先週から、世界の株式市場が大荒れです。先週の中国人民元切り下げから、中国の景気不安が高まり、中国株式市場が急落。企業業績が悪化し、株価指標面で若干の割高感のあったNY株式市場も下落しました。郵政3社上場のスケジュールが報道された日本でも、海外株安の流れは防ぎきれず、大幅安となってしまいました。まさに、中国発の世界同時株安でした。8/24(月)には一時NYダウが1,000ドルを超える下げとなり、ドル/円も一時116円台と、リスクオフの嵐でした。本日8/25(火)は、朝方安く17,747円(−793円)まで売り込まれ、一転急反発し18,835円(+294円)まで上昇しましたが、引けに掛けて反落し、結局17,806円(−733円)と極端にボラティリティの高い相場となりました。売買代金も5兆円に迫る大商いでした。
今後もボラティリティの高い相場展開が続きそうですが、テクニカル面から、戻りのメドと、日経平均株価の予想PERからみた下値メドをご紹介しましょう。
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中国発 世界同時株安 |
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先週から、世界の株式市場が大荒れです。日経平均株価も、8/17(月)に、101円上昇してからは、5営業日連続安となり、8/18〜8/24の間の下落幅は、2079.58円、率にしてちょうど10%の下落となっています。
特に、8/20は20,034円と2万円の大台をかろうじて保ったものの、8/20のNY市場が大幅下落したことから、8/21は、2万円割れの19,711円でスタート、ザラ場もほぼ戻す局面もなく、上海総合指数が急落したことからさらに売られ、597円安の安値引けとなりました。
週明けの8/24も、前週末のNYダウが530ドル安と大幅下落したこと、シカゴCME日経平均先物が19,000円を割り込んでいたことなどから、大幅安で始まりました。始値19,075円と19,000円台をかろうじてキープして始まり、一時19,154円まで戻す局面もありましたが、上海総合指数が大幅安でスタートしたことから、さらに急落。一時18,500円を割り込み、下げ幅も937円と千円に迫る下落となりました。大引けにかけて、18,540.68円と若干戻していました。
先週の中国人民元切り下げから、中国の景気不安が高まり、中国株式市場が急落。企業業績が悪化し、株価指標面で若干の割高感のあったNY株式市場も下落しました。郵政3社上場のスケジュールが報道される日本でも、海外株安の流れは防ぎきれず、大幅安となってしまいました。まさに、中国発の世界同時株安でした。
表1:日経平均株価 4本値
日付 | 始値 | 高値 | 安値 | 終値 | 前日比 | 出来高(千株) |
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8月17日(月) | 20,600 | 20,669 | 20,541 | 20,620 | 101 | 1,065,872 |
8月18日(火) | 20,641 | 20,663 | 20,545 | 20,554 | -66 | 1,130,936 |
8月19日(水) | 20,467 | 20,522 | 20,218 | 20,223 | -332 | 1,455,495 |
8月20日(木) | 20,194 | 20,246 | 20,033 | 20,034 | -189 | 1,478,937 |
8月21日(金) | 19,711 | 19,738 | 19,436 | 19,436 | -598 | 1,898,942 |
8月24日(月) | 19,075 | 19,155 | 18,499 | 18,541 | -895 | 2,744,266 |
※BloombergデータをもとにSBI証券が作成。
図1:日経平均株価(日足 3ヵ月間)

- ※当社WEBサイトより、SBI証券が作成。
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今週の注目ポイントは、米景気指標と日本の消費者物価指数 |
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今週の注目ポイントは8/25(火)発表の米消費者信頼感指数(8月)と、8/28(金)の日本の全国消費者物価指数(7月)です。
今回の世界同時株安は、中国の株式暴落が出発点ですが、NYダウの急落と、急速なドル安・円高も、東京株式市場の大きな下げ要因となっています。9月に想定されていた、米利上げが遠のいたとの見方からだと思われます。今後の米金利上げのタイミングを計る上で、消費者信頼感指数は重要な指標です。前月7月は、90.9と前月に比べ8.9ポイントの大幅低下でしたが、今回も引き続き悪化するか否かに注目です。また、8/28(金)の日本の全国消費者物価指数(7月)も要注目です。市場予想では、値動きの激しい生鮮品を除く総合指数で前年同月比0.1%の低下が見込まれています。マイナスに転じれば2013年4月以来となります。エネルギー価格の下落に伴う電気・ガス料金の下振れが要因になりそうです。政府・日銀は2%のインフレ目標を定めてきましたが、マイナスになると日銀への更なる追加緩和への思惑も台頭してきそうです。
表2:今週の主なスケジュール
日付 | 国 | 内容 |
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8月25日(火) | 欧州 | 独Ifo景況感指数 |
米国 | 米S&P/ケース・シラー住宅価格指数(6月) | |
米国 | 消費者信頼感指数(8月) | |
8月26日(水) | 日本 | 企業サービス価格指数(7月) |
米国 | 耐久財受注(7月) | |
8月27日(木) | 日本 | 貿易収支(7月、確報) |
米国 | 国内総生産(GDP 改定値) | |
米国 | 新規失業保険申請件数 | |
8月28日(金) | 日本 | 消費者物価指数(CPI 7月) |
日本 | 有効求人倍率・完全失業率(7月) |
- ※各種データより、SBI証券が作成。
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大荒れの日経平均株価、戻りのメドと更なる下落時の下値メド |
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大荒れの日経平均株価ですが、テクニカル分析で戻りのメドを考えてみました。
まずは、(1)の200日移動平均線です。
上値メド(1)
200日移動平均線 :19,016円
その次は、21日から24日に空けた窓埋めです。
下値メド(2)
21〜24日の窓埋め 8/24安値・終値 19,435円
目先は、この2つが戻りのメドとなりそうです。
図2:日経平均株価 日足チャート(3ヵ月)

- ※当社WEBサイトより、SBI証券が作成。
次に更なる下落時の下値のメドを考えました。主要なテクニカル分析では、役に立たないほどの急落だったので、ファンダメンタル面から、下値メドを考えてみました。
図3がアベノミクス以降の日経平均株価と予想PERです。2015/8/24の日経平均株価の予想EPSは1,267.3円です。アベノミクス以後で最も予想PERが低かったのが、2013/5/19と2013/5/21の13.46倍です。図3で赤で囲った部分です。
下値メドとして、PER14倍と、アベノミクス以降の最低水準13.46倍を考えてみました。
下値メド (1)
予想PER 14倍 1,267.3×14=17,742円
下値メド (2)
予想PER13.46倍 1,267.3×13.46=17,057円
図3:日経平均株価と予想PER(アベノミクス以降)

これだけ荒い値動きの後は、上値メド(1)19,016円と下値メド(1)17,742円に挟まれた広いレンジの中で、今しばらくボラティリティの高い相場展開が続きそうです。
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