前営業日トピックス
東京市場では、序盤から小動きの展開となったものの、仲値公示にかけてドル買い・円売りが優勢となり、ドル/円が一時161円台まで上昇し、1986年以来の高値を更新した。また、ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は上値の重い動きとなり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。。
米国市場では、序盤に発表された5月のPCEデフレーターが予想通りに鈍化したことを受けて、米金利低下とともにドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後に発表された米シカゴ購買部会景気指数、ミシガン大学消費者信頼感指数がともに市場予想を上回ったことから、ドル/円は上昇に転じ、クロス円も堅調な動きとなった。
米株式市場では、PCEデフレーターの結果を受けて、FRBの利下げ先送りへの警戒感が後退し、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、米長期金利の指標となる米10年債利回りが昨年11月以来の高準まで上昇したことを受けて下落に転じた。さらに、スポーツ用品大手の決算が冴えない結果となり、同社株が大幅下落となったことも圧迫要因となった。ダウ平均は、序盤から顕著な動きとなり、前日比279ドル高まで上昇した。その後は下落に転じて一時226ドル安まで下落したものの、引けにかけて下げ幅を縮小し、45.20ドル安(-0.12%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、126.08ポイント安(-0.71%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場でドル/円は26日の高値に迫ったものの、上値の重い動きとなった流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から狭いレンジ内の動きとなった。序盤に発表された日本の消費者物価指数が前月を上回る伸びとなったものの、円買いは限定的となった。その後、仲値公示にかけて実需のドル買いの動きに加え、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は序盤の160.63から161.28まで上昇し、1986年12月以来の高値を更新した。また、ドル円の上昇に連れてクロス円も連れ高となった。
(2)上昇一服後は、米長期金利が低下に転じたことや、利益確定の動きからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、一時前日比442円高まで上昇していた日経平均株価が午後に入り144円高まで上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は160.84まで下落するなど、上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された5月のPCEデフレーターが市場予想の2.6%と一致し、前月の2.7%から鈍化したことを受けて、米金利低下とともにドルは主要通に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の160.69から160.26まで下落したものの、その後に発表された米シカゴ購買部会景気指数が47.4(予想40.0)、ミシガン大学消費者信頼感指数が68.2(予想66.0)とともに市場予想を上回ったことから、ドル/円は上昇に転じた。さらに、月末・期末のロンドンフィキシングに絡んだ円売りも観測され、ドル/円は160.96まで上昇し、クロス円も堅調な動きとなった。
本日のトピックス
今週は、2日にパウエルFRB議長の講演が予定されており、金融政策に関する発言に注目が集まっている。また、週末に米雇用統計の発表が予定されており、それまでも重要な経済指標の発表も予定されていることから、結果を受けて動きが出る可能性も考えられる。そして雇用統計では、金融政策を左右する結果が出るのか注目されている。
本日の米国市場では、ISM製造業景況指数、建設支出の発表が予知されており、結果が注目され、特に前者の雇用指数の結果に注目したい。
7/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月ISM製造業景況指数 ![]()
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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49.2 | 48.7 |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月ぶりの低水準となった。新規受注が2022年6月以来の大幅な落ち込みとなったことや生産が低下したことなどが影響した。今回は改善が予想されているが、景気の拡大・縮小の判断基準である50を3ヵ月連続で下回ると見られている。 |