前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均が大幅上昇となったものの、米長期金利の低下や実需のドル売りの影響でドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は値を戻す動きとなり、午後には日経平均が800円超上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。欧州時間では、上昇して始まった欧州主要株価指数が下落に転じたことや、米金利低下を受けて、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、FRBの9月の利下げ観測を背景に米長期金利が低下したことを受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ユーロは対ドルで昨年12/18以来、ポンドは昨年7/18以来の安値を付けた。また、カナダのCPIが鈍化したことを受けて、カナダ・ドルは主要通貨に対して下落した。
米株式市場では、前日まで上昇が続いたことから、主要株価指数は序盤から利益確定の動きが先行した。ただ、ジャクソンホール・シンポジウムを控えていることや、FRBの利下げ観測の高まりが下支え要因となり、下値は限定的だった。 ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、前日比139ドル安まで下落した。その後は持ち直して一時12ドル高まで上昇する場面もあったが、終盤には再び軟調な動きとなり、61.56ドル安(-0.15%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは59.83ポイント安(-0.33%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。その後、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったものの、仲値公示にかけてドル売りが観測されたことや、時間外取引で米金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の146.53から146.87まで上昇したものの、その後は145.84まで下落した。
(2)下げ一服後は、下げ幅を縮小する動きとなり、日経平均株価が700円超上昇したことや、米長期金利が再び上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、午後に入り、日経平均株価が847円高まで上昇したことや、米金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は147.35まで上昇した。欧州時間では、米長期金利が低下したことや、上昇して始まった欧州主要株価指数が下落に転じたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、9月のFOMCでの利下げ観測が高まっていることを背景に米長期金利が低下したことを受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の146.49から145.19まで下落し、ドルインデックスも1/2以来の低水準を更新した。一方、ユーロは対ドルで昨年12/18以来、ポンドは昨年7/18以来の安値をそれぞれ付けた。また、カナダの7月の消費者物価指数が前年比で予想通りの結果だったものの、2021年3月以来の低水準まで鈍化したことを受けて、カナダ・ドルは主要通貨に対して下落した。
本日のトピックス
9月にFRBの利下げの観測が高まっていることを受けて、米長期金利の低下に伴いドルは主要通貨に対して下落した。本日の米国の主要な経済指標の発表がないことから、米金利の動きに左右される展開が考えられる。特に、ジャクソンホールでのパウエルFRB議長講演での発言が注目されているが、本日は米FOMCの議事要旨の公表が予想されており、今年の利下げ回数や、9月の利下げ幅に関するヒントがあるのか注目されている。
また、それ以外では、南アフリカの7月の消費者物価指数の発表が予定されている。南アでは、国内のエネルギーの基準価格が引き下げられたことが影響すると見られており、インフレの鈍化が見込まれている。予想通りの結果なら、9月の金融政策発表での利下げ観測が高まる可能性もあり、南ア・ランドの下振れの可能性も考えられる。ただ、インフレが上振れする場合には、ランド上昇の可能性もあるだけに、指標の結果に注目したい。