前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が堅調な動きとなり、リスク選好の動きからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後に入っても株価の上昇が続いたことからドル円・クロス円も堅調な動きが続いた。ただ、その後は円買いが入り上値の重い動きとなったが、米金利の上昇もあり、欧州時間では底固い動きとなった。
NY市場では、パウエルFRB議長が議会証言で「最近のデータは2%目標への穏やかな進展を示唆」したものの、目標達成までは利下げは適切ではないとの見方を示したことを受けてドルが買われたものの、利下げ時期については明確なシグナルを示さなかったとの見方が広がり、ドルは上値の重い動きとなった。
?
米株式市場では、米景気減速への警戒感が根強く、ダウ平均は序盤から軟調な動きとなった。その後、一時プラス圏を回復したものの、終盤にかけて再び軟調な動きとなった。一方、半導体株の上昇が続いていることから、ハイテク株中心のナスダックは序盤から堅調な動きが続き、終値ベースで過去最高値を更新した。 ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時198ドル安まで下落した。その後は上昇に転じ、一時147ドル高まで上昇したものの、終盤には再びマイナス圏まで下落し、52.82ドル安(-0.13%)で終了。一方、ナスダックは25.55ポイント高(+0.14%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から日経平均株価が堅調な動きとなり、一時前日比580円超上昇したことから、リスク選好の動きからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけてドル買いが観測されたことから、ドル/円は序盤の160.73から161.13まで上昇した。
(2)上昇一服後は、上値の重い動きとなったものの、午後に入り日経平均株価が一段の上昇となり、前日比899円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、その後は円買いも入り、上値の重い動きとなった。欧州時間では、時間外取引で米長期金利がジリ高の展開となったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)NY市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、パウエルFRB議長の議会証言を控え様子見ムードが強まっており、序盤から限定的な動きとなった。そして、議会証言でパウエルFRB議長がインフレの見通しについて「最近のデータは2%目標への穏やかな進展を示唆」としたものの、「インフレが持続的に2%に向かうという確信をさらに高めるまで利下げは適切ではない」との見方を示したことを受けてドルが買われたものの、利下げ時期については明確なシグナルを示さなかったとの見方が広がり、その後は米金利が低下に転じたことから、ドルも上値の重い動きとなった。ドル/円は、160.89から161.51まで上昇したものの、その後は161.23まで下落するなど、終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日のパウエルFRB議長の議会証言では、インフレの見通しについて「インフレが持続的に2%に向かうという確信をさらに高めるまで利下げは適切ではない」との見方を示したが、利下げの時期に関しては明確なシグナルを示さなかった。 やはり、詳細や方向性は8月のジャクソンホール会議で言及すると見られており、マーケットの反応も限定的となった。
ドル/円は、先週末の一段の下落となり、160円台前半まで下落したものの、再び161円台まで値を戻しており、底固い動きが続いている。FRBの利下げや日銀の利上げが近づいているとの見方が広がっているものの、金融政策発表までは日米の金利差を背景にしたドル買い・円売りが続くと見られている。
本日の海外市場では、米国の主要な経済指標の発表がないことや、翌日に米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが強まる可能性もあり、限定的な動きが予想されている。また、本日もパウエルFRB議長の議会証言が予定されているが、前日と変わらない内容と見られており、反応は限定的だろう。