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マーケット > レポート > 225の『ココがPOINT! >  「トランプ氏の大統領就任」後は波乱!?それとも上昇!?

225の『ココがPOINT!』

2017/01/17

「トランプ氏の大統領就任」後は波乱!?それとも上昇!?

2016/11/9(水)にトランプ氏が大統領選挙に勝利して以降、米国株高、米金利上昇、円安・ドル高等が追い風となり、日経平均株価は上昇してきました。トランプ氏が公約した金融部門の規制緩和や社会インフラ投資、減税等により、米国経済の成長が加速すると期待されたことがその背景と考えられます。しかし、日経平均株価は2016/12/21(水)の高値19,592円、2017/1/5(木)の高値19,615円で頭を抑えられ、1/17(火)の取引時間中に2016/12/30(金)安値18,991円を割り込んだことから、チャート上は「Wトップ確認」の形になりつつあります。目先は調整色の強い展開が予想されます。

そうした中、トランプ氏が1/20(金)にいよいよ第45代米国大統領として正式に就任します。市場では、トランプ氏が実際に大統領に就任した後は、その政策を見極めるべく、株式市場は波乱色を強めるという見方があります。一方では、最近の調整で、トランプ氏の政策が抱えるリスク面をある程度織り込んだと考えることもでき、株価は再び上昇に転じるとの見方もあります。果たして、どちらのシナリオが実現されるのでしょうか。

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「Wトップ」が心配される局面

11/9(水)にトランプ氏が米大統領選挙に当選して以降、米金利上昇、円安・ドル高、日本株高が進んできたもっとも大きな理由は、市場参加者が、米国経済の成長加速に期待したためであると考えられます。

現在の米国経済は完全雇用状態に近いので、仮に今以上に成長率が加速すればインフレ率の上昇も加速しやすくなると考えられます。トランプ氏が打ち出した減税、規制緩和、社会インフラ投資等の経済政策は米経済成長率を加速させる要因であると考えられますので、今後米国のインフレ率は上昇が加速すると見込まれます。1/13(金)に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数の調査では消費者の1年後・期待インフレ率が12月時点の2.2%から、1月は2.6%と急上昇しており、消費者もインフレ率上昇の加速を予想していることが見て取れます。

インフレ率の上昇以上に賃金が伸びないと実質所得が減ってしまい、その分だけ消費者の購買力が落ちてしまいます。そこで、インフレ率の上昇をうまく制御するよう求められているのが中央銀行です。図2で示した通り、米国ではインフレ率の加速見通しを背景に、10年国債利回りが11月以降急上昇してきました。米国債が利回り面で魅力を向上させることはドルの魅力向上につながりますので、ドルの対円相場も急上昇してきました(図3)。12/14(水)結果発表のFOMC(米連邦公開市場委員会)で利上げが予想されていたことも、こうした動きに拍車をかけました。

11月以降の株高は基本的に、このような米金利上昇と円安・株高がエンジン役になっていると考えられます。

しかし、米10年国債の利回り上昇と、円安・ドル高のペースは、やはり速すぎたように感じられます。市場予想通りに12/14(水)まで開催されていたFOMCでは利上げが発表され、材料出尽くし感が強まったこともありそうです。図2・図3に示されたように、12/15(木)以降、米金利は低下に転じ、ドルの対円相場も下落に転じました。なお、足元では英国のEU離脱問題が再燃し、そのことがリスク回避の円買いにつながり、円高を加速させている面もありそうです。

こうしたことを背景に、日経平均株価は2016/12/21(水)の高値19,592円、2017/1/5(木)の高値19,615円で頭を抑えられ、1/17(火)の取引時間中に2016/12/30(金)安値18,991円を割り込んだことから、チャート上は「Wトップ確認」の形になりつつあります。目先は調整色の強い展開が予想されます。

図1:日経平均株価(日足)〜高値保ち合いの形状

  • ※当社チャートツールもとにSBI証券が作成。データは2017/1/17現在

図2:米10年国債利回り(日足)・過去3ヵ月

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは米国時間2017/1/13現在

図3:ドル・円相場(日足)・過去3ヵ月

  • ※当社チャートツールを用いてSBI証券が作成。データは2017/1/17現在
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当面のタイムスケジュール〜「トランプ大統領」の正式就任は1/20(金)

1/20(金)は市場の転換点になる可能性が大きいと考えられます。その最大の理由は、トランプ氏が米45代大統領に正式に就任する日に当たっているからです。1/11(水)に大統領選挙後初めて実施された記者会見では、減税や規制緩和、社会インフラ投資などの経済対策については触れられなかったため、市場の失望を招いてしまいました。就任演説で、そうした経済対策にどの程度具体的に踏み込んだ発言があるのかが最大のポイントになりそうです。

ちなみにトランプ氏は中国、メキシコ、日本など、米国が貿易赤字を抱える国との通商を問題視していますが、為替政策についてはどう考えているのか、その辺も注目材料になりそうです。

なお、1/20頃からは我が国でも10〜12月期の決算発表が始まります。ドル・円相場は2016/9末に1ドル101円台で、そうした円高・ドル安傾向がその後も続くという前提で2007/3期・下期の業績計画が立てられていましたが、2016/12末のドル・円相場は1ドル117円前後と大きく円安・ドル高方向にそれました。このため、輸出企業を中心に業績上振れ期待が膨らんでくるとみられ、それが株価の下支え要因になりそうです。

表1:当面の重要なタイムスケジュール〜トランプ氏が第45代米国大統領に正式就任

月日(曜日)

国・地域

予定内容

ポイント

1/17(火) ドイツ 1月ZEW調査 アナリストや機関投資家等350人の6ヵ月後の景気見通し
- 世界経済フォーラム(ダボス会議) 中国の習国家主席が中国の国家主席として初めて出席
米国 ★決算発表 モルガン・スタンレー他
米国 1月NY連銀製造業景気指数 12月は9
英国 メイ首相がEU離脱計画で演説  
1/18(水) 米国 12月消費者物価 市場コンセンサス(食料・エネルギーを除く)は前年同月比+2.2%
米国 12月鉱工業生産 市場コンセンサスは前月比+0.6%
米国 ★決算発表 シティ・グループ、ネットフリックス他
米国 12月NAHB住宅市場指数 市場コンセンサスは69。住宅建設業者の6ヵ月後の販売予測
1/19(木) 欧州 ECB定例理事会(ドラギ総裁会見) 前回、資産購入期間延長及び購入金額縮小を発表
米国 12月住宅着工件数 市場コンセンサスは前月比+10.1%
米国 1月フィラデルフィア連銀製造業景況感指数 ISM製造業景気指数に向けてのコンセンサスを形成
1/20(金) 中国 12月鉱工業生産 11月は前年同月比+6.2%。市場コンセンサスは+6.1%
中国 12月小売売上高 11月は前年同月比+10.8%。市場コンセンサスは+10.7%
日本 12月全国百貨店売上高 高額消費に変化は?
日本 12月日本製半導体製造装置BBレシオ 受注/出荷。受注の伸びに注目
日本 ☆決算発表(11社) 主力企業の10〜12月期決算発表がスタート
中国 固定資産投資(年初来) 10月までは前年同期比+8.3%
中国 4Q・GDP 3Qは前年同期比+6.7%。4Qの市場コンセンサスは+6.1%
米国 「トランプ大統領」就任式 減税、規制緩和、社会インフラ投資、為替等への発言は?
1/23(月) 日本 ☆決算発表(4社) 安川電機他
1/24(火) 日本 ☆決算発表(4社) 日本電産他
米国 12月中古住宅販売件数 市場コンセンサス(年換算)は553万件
米国 ★決算発表 コーニング、J&J、ベライゾン他
1/25(水) 日本 12月貿易統計 11月は輸出が前年同月比-0.4%
日本 ☆決算発表(29社) 日立化成、富士通ゼネラル他
ドイツ 1月Ifo景況感指数 約7千社のドイツ企業に現況と先行き予想を調査
米国 ★決算発表 P&G、ボーイング、クアルコム他
1/26(木) 日本 ☆決算発表(57社) アドバンテスト、ファナック、サイバーエージェント他
米国 12月新築住宅販売件数 市場コンセンサスは前月比-2.0%
米国 ★決算発表 キャタピラー、フォード、インテル、アルファベット他
1/27(金) 日本 12月消費者物価 11月(生鮮食品を除く)は前年同月比-0.4%
中国 春節休み(〜2/2)  
日本 ☆決算発表(141社) 信越化学、三井住友FG、NTTドコモ他
米国 日米首脳会議(流動的)  

表2:日米欧中央銀行会議の結果発表予定日(2017年以降)

  2017年
日銀金融政策決定会合 1/31(火)、3/16(木)、4/27(木)、6/16(金)、7/20(木)、9/21(木)、10/31(火)、12/21(木)
FOMC(米連邦公開市場委員会) 2/1(水)、3/15(水)、5/3(水)、6/14(水)、7/26(水)、9/20(水)、11/1(水)、12/13(水)
ECB(欧州中銀)理事会・金融政策会合 1/19(木)、3/9(木)、4/27(木)、6/8(木)、7/20(木)、9/7(木)、10/26(木)、12/14(木)

※各種報道、日米欧中銀Webサイト等をもとにSBI証券が作成。「予想」は市場コンセンサス。データは当レポート作成日現在。予定は予告なく変更される場合がありますので、あくまでもデータ作成段階のものです。なお、ECB理事会は金融政策の議論・決定を行う会合の日程のみ掲載しました。

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【ココがPOINT!】トランプ氏が正式に大統領就任後は反発の可能性も

トランプ氏が1/20(金)にいよいよ第45代米国大統領として正式に就任します。市場では、トランプ氏が実際に大統領に就任した後は、その政策を見極めるべく、株式市場は波乱色を強めるという見方があります。一方では、最近の調整で、トランプ氏の政策が抱えるリスク面をある程度織り込んだと考えることもでき、株価は再び上昇に転じるとの見方もあります。果たして、どちらのシナリオが実現されるのでしょうか。

一般的に、米国大統領が就任してから100日間は、報道機関のみならず野党も、新政権に対する批判や性急な評価は避けるという紳士協定があるようです。この期間を「ハネムーン期間」といいます。表3は米国大統領の正式就任日を基準にその前後で株価がどう動いたかを示しています。いわゆる「ハネムーン期間」中は、政権に対する好材料が目立ちやすくなり、株価が上昇しやすい傾向にあるようです。

前年末から2017/1/13まで、NYダウは0.6%上昇しました。表3では(A)→(B)の期間は戦後9回の平均で-0.9%ですが、現状ではそれよりも好パフォーマンスになっています。一時に比べると、トランプ政権のリスク要因がかなり表面化したように思われますが、株価の反応はそれほど悪い訳ではないようです。

トランプ氏は海外との交易面でかなり厳しい発言を繰り返していますが、「国境税」等の実現のためには時間を要すると考えられ、短期的には過度な懸念は不要とみられます。また、トランプ氏の内需刺激策をインフレ高進を招かずに実施するには、ドル高の方が好ましいという面もあり、同氏は必ずしもドル安を志向しない可能性があります。これらから、1/20(金)以降に株価が上昇に転じる可能性は意外と小さくはないとみられます。

なお、ここもと再び話題になってきた英国のEU離脱問題についても、日本の輸出に占める英国の比率は2%程度であり、影響は限定的とみられ、過度の懸念は不要であろう。

表3:「ハネムーン期間」は市場も甘め?

  政党 就任
年月日
前年末
(A)
就任前日
(B)
3ヵ月後
(C)
(A)→(B) 勝敗 (B)→(C) 勝敗
オバマ 民主 2009/1/20 8,776.39 8,281.22 8168.12 -5.6% -1.4%
ブッシュ(子) 共和 2001/1/20 10,786.85 10,587.59 10734.97 -1.8% 1.4%
クリントン 民主 1993/1/20 3,301.11 3,255.99 3427.55 -1.4% 5.3%
ブッシュ(父) 共和 1989/1/20 2,168.57 2,239.11 2414.96 3.3% 7.9%
レーガン 共和 1981/1/20 963.99 970.99 997.75 0.7% 2.8%
カーター 民主 1977/1/20 1,004.65 968.67 931.22 -3.6% -3.9%
ニクソン 共和 1969/1/20 943.75 935.54 950.18 -0.9% 1.6%
ケネディ 民主 1961/1/20 615.88 632.38 677.04 2.7% 7.1%
アイゼンハワー 共和 1953/1/20 291.89 286.96 274.75 -1.7% -4.3%

※戦後の米大統領就任直前の前年末株価、就任前営業日株価、就任後約100日に相当する4月末株価(休日の場合は直後の営業日)を比較したもの。2期8年務めた大統領はその第1期のみのデータ。また、前大統領からその任期途中で交替し、大統領になったケースも除いています。

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