前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。その後、内田日銀副総裁の発言を受けて、大幅に下落していた日経平均株価が上昇に転じて急速に上げ幅を拡大したことから円売りが進み、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は下落に転じて軟調な動きとなったものの、欧州時間では再び堅調な動きとなった。
米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から方向感の定まらない動きとなった。その後、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、終盤にかけて主要株価指数が下落に転じてマイナス圏まで下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米株式市場では、日本や欧州の主要株価指数の上昇を受けて、投資家のリスク回避の動きが後退して序盤から買いが先行した。しかし、米長期金利が上昇したことや、米景気の先行き懸念を背景に徐々に軟調な動きとなり、主要株価指数は軒並みマイナス圏まで下落した。 ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、前日比480ドル高まで上昇した。ただ、その後は下落に転じて一時266ドル安まで下落し、安値圏を維持したまま243.21ドル安(-0.60%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、171.05ポイント安(-1.05%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、新規材料に乏しくドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。その後、日経平均が下落して始まったことから、やや上値の重い動きとなったが、内田日銀副総裁の「金融資本市場が不安定な状況で利上げすることはない」「円安修正は政策運営に影響する」と発言するなど、発言がハト派的と受け止められ、前日比1026円安まで下落していた日経平均株価が上昇に転じて一時1174円高まで上昇し、安値から2200円の上昇となったことから、ドル円・クロス円も急速な上昇となり、ドル/円は序盤の144.22から147.48まで上昇した。
(2)上昇一服後は、上値の重い動きとなり、ドル/円は146.34まで下げるなど、ドル円・クロス円はやや軟調な動きとなった。ただ、日経平均が再び堅調な動きとなったことや、時間外取引で米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は147.90まで上昇した。上昇一服後は下落に転じて軟調な動きとなったものの、欧州時間では主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は再び堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、主要な米経済指標の発表がなく、ドル円・クロス円は序盤から方向感の定まらない動きとなった。その後、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の147.34から146.65まで下落したものの、その後は147.68まで上昇したが、終盤にかけて主要株価指数が下落に転じてマイナス圏まで下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円も146.69まで下落した。
本日のトピックス
依然として世界的に株価の不安定さが続いており、この動きに米金利の動きも加わり、為替市場は値動きの荒い展開が続いている。株価の動向が主導となっていることもあり、株価の動きが落ち着くまでは、為替市場の動きも不安定な動きとなる可能性が考えられる。
本日の海外市場では、新規失業保険申請件数の発表が予定されており、先週末の米雇用統計が冴えない結果となり、労働市場の鈍化傾向が改めて示されたことから、最新の労働市場の状況を示すとされる当該指標の結果に注目したい。冴えない結果が続くようならFRBの利下げ観測が強まり、ドルの圧迫材料となる可能性も考えられる。
8/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(8/3までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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24.3万件 | 24.9万件 |
前週は、市場予想を上回り、2023年8/4までの週以来1年ぶりの高水準となり、労働市場の鈍化傾向か示された。一方、失業保険継続受給者数も市場予想を上回り、2021年11月以来の高水準となった。今週は、前週から小幅減少が予想されているが、依然として1年ぶりの高水準が維持されると見られている。 |