前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から980円超下落したことから、リスク回避の円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は、米長期金利が上昇したこともあり、ドルは値を戻したものの、上値は限定的となり、その後は上値の重い動きとなった。
米国市場では、米新規失業保険申請件数が冴えない結果となったことを受け、発表直後に米金利低下とともにドルが売られた。しかし、7月のフィラデルフィア連銀景況指数が予想を上回ったことや、米金利が上昇に転じたことから、ドルも上昇に転じた。一方、ECBが政策金利の据え置きを発表し、ラガルド総裁が会見で9月の利下げについて何も決まっていないと発言したことを受けてユーロは上昇したものの、インフレ率は来年までECB目標を上回るとの見方からユーロは下落に転じ、対ドルでは終盤まで軟調な動きが続いた。
米株式市場では、ダウ平均が前日まで3日連続で史上最高値を更新したことから、利益確定の売りが優勢となった。主要株価指数は、軒並み序盤に上昇したものの、その後は下落に転じて下げ幅を拡大した。 ダウ平均は、序盤に前日比177ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて終盤には一時600ドル安まで下落した。引けにかけてやや下げ幅を縮小し、533.06ドル安(-1.29%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、125.70ポイント安(-0.70%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。FRBの利下げ観測が高まったことや、日経平均株価が序盤に前日比985円安まで下落したことからリスク回避の円買いなどが影響し、ドル/円は序盤の156.25から155.36まで下落した。下げ一服後は、買い戻しが入ったことや、米長期金利が上昇したこともあり、ドル/円は155.44まで値を戻した。
(2)午後に入り、さらに値を戻す動きとなったものの、トランプ氏のドル高牽制発言や、FRBの9月の利下げ観測が高まったことなどが上値を圧迫したとの見方もあり、上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、米新規失業保険申請件数が24.3万件と市場予想の22.9万件を上回るなど冴えない結果となったことを受け、米金利低下とともにドルは軟調な動きとなった。しかし、同時に発表された7月のフィラデルフィア連銀景況指数が市場予想の2.9を上回る13.9となったことや、米金利が上昇に転じたことから、ドルも上昇に転じた。ドル/円は、終盤まで米金利の上昇が続いたこともあり、指標発表直後の安値の156.20から157.40まで上昇した。一方、ECBが政策金利の据え置きを発表し、ラガルド総裁が会見で9月の利下げについて何も決まっていないと発言したことを受けてユーロは上昇したものの、物価圧力は依然として強く、インフレ率は来年までECB目標を上回るとの見方が示されたこともありユーロは下落に転じ、対ドルでは終盤まで軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
ドル/円は、下落後に底固い動きとなっており、現状では156円台割れ近辺では値頃感の買いが入ると見られている。ただ、ここからから再び160円台を目指すのは難しいとの見方もあり、157円台で推移するのかもう一段上昇して158円台までの上昇があるのか注目されている。特に、週末であり、米国の主要な経済指標の発表がないことから、積極的な売買を仕掛けにくいとの見方もあり、限定的な動きが続く可能性も考えられる。
また、共和党の全国大会で大統領候補のトランプ前大統領が指名受諾演説を行う予定となっており、銃撃で負傷後初めての演説でもあり、注目されている。一方、バイデン氏が近く大統領選からの撤退決断する可能性との報道もあり、こちらの動向も注目されている。
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、高値からの下落が続いていたが、一目均衡表の雲下限近辺で下げ止まり、反転する動きを見せている。雲を下抜ける場合には、一目均衡表で三役逆転(弱気シグナル)となるところだったが、一旦回避されている。ここから堅調な動きとなるのか、再び雲の下抜けを試す展開となるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線が下向き継続中だが、両線の乖離幅が縮小している。ここからさらに縮小が続く場合には、ゼロライン近辺で両線がクロスして堅調な動きを示唆する形状となるのか注目される。一方、より短期の動きを見る上で注目されるストキャスティクスでは、両線が低水準域でクロスして上向きとなっており、短期的に堅調な動きを示唆する形状となっている。
このことから、目先堅調な動きが考えられる。目先の上値のポイントは一目均衡表の基準線(本日158.654)近辺となり、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられる。ただ、この近辺で上値が抑えられる場合には、再び軟調な動きとなる可能性も考えられる。ストキャスティクスにおける日柄では、堅調な動きは3-5日程度と考えられ、このタイミングで上抜けるなるのか注目される。
上値のポイント
(1)157.417 (2)157.837 (3)158.654
下値のポイント
(1)157.056 (2)156.200 (3)155.361