東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったこともあり、やや上値の重い動きとなった。その後は米雇用統計の発表を控えて様子見ムードも強まり、限定的な動きとなった。ただ、午後に入ると円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、下値は限定的となり、その後は底固い動きが続いた。

米国市場では、序盤に発表された5月の米雇用統計が強い内容となったことから、FRBの利下げ開始時期の先送り観測が再び高まり、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、終盤にかけては週末を控えてポジション調整の動きも見られ、ドルは上値の重い動きが続いた。

米株式市場では、序盤に発表された米雇用統計で雇用者数の伸びが市場予想を上回ったことで、米経済の底堅さが示されたことから主要株価指数は堅調な動きとなる場面もあった。しかし、FRBの利下げ観測が後退したとの見方が広がり、その後は軟調な動きとなった。更に、米金利が上昇したことも圧迫要因となった。　ダウ平均は、序盤に前日比134ドル安まで下落したものの、その後は堅調な動きとなり、一時219ドル高まで上昇した。しかし、その後は再び軟調な動きとなり、87.18ドル安（-0.22％）で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、39.99ポイント安（-0.23％）で終了した。

※出所：FX総合分析チャート10分足

（1）東京市場では、前日の海外市場の軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。時間外取引で米長期金利が小幅ながら上昇したことから、円売り・ドル買いが優勢となったことが影響した。ドル/円は、序盤の155.59から155.94まで上昇した。

（2）午後に入り、米雇用統計の発表を控えて様子見ムードも強まり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、円買いが優勢となったことから、ドル円・クロス円は一段の下落となったものの下値は限定的となり、欧州時間では底固い動きが続いた。

（3）米国市場では、序盤に発表された5月の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想の18.0万人を大幅に上回る27.2万人となったことや、平均時給も比較的強い内容がとなったことから、FRBの利下げ開始時期の先送り観測が再び高まり、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、発表直前の155.45から157.07まで上昇し、4営業日ぶりに157円台を回復した。ただ、一部で157円台での為替介入への警戒感が意識されたこともあり、上値の重い動きとなった。さらに、週末を控えてポジション調整の動きも見られ、ドル/円は一時156.41まで下落するなど上値の重い動きが続いた。

今週は、FOMC、日銀金融政策決定会合での金融政策発表に注目が集まっている。また、FOMCの前に米消費者物価指数の発表も予定されており、先週末の米雇用統計の結果とともに、FRBの金融政策に影響する可能性もあり、結果が注目されている。

FOMCでは、FF金利の誘導目標が5.25-50％で据え置かれると見られており、注目は利下げ開始の時期であり、それを見極めるためにドット・チャート（メンバーの予想分布）が注目されている。金利先物市場では、現状で年内の利下げの折り込み度合いは、0.25％の利下げを1.4回織り込んでいる。一方、日銀金融政策決定会合では、金融政策の正常化が予想されているが、追加利上げが決定されるとの見方もあり、結果が注目されている。

本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がなく、米消費者物価指数やFOMCを控えて様子見ムードも強まっており、限定的な動きが予想されている。