前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から大幅下落となったことから、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ただ、週末に注目の米雇用統計の発表を控えていることから下値は限定的となり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤から堅調な動きとなったものの、その後は米金利が低下に転じたことから、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、7月の米JOLT求人件数が3年半ぶりの低水準となったことも加わり、金利低下が加速してドルも軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の下落に加え、米主要株価指数が軒並みマイナス圏まで下落したことから終盤まで軟調な動きが続いた。
米株式市場では、前日の大幅下落で値頃感の買いに加え、FRBの利下げ期待を背景に主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、その後は雇用悪化に伴う米経済の先行き警戒感から売りが優勢となり、軒並みマイナス圏まで下落した。その中で、ダウ平均は引けにかけてプラス圏を回復して終了した。
ダウ平均は、序盤は堅調な動きとなり、前日比235ドル高まで上昇した。その後は下落に転じて一時96ドル安まで下落したものの、終盤にはプラス圏を回復して38.04ドル高(+0.09%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、52.00ポイント安(-0.30%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外時間に米国の経済指標が冴えない結果となったことや、中国の景気減速懸念を背景に、日経平均株価が序盤から大幅下落となり、一時前日比1560円超下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軒並み下落した。ドル/円は、序盤の145.56から144.89まで下落したものの、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、一時145.54まで値を戻し、クロス円も連れて底固い動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が一時1806円安まで下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は再び上値の重い動きとなったが、米雇用統計などの発表を控えてポジションを傾け難く、底固い動きとなった。
(3)米国市場では、米金利上昇を受けてドルは序盤から堅調な動きとなった。しかし、その後は米金利が低下に転じたことから、ドルは上値の重い動きとなり、さらに7月の米JOLT求人件数が市場予想の810万件を下回る767.3万件と、3年半ぶりの低水準となったことも加わり、金利低下が加速してドルも軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の144.88から一時145.21まで上昇したものの、その後は終盤にかけて143.75まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の下落に加え、米主要株価指数が軒並みマイナス圏まで下落したことから終盤まで軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
昨晩発表されたJOLT求人件数が3年半ぶりの低水準となり、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。週末の8月の米雇用統計への懸念も高まるが、今回のJOLTは7月のデータなので前回の米雇用統計の結果の確認、今後の方向性を参考にする程度だが、やや過敏に反応したと見られる。
本日の米国市場では、8月米ADP雇用統計、8月ISM非製造業景気指数の発表が予定されており、結果が注目されている。ただ、ADP雇用統計は米雇用統計の結果と乖離することが多く参考程度となり、ISM非製造業景気指数は総合指数よりむしろ雇用指数の結果が注目される。結果を受けて、前日同様にやや過敏に反応する可能性もあり、注意したい。
9/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
8月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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14.0万人 | 12.2万人 |
前回は市場予想を下回り、4ヵ月連続の減少で1月以来の低い伸びとなり、労働市場の鈍化傾向が続いていることが示された。専門職や製造業を中心に雇用が減少していることが示された。今回は、伸び幅の改善が予想されており、予想通りの改善幅となるのか注目される。 | ||||
23:00 | 米国 |
8月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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51.1 | 51.4 |
前回は市場予想を上回り、2020年5月以来の低水準となった前月の結果から改善した。新規受注や雇用などすべての項目で改善した。今回は、前月から低下が予想されており、急速な改善の反動が予想されているが、改善傾向が維持されるのか注目したい。 |