前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、実需のドル買いも加わり、仲値公示にかけて堅調な動きとなった。上昇一服後は、上値の重い動きとなったものの、午後には日経平均株価がプラス圏を回復して上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後、8月の米消費者信頼感指数が市場予想を上回ったものの、8月のリッチモンド連銀製造業指数が2020年5月以来の低水準となったことで米金利が低下となり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米2年債入札が好調な結果となり、米金利の低下が続いたことからドルは一段の下落となった。
米株式市場では、米半導体大手の決算発表を28日に控えて様子見ムードが強まっており、ポジション調整などから主要株価指数は序盤からやや軟調な動きとなった。しかし、FRBによる利下げ開始への期待に加え、米長期金利が低下したことから、主要株価指数は軒並みプラス圏を回復して底固い動きが続いた。ただ、積極的な売買が手控えられたこともあり、上値は限定的だった。 ダウ平均は、序盤から上値の重い動きが続き、一時前日比131ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小する動きとなり、終盤にプラス圏を回復して9.98ドル高(+0.02%)で終了、終値ベースの過去最高値を2日連続で更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、29.05ポイント高(+0.16%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後、時間外取引で米長期金利が上昇したことや、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の144.45から144.23まで下落したものの、その後は144.96まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価がプラス圏を回復し、上げ幅を拡大して一時255円高まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ドル/円は145円台を前にして上値の重い動きとなった。欧州時間では、欧州株価が序盤から堅調な動きとなったことや米長期金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、その後は米金利が低下に転じたことから、やや軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州時間から続いた円買いの流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後に発表された8月の米消費者信頼感指数が市場予想の100.8を上回る103.3となったものの、8月のリッチモンド連銀製造業指数が-19と市場予想の-14を下回り、2020年5月以来の大幅なマイナスとなったことに加え、米金利が軒並み低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米2年債入札が好調な結果となり、米金利の低下が続いたことからドルは一段の下落となった。ドル/円は、序盤の144.60から143.92まで下落し、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇に転じたものの、対円ではドル/円の動きに連れて軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がないことや、週末に注目が集まる7月の米PCEデフレーターの発表を控えて様子見ムードもあり、積極的にポジションを傾けにくい状況と考えられ、限定的な動きが予想される。
また、米株式市場では引け後に半導体大手のエヌビディアの決算発表が予定されており、結果がマーケット全体に影響を及ぼすとの見方もあり、様子見ムードから限定的な動きが予想される。そのため、マーケット全体で方向感の乏しい動きとなる可能性も考えられる。