前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が470円超の大幅下落となったことや、日本の金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。午後に入り、ドル/円は一段の下げとなったものの、日経平均株価が下げ幅を縮小したこともあり、クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、1-3月期の米GDP確定値が予想通りの結果となったものの、個人消費が下方修正されるなど、発表された米経済指標が強弱まちまちな結果となった。ただ、米金利の低下が加速したこともあり、ドルは主要通貨に対して下落した。下げ一服後は買い戻しが優勢となり、終盤には堅調な動きとなった。
米株式市場では、序盤から米長期金利が低下したことを好感し、主要株価指数は序盤から買いが先行した。ただ、翌日にFRBが注視する米PCEデフレーターの発表を控えて結果を見極めたいとの様子見ムードも強まっており、値動きは限定的となった。ダウ平均は、序盤に前日比122ドル高まで上昇したものの、終盤には下げに転じて一時101ドル安まで下落した。引けにかけて値を戻す動きとなり、36.26ドル高(+0.09%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、53.52ポイント高(+0.30%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場でドル/円が1986年12月以来の高値を付けたことで、調整の円買いが先行したことや、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比473円安まで下落したことから、リスク回避の円買いが優勢となった。ドル/円は、序盤の160.77から160.37まで下落した。また、新発の10年債利回りが1.065%まで上昇したことも円買いの材料となり、クロス円も軟調な動きとなった。
(2)午後に入り、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル/円は160.30まで下落したものの、日経平均株価が下げ幅を縮小したことなどもあり、クロス円は底固い動きとなった。一方、物価上昇が引き続き材料視され、豪ドルやNZドルのオセアニア通貨は米ドルや円などの主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、1-3月期の米GDP確定値が市場予想の1.4%と一致したものの、個人消費が予想・改定値の2.0%から1.5%に下方修正されるなど、強弱まちまちな結果となったが、米金利の低下が加速したこともあり、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、序盤の160.55から160.28まで下落したものの、下げ一服後は買い戻しが優勢となり、終盤には160.82まで上昇し、前日の高値160.84に迫る動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、ドル/円が終盤に160.82まで上昇し、前日の160.84に迫る動きとなった。ただ、アジア時間に入り、前日同様に上値の重い動きとなっている。東京時間では、日本の金利動向がポイントとなっており、日米の金利差に変化が出るのか注目されている。
米国時間では、FRBがインフレ指標として注目しているPCEデフレーターの結果発表に注目が集まっている。FOMCでのメンバー予想では、前回の年内3回の利下げから1回の利下げに減少。一方、マーケットでは年内2回程度の利下げを織り込んでおり、現時点で物価動向がどちらに寄っているのか注目。
先に発表された5月の米消費者物価指数は3.3%(前月3.4%)、5月の米生産者物価指数は2.2%(前月2.3%)へそれぞれ鈍化しており、5月の米PCEデフレーターは前年比で前月の2.7%から2.6%へ、コアは2.8%から2.6%への鈍化が予想されている。予想通り鈍化となれば、9月の利下げ期待が高まり、ドルの下振れとなる可能性も考えられる。
6/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
6月ミシガン大学消費者信頼感指数 ![]()
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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66.0 | 65.6 |
前回の速報は、市場予想を下回り、7ヵ月ぶりの低水準となった。現況指数は2022年12月以来の低水準となり、期待指数も昨年12月以来の低水準となった。1年先の期待インフレは横ばいとなり、物価の高止まりが消費者のマインドを低下させる結果となった。今回の確報では、上昇修正が予想されているが、厳しい状況に変わりはないとの見方が広がっている。 |