前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の軟調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。さらに、序盤に前日比450円超下落したことも影響した。その後は、株価が下げ幅を縮小したことや、米金利上昇を受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、注目されていた米雇用統計の年次改定が発表時間を過ぎても発表されなかったことで思惑が交錯し、ドルは上振れとなる場面もあった。しかし、大幅下方修正と公表されたことを受けて、米金利の低下とともにドルは軟調な動きとなった。さらに、FOMC議事要旨で9月の利下げは適切とみていることが明らかになったことも加わり、ドルは一段の下落となった。
米株式市場では、FRBが9月の会合で利下げに踏み切るとの観測を背景に買いが優勢となった。しかし、米雇用統計の年次改定が大幅に下方修正されたことを受けて、一時マイナス圏まで落ち込む場面もあった。ただ、パウエルFRB議長の週末の講演を控えて様子見ムードも強く、値動きは限定的だった。 ダウ平均は、序盤に139ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時96ドル安まで下落した。その後は再び堅調な動きとなったものの、上値は限定的となり、55.52ドル高(+0.14%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは102.05ポイント高(+0.57%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。ただ、日経平均株価が序盤から下落し、一時前日比457円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、時間外取引で米金利が上昇したことから、底固い動きとなった。
(2)午後に入ると、日経平均株価が下げ幅をさらに縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。さらに、米金利がジリ高となったことから、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円は146.22まで上昇した。
(3)米国市場では、直前の欧州時間から米金利が低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、注目されていた米雇用統計の年次改定が発表時間を過ぎても発表されなかったことで思惑が交錯し、ドルは上振れとなる場面もあった。しかし、その後に81.8万人の下方修正と公表されたことを受けて、米金利の低下とともにドルは軟調な動きとなった。さらに、FOMC議事要旨で大半のメンバーが9月の利下げは適切とみていることが明らかになったことも加わり、ドルは一段の下落となった。ドル/円は、序盤の安値の145.50から一時146.76まで上昇する場面もあったが、その後は下落に転じて144.46まで下落し、8/7以来の安値を付けた。一方、ユーロは対ドルで2023年7/20以来、ポンドは2023年7/18以来の安値をそれぞれ更新した。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、米雇用統計の年次改定が公表され、81.8万人の下方修正となった。月平均では、+24.2万人から+17.4万人となり、健全とされる+20万人を下回る結果となった。ここまで労働市場の堅調さが強調されてきたものの、労働市場がそれほど堅調ではなかったことが示された。この結果を受けて、週末のジャクソンホール会合でパウエルFRB議長の講演で、労働市場に対する見解や見通しが注目される。
その後のFOMCの議事要旨で大半のメンバーが9月の利下げは適切とみていることが明らかにされた。ただ、すでに9月の利上げ観測が高まっていることから、それほど大幅な動きとはならなかった。利下げ幅を含めて、週末のパウエルFRB議長の講演での発言が注目されている。
本日の米国市場では、ジャクソンホール会合を控えて限定的な動きが予想されているものの、米新規失業保険申請件数、中古住宅販売件数の発表が予定されており、前者は前回から悪化、後者は前回から改善が予想されており、特に結果を受けた金利の動きに注目したい。
8/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
7月中古住宅販売件数 ![]()
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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393万件 | 389万件 |
前回は市場予想を下回り、4ヵ月連続の減少で昨年12月以来の低水準となった。住宅ローン金利の高止まりや、住宅価格の上昇が引き続き影響した。今回は、小幅増加が予想されており、住宅販売の減少傾向が一服するのか注目されている。 |