なのか?「下への波乱」なのか?

225の『ココがPOINT!』

2017/03/07

春相場は「上への波乱」なのか?「下への波乱」なのか?

前回、日経平均株価の2月・月間の高値と安値のかい離が3%未満に収まり、過去20年間で6回しかない珍しい記録になったことをご紹介しました。そんな2月相場も終わり、トランプ大統領の議会演説という重要日程も通過し、日経平均株価は3/1(水)に前日比274円55銭高、3/2(木)に同171円26銭高と続伸。さすがに「3月相場は大きく動きそうだ」という印象を市場参加者に与えました。

しかし、3/2(木)の取引時間中に19,668円01銭とザラ場ベースの昨年来高値を付けた後の日経平均株価は再び、上値の重い展開になっています。今後は3/10(金)にメジャーSQ、米雇用統計(2月)の発表、3/15(水)に米FOMCの結果発表、米債務上限引き上げ期限、オランダ議会選挙等の重要日程を控え、ますますこう着状態が続く可能性があります。

もっとも、こう着感が強まれば強まるほど、それが解放された時の株価は大きく動く可能性があります。3/15(水)以降は株価が大きく動き「波乱の春相場」となる可能性もあります。そこで問題は「上への波乱」なのか「下への波乱」なのかということになりそうです。

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こう着状態が継続

現地時間2/28(火)に実施された米トランプ大統領による議会演説は、日本時間では3/1(水)の午前11時からメディアやネットを通じて広く配信されました。2/27(月)には一時19,000円台を割り込むなど、直前の日経平均株価はリスク回避の動きを示していましたが、3/1の午前中は買い戻しが優勢となる中で小高く推移する展開でした。

トランプ大統領による演説は3/1の昼休み中には終わりましたが、インフラ投資や規制緩和、国境の壁の建設などこれまでの基本方針を確認する内容となり、具体論に欠くものとなりました。もっとも、東京株式市場の参加者は国境税に象徴される米国への輸出に打撃を与えるような政策の具体化を恐れていた面が強く、具体論に欠く演説はむしろ市場へ安心感を与える形になりました。結局、3/1(水)の日経平均株価は前日比274円55銭高と大幅に上昇。続く3/2(木)には一時19,668円01銭という昨年来のザラ場高値まで上昇しました。1/4(水)に付けた19,594円16銭という終値ベースの昨年来高値を更新することはできませんでしたが、結局この日も前日比171円26銭高と続伸し、さすがに「3月相場は大きく動きそうだ」という印象を市場参加者に与えました。

なお、トランプ大統領の演説と前後して、FRBメンバーから3月利上げを示唆する発言が相次ぐようになりました。これを受けて米10年国債利回りが上昇し、ドル・円相場も円安・ドル高方向への動きを強めるようになりました。こうした円安・ドル高を追い風に、通常であれば日経平均株価が上げ足を速める展開になっても不思議ではありませんでした。

しかし、3/2(木)の取引時間中に19,668円01銭とザラ場ベースの昨年来高値を付けた後の日経平均株価は再び、上値の重い展開になっています。3/6(月)には東証一部の売買代金が9営業日ぶりに2兆円を割り込むなど、様子見気分の強い展開になりました。ここのところ市場の主要関心事になってきた米金融政策については、3/3(金)にイエレンFRB議長までもが3月の利上げを示唆するに至り、金利動向からみた利上げ確率が9割を超えましたが、逆に「材料出尽くし」に捉えられてしまったようです。一時1ドル114円台後半まで上昇したドルの対円レートも「上昇一服」の様相を呈しています。

今後は3/10(金)にメジャーSQ、米雇用統計(2月)の発表、3/15(水)に米FOMCの結果発表、米債務上限引き上げ期限、オランダ議会選挙等の重要日程を控え、ますますこう着状態が続く可能性があります。

図1:日経平均株価(日足)〜こう着状態が継続

  • ※当社チャートツールもとにSBI証券が作成。データは2017/3/6現在。

図2:米10年国債利回り(日足)・過去3ヵ月

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2017/3/6(現地時間)現在。

図3:ドル・円相場(日足)・過去3ヵ月

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2017/3/7取引時間中。
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当面のタイムスケジュール〜どうなる?米雇用統計

トランプ大統領の議会演説の後、市場の関心は米金融政策に移ったものと考えられます。米国時間3/15(水)に結果発表が予定されている米FOMCでは政策金利(上限)が0.75%から1%に引き上げられる可能性が大きいと考えられます。

ただ、市場が3月FOMCでの利上げをほぼ織り込んでしまった結果、それを阻害する要素が大きなリスク要因になってしまいました。すなわち、3/10(金)に発表される米雇用統計(2月)で非農業部門雇用者数が数万人の増加にとどまるようなネガティブな数字になった場合、相当の円高・株安になる可能性も膨らんでいます。東京市場は3/10(金)にメジャーSQを控えており、それまでは、もともとポジションを構築しにくいタイミングになりますので、当面はこう着状態の継続が想定されます。

なお、雇用統計では2月の非農業部門雇用者数増減のみならず、過去2ヵ月の修正がどの程度になるのかも重要です。また最近は時間当たりの賃金や週間の労働時間等から、労働需給のひっ迫状態をチェックすることも重要視されていますので、そこも併せて注目したいと考えます。

表1:当面の重要なタイムスケジュール〜どうなる?米雇用統計

月日(曜日)

国・地域

予定内容

ポイント

3/8(水) 中国 2月輸入(前年比) 1月は前年同月比16.7%増
中国 2月輸出(前年比) 1月は前年同月比7.9%増
中国 2月貿易収支 1月は513億ドルの黒字
米国 2月ADP雇用統計 コンセンサスは18.5万人増
3/9(木) 中国 2月消費者物価指数(前年比) 1月は前年同月比2.5%増
日本 2月東京オフィス空室率 1月は3.74%
欧州 ECB主要政策金利 金融政策に変更はない見通し
3/10(金) 日本 国内企業物価指数 前年比 1月は前年同月比0.5%増
日本 メジャーSQ 裁定買い残は1月第2週以降1.6兆円台で変動が少ない
米国 2月雇用統計 市場コンセンサス(非農業部門雇用者数)は19万人増
3/13(月) 日本 1月機械受注 12月は前月比6.7%増。設備投資の先行指標。
3/14(火) 中国 2月の主要経済指標 小売売上高、固定資産投資、鉱工業生産
ドイツ 3月ZEW景況感指数 6ヵ月先の景況感を機関投資家、市場関係者等350人に調査
3/15(水) 欧州 オランダ議会選挙 ウィルダース党首率いる自由党(反イスラム・反EU)が躍進?
米国 3月NY連銀製造業景気指数 2月は18.7
米国 2月消費者物価指数(前年比) 1月(食品・エネルギーを除く)は2.3%上昇
米国 2月小売売上高 1月(自動車・ガソリンを除く)は前月比0.7%増
米国 FOMC結果発表(日本時間16日3時) 政策金利(上限)が0.75%から1%へ引き上げられる可能性大
米国 連邦債務上限引き上げ期限
3/16(木) 日本 日銀金融政策決定会合結果発表 今回は政策変更がない見通し
米国 3月フィラデルフィア連銀景況指数 2月は43.3
3/17(金) 米国 2月鉱工業生産 1月は前月比0.3%減
米国 3月ミシガン大学消費者信頼感指数 2月は96.3

表2:日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(2017年以降)

  2017年
日銀金融政策決定会合 3/16(木)、4/27(木)、6/16(金)、7/20(木)、9/21(木)、10/31(火)、12/21(木)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 3/15(水)、5/3(水)、6/14(水)、7/26(水)、9/20(水)、11/1(水)、12/13(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 3/9(木)、4/27(木)、6/8(木)、7/20(木)、9/7(木)、10/26(木)、12/14(木)

※各種報道、日米欧中銀Webサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合がありますので、あくまでもデータ作成段階のものです。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。日付は現地時間を基準に記載しています。

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【ココがPOINT!】「上への波乱」なのか「下への波乱」なのか

前項でご説明した通り、市場が3月FOMCでの利上げをほぼ織り込んでしまった結果、3/10(金)に発表される米雇用統計(2月)で非農業部門雇用者数が数万人の増加にとどまるようなネガティブな数字になった場合、相当の円高・株安になる可能性も膨らんでいます。また、時間当たりの賃金が伸びなかった場合も波乱になる可能性があります。

しかし米雇用統計がネガティブな内容になった場合も過度の懸念は禁物だと考えられます。トランプ大統領が雇用の拡大を重要な政策と考えているからです。今後、インフラ整備計画も具体化してくると考えられ、労働市場の需給は先行き逼迫してくると考えられます。3/2(木)に発表された新規失業保険申請件数(2/25終了週の分)は4週平均で23.4万件と1973/4以来の少なさになっており、労働市場の実態は強いとみられます。米生産年齢人口は2億5千万人いるので10万人前後の増減は本来は誤差の範囲内であり、単月の数字に一喜一憂すべきではないと考えられます。

無論、雇用統計でネガティブな数字が発表された場合、3/15のFOMCでの利上げは見送りになる可能性もありますが、「年3回の利上げペース」という市場の読みに変化が生じなければ落ち着きを取り戻すタイミングも早いと考えられます。

この他、3/15(水)には米債務上限引き上げ期限およびオランダ議会選挙という重要日程があります。ただ前者については、大統領も議会の過半を占める勢力もともに共和党であり、極端な混乱には発展しにくいと考えられます。オランダ議会選挙についても、欧州でドイツ株が高値圏にあること等を考慮すると、やはり過度の懸念は不要のように思われます。

図4は日経平均株価(日足)の一目均衡表です。転換線が基準線の上位にあること、日々線がクモの上にあること、遅行スパンが日々線の上にあること等、トータルとしては堅調な形状になっています。一方、図5のドル・円相場(日足)の一目均衡表ですが、先行スパンが交差する要注意日が接近しておりやや不気味さを感じる形になっています。これまでご説明してきたように波乱要因も存在するため、短期的には注意も必要ですが、米国の金融政策について「年3回の利上げペース」という市場の読みに変化が生じなければ、緩やかな円安・ドル高トレンドが続くとみられます。

冒頭で触れたように、3/15(水)以降は株価が大きく動く「波乱の春相場」となる可能性もあり、そこで問題は「上への波乱」なのか「下への波乱」なのかということになりそうですが、「225の『ココがPOINT!』」では前者の可能性の方が大きいと考えます。

図4:日経平均株価(日足)・一目均衡表・過去3ヵ月

図5:ドル・円相場(日足)・一目均衡表・過去3ヵ月

  • ※日経平均公表データを用いてSBI証券が作成。データは2017/3/7取引時間中。

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