前営業日トピックス
東京市場では、米金利の上昇や日経平均株価の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、株価がマイナス圏まで下落したことや、米金利が低下に転じたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して底固い動きとなった。その後、欧州時間では、円買い・ドル買いが優勢となり、欧州通貨や資源国通貨はドルや円に対して軟調な動きとなる場面もあった。
米国市場では、米経済指標が軒並み市場予想を上回ったことを受けて、米金利上昇とともにドルは堅調な動きとなった。ドル/円は4/29以来の高値を付け、また豪ドル/円は2007年11月以来、ポンド/円も2008年8月以来の高値を更新した。
米株式市場では、割安感の残る銘柄が買われ、主要株価指数は序盤から底固い動きとなった。ただ、FRBの利下げ開始時期が先送りされることへの警戒感から上値の重い動きとなり、米金利が上昇したことから、金利動向に敏感なナスダックとS&P500はマイナス圏まで下落した。 ダウ平均は、序盤は底固い動きとなり、一時前日比122ドル高まで上昇した。その後はマイナス圏まで下落するなど上値の重い動きとなり、15.57ドル高(+0.04%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、32.23ポイント安(-0.18%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。神田財務官が「過度な変動があれば適切に対応す」との発言を受けて、ドル/円は小幅な下落となったものの、時間外取引で米長期金利が上昇したことや、仲値公示にかけて実需のドル買まで下落した。いが観測されたことを受けて、ドル/円は安値のから158.81から159.12まで上昇した。
(2)上昇一服後は、米金利が低下に転じたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、一時162円高まで上昇していた日経平均株価が、午後には100円安まで下落したことも上値を圧迫した。ただ、欧州通貨や資源国通貨が対ドルで上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。欧州時間の序盤には円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなる場面もあったが、その後は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、6月米製造業・サービスPMI速報値が市場予想の51.0を上回る51.7となったことを受けて、米金利上昇とともにドルは堅調な動きとなった。さらに、5月米中古住宅販売件数も市場予想の410万件を上回る411万件となったことも加わり、ドル/円は序盤の158.89から159.66まで上昇し、4/29以来の高値を付けた。また、豪ドル/円は2007年11月以来、ポンド/円も2008年8月以来の高値を更新した。
本日のトピックス
先週から円売りが続いており、ドル/円は160円台に近付いている。朝方、神田財務官の発言が報道されており、160円台での介入への警戒感が高まりつつある。ただ、前回の介入に関しては、米財務相からの牽制的な発言が何度かあったことから、安易には介入しにくい状況とも考えられる。ただ、160円台乗せとなれば大義名分も立つ可能性も考えられる。
そのため、介入への警戒感を高めておく必要があるだろう。介入実施となれば、規模の大きさもあるが、3円から5円幅の急速な変動となる可能性もあることから、注意も必要だろう。
本日の米国市場では、主要な米経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されている。ただ、今週は明日以降に重要な経済指標の発表が予定されているが、特に週末の5月のPCEデフレーターが注目されており、FOMCメンバー予想の年内の利下げ回数との整合性があるのか注目されている。