前営業日トピックス
東京市場では、序盤は堅調な動きとなったものの、上昇した日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、米長期金利が低下に転じたことから、その後ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、欧州時間に入ると、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米金利上昇を背景にドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、その後、米経済指標がまずまずの結果となったことで米金利上昇が続き、ドルも堅調な動きが続いた。米金利の上昇一服後は、植田日銀総裁の意見聴取、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控えて様子見ムードが強まり、方向感の乏しい動きとなった。
米株式市場では、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控えて、ポジション調整の売りが優勢となった。さらに、米長期金利が上昇したことで、株価収益率の高いハイテク株が売られたことから、ナスダックは下げ幅を拡大した。 ダウ平均は、序盤に前日比306ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時306ドル安まで下落した。その後はやや下げ幅を縮小したものの、177.71ドル安(-0.43%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、299.64ポイント安(-1.64%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比456円高まで上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の144.86から145.64まで下落した。
(2)午後に入ると、日経平均株価が上げ幅を縮小し、27円高まで上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、上昇していた米長期金利が低下に転じたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、欧州時間に入ると、米長期金利が上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州時間から続いた米金利上昇を受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、カンザスシティ連銀総裁が「利下げを支持する前にさらなるデータを見る必要がある」と発言したことも支援材料となった。その後、米新規失業保険申請件数が予想の23.2万件と一致したことや、7月の米中古住宅販売件数が市場予想の394万件を上回る395万件となったことも支援材料となり、米金利上昇が続いてドルも堅調な動きが続いた。ドル/円は、序盤の145.83から146.52まで上昇したものの、米金利の上昇が一服したことや、植田日銀総裁の衆参両院の財務金融委員会での意見聴取、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控えて様子見ムードが強まり、方向感の乏しい動きとなった。
本日のトピックス
本日の海外時間では、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演での発言が注目されている。マーケットでは、9月のFOMCでの利下げの有無が注目されていますが、ここにきて利下げの幅(0.25%か0.50%か)に注目が移っている。前回のFOMC後の会見では、9月利下げ開始を示唆したが、7月雇用統計後に強まった景気後退懸念やインフレの鈍化に関する見解、また利下げペースに関する具体的な言及(9月の利下げ幅、年内の利下げ回数などのヒント)があるのか注目されている。
そして、発言で利下げ幅まで踏み込む場合には、ドルの下振れと株価の一段の上昇となる可能性も考えられる。ただ、マーケットの見方とは裏腹に、今回利下げの幅までは言及はしない場合には、ドルの上振れとなる可能性も一応想定しておきたい。
経済指標では、米新築住宅販売件数の発表が予定されているが、発表時間と講演の時間が重なることから、指標結果の反応は限定的と見られている。
8/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月新築住宅販売件数 ![]()
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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62.4万件 | 61.7万件 |
前回は、市場予想下回り、2ヵ月連続の減少で昨年11月以来の低水準となった。在庫は2008年以来の高水準となったものの、住宅ローン金利の高止まりが影響した。今回は、前回から増加が予想されているものの、小幅増加が見込まれている。 |