前営業日トピックス
東京市場では、フランスの国民議会選挙の第1回投票の結果を受けてユーロ買いが優勢となり、ユーロは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、午後に入ると、日経平均株価が上げ幅を縮小したことから上値の重い動きとなったものの、ユーロの上昇は続き他の欧州通貨も連れ高となった、
米国市場では、ドルが序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなったものの、6月の米ISM製造業景況指数が市場予想を下回ったことを受けて、一時下振れとなった。ただ、米長期金利が上昇したことから、ドルも再び主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時161.73まで上昇し、1986年12月以来約37年半ぶりの高値を更新した。しかし、終盤にかけては上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、欧州の政局不安が後退するとの見方を受けて欧州主要株価指数が上昇したことを受けて、米主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、AIによる業績向上への期待からIT関連株が買われたことも押し上げ要因となり、特にハイテク株中心のナスダックは上げ幅を拡大した。 ダウ平均は、序盤に前週末比319ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時80ドル安まで下落した。その後は底固い動きが続き、50.66ドル高(+0.13%)で終了。一方、ナスダックは146.70ポイント高(+0.83%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は底固い動きとなった。日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前週末比359円高まで上昇したことが影響した。特に、フランスの国民議会選挙の第1回投票で極右政党の国民連合(RN)が第1勢力になるものの過半数を占める可能性は低いと伝わったことでユーロ買いが優勢となり、ユーロは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、序盤の160.74から161.18まで上昇し、ユーロは172.58から173.21まで上昇した。ただ、上昇一服後はやや上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り再びユーロ買いが優勢となり、対円では173.47まで上昇し、ユーロ導入後の最高値を更新した。また、ポンドなどの通貨もユーロに連れ高となった。ただ、豪ドルなどオセアニア通貨は、日経平均株価が上げ幅を縮小したことから、対円などで上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤から米金利が上昇したこともあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の161.10から161.46まで上昇したものの、その後に発表された6月の米ISM製造業景況指数が市場予想の49.1を下回る48.5となったことを受けて、一時161.01円付近まで下落した。ただ、下振れは一時的となり、米10年債利回りが4.491%と6/10以来の高水準まで上昇するなど、米金利が軒並み上昇したことから、ドルも再び主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時161.73まで上昇し、1986年12月以来約37年半ぶりの高値を更新した。しかし、終盤にかけては上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
ドル/円は、先週160円台乗せとなり、今週に入り161円台も定着しつつある状況となっている。引き続き円買い介入への警戒感があることから急速な動きとはなり難く、ジリ高の展開が予想されている。
その中で、本日の海外市場では、5月の米JOLT求人件数の発表が予定されており、引き続き労働市場の鈍化傾向が示されると見られている。また、ECBフォーラムでパウエルFRB議長の講演が予定されており、FRBが注視しているPCEデフレーターが鈍化したことに対する言及があるのか注目。ただ、依然として利下げには慎重な姿勢を示すと見られているものの、政策に関するヒントがあるのか注目されている。
7/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
5月JOLT労働調査[求人件数] ![]()
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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786.4万件 | 805.9万件 |
前回は市場予想を下回り、2021年2月以来の低水準となり、労働市場の減速傾向が続いていることが示された。雇用率は前月から変わらずとなり、離職率は2020年以来の低水準に留まった。今回は、前月からさらに減少が予想されており、緩やかな減速が続いていることが示されると見られている。 |