前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じてマイナス圏まで下落したことや、米長期金利の低下も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、午後に入ると、株価が再び堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は欧州時間まで堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、ジャクソンホール会議での講演でパウエルFRB議長の発言が9月のFOMCでの利下げ開始を示唆したと受け止められ、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。一方、ユーロは対ドルで2023年7/20以来、ポンドは2022年3/23以来の高値をそれぞれ更新した。
米株式市場では、ジャクソンホール会議での講演で、パウエルFRB議長が9月の利下げを示唆したことを受けて、主要株価指数は買いが優勢となった。さらに、米金利低下に伴う米景気の先行き期待や、企業業績への期待も支援材料となった。 ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、前日比495ドル高まで上昇した。その後は上げ幅を縮小する動きとなり、一時130ドル高まで上げ幅を縮小した。ただ、その後は再び堅調な動きとなり、462.30ドル高(+1.14%)終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、258.44ポイント高(+1.47%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、序盤からやや上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が上昇して始まり、前日比159円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。その後、植田日銀総裁が衆院の財務金融委員会の意見聴取で金融正常化への姿勢を崩さなかったことで、やや円買いに反応した。さらに、日経平均株価が157円安まで下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は序盤の高値146.34から145.29まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が再び堅調な動きとなりプラス圏を回復したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州時間では、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
(3)米国市場では、欧州主要株価指数や米株価先物が上昇を受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後、ジャクソンホール会議での講演でパウエルFRB議長が「インフレ率が2%への軌道にあると確信を強めた」「政策を調整する時が来た」と発言したことで、9月のFOMCでの利下げ開始を示唆したと受け止められ、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、序盤の145.98から一時146.48まで上昇したものの、その後は144.05まで下落し、8/6以来の安値を付けた。一方、ユーロは対ドルで2023年7/20以来、ポンドは2022年3/23以来の高値をそれぞれ更新した。
本日のトピックス
先週末、パウエルFRB議長が講演で9月の利下げの可能性を示唆したことを受けて、9月の利下げ観測が高まり、ドルは主要通貨に対して下落した。マーケットでは、9月の利下げが確実視されており、注目は利下げの幅となっている。
利下げ幅が0.25%なのか、0.50%なのかは、6日の米雇用統計、11日の米消費者物価指数の結果次第との見方が出ている。ただ、今週は米GDPやFRBがインフレ指標の目安にしているPCEデフレーターの発表が予定されており、こちらの結果も注目される。
本日の海外市場では、注目のイベント(ジャクソンホール・シンポジウム)が終了したことから、限定的な動きが予想されている。ただ、米耐久財受注の発表が予定されており、前回は大幅なマイナスとなったことから、今回は反動でプラスが予想されている。特に、変動の大きい輸送機器を除いた受注に注目したい。
8/26の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月耐久財受注(前月比) ![]()
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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3.9% | -6.7% |
前回は市場予想を下回る大幅なマイナスとなり、2020年4月以来の大幅マイナスとなった。輸送機器が大幅なマイナスとなり、特に民間航空機が-127.2%と大幅な低下となったことが影響した。輸送機器を除く受注は+0.5%だった。今回は、輸送機器の改善が予想されており、総合指数を押し上げると見られている。 |