前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなったものの、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことから、上値は限定的となった。さらに、消費者物価指数とFOMCを控えて様子見ムードも強まっており、値動きは限定的となった。
米国市場では、5月の米消費者物価指数が市場予想を下回る結果となったことを受けて、米長期金利の急低下とともにドルは主要通貨に対して下落となった。その後、FOMCで予想通りに政策金利が据え置かれたものの、メンバーの政策金利見通で年内の利下げ予想回数が3回から1回に減少したことが明らかとなり、米金利が低下幅を縮小したことからドル買いが優勢となった。
米株式市場では、5月の米消費者物価指数が市場予想を下回ったことを受けて、FRBの利下げ開始時期が早まるとの見方から主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、年内の利下げ回数見通しが1回に減少されたことを受けて、高金利政策が長期化するとの見方から売りが優勢となり、ダウ平均はマイナス圏まで下落した。ただ、米長期金利が大幅低下となったこともあり、金利動向に敏感なナスダックは底固い動きが続いた。 ダウ平均は、序盤に前日比372ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時125ドル安まで下落した。終盤に下げ幅を縮小して35.21ドル安(-0.09%)で終了。一方、ナスダックは264.89ポイント高(+1.53%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日本の企業物価指数が市場予想を上回ったことを受けて円が買われ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなる場面もあった。ただ、仲値公示にかけては実需のドル買いが観測されたことから、ドルは底固い動きとなった。ドル/円は、序盤に157.05まで下落したものの、その後は157.23まで上昇したが、仲値通過後は再び157.05まで下落した。
(2)午後に入り、円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、米消費者物価指数とFOMCを控えて様子見ムードも強まっており、上値は限定的となった。
(3)米国市場では、序盤に発表された5月の米消費者物価指数が前年比ベースで市場予想の3.4%を下回る3.3%となるなど軒並み市場予想を下回ったことを受けて、米長期金利の急低下とともにドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円も序盤の157.35から155.72まで下落した。
(4)FOMCで予想通りFF金利の誘導目標が5.25-5.50%で据え置きとなったものの、メンバーの政策金利見通しで年内の利下げ予想回数が3月時点の3回から1回に減少したことが明らかとなり、米金利が低下幅を縮小したことや、パウエルFRB議長が記者会見で「インフレは大幅に緩和したが、依然として高すぎる」と発言したことからドル買いが優勢となり、ドル/円は終盤にかけて156.90まで値を戻した。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、5月の米消費者物価指数が市場予想を下回ったことでFRBの利下げ期待が高まり、米金利低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。ただ、結果の割にはドルの下落幅が大きくなており、インフレの鈍化期待が高まっていたことから、結果を受けてやや過敏に反応したと見られる。
しかし、その後のFOMCの結果発表では、予想通り政策金利の据え置きが決定された。ただ、注目されていたメンバーの金利予想で3月時点の4.6%から5.1%となり、年内の利下げ回数が3回から1回に減少したことから、高金利政策が長期化するとの見方が広がり、ドルは上昇に転じて値を戻す動きとなった。金利先物市場では、年内の利下げが前日の1.5回から1.8回となっており、9月の利下げの折り込み度合いも50%台から70%台まで上昇している。ここからは、引き続き経済データ(今後の経済指標結果)が注目されており、より敏感な反応となる可能性も考えられる。
本日の米国市場では、5月の米生産者物価指数、新規失業保険申請件数の発表が予定されており、消費者物価指数に続いて米生産者物価指数が鈍化する場合には再び下振れとなる可能性もあるだろう。
6/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21」30 | 米国 |
5月生産者物価指数(前年比) ![]()
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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2.5% | 2.2% |
前回は市場予想と一致し、3ヵ月連続の上昇で2023年4月以来の高水準となった。ただ、PCE価格指数にも用いられる主要項目は比較的落ち着く結果となった。今回は、前月から伸び幅の拡大が見込まれており、予想通りの結果なら、2023年3月以来の高水準となる。 |
本日のトレードポイント

※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、上値の重い動きが続いており、ここから下落に転じるのか、直近高値の上抜けを試す展開となるのか注目されている。
目先の短期的な動きを見る上で注目されているオシレーターのストキャスティクスでは、高水準域で両線がクロスしていることから、目先の軟調な動きを示唆する形状となっている。ここから両線が下向きとなり、低下が続くのか注目したい。日柄的には、軟調な動きとなる場合には、3-5営業日程度が考えられる。
ここから下側には、一目均衡表の転換線、基準線、雲上限、そして151.849からのトレンドラインが位置していることから、この近辺で底固い動きが続く可能性も考えられる。ただ、これらのポイントをいずれも下抜ける場合には、雲下限が次のポイントとなり、ここも下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も考えられる。
一方、上値のポイントは157.398、次いで157.707となり、5月後半以降上値の重い動きが続いており、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられる。
現状では、上下ともにポイントを抜けるには強い材料が必要となるが、どちらに動きが出るのか各ポイントに注目したい。