前営業日トピックス
東京市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなったものの、日経平均株価が序盤に540円超上昇したこともあり、下値は限定的となった。その後は底固い動きとなり、午後には一段の上昇となった。ただ、上昇一服後は円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった
米国市場では、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。そして、米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、米長期金利の低下とともにドルは一段の下落となった。ドル/円は、一時5/21以来の156円台割れとなった。
米株式市場では、米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、米景気の先行き不安を背景に売りが優勢となった。ただ、下げ一服後は、米長期金利の低下を受けて買い戻しも入り、特に金利動向に敏感なナスダックはプラス圏を回復して終了した。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時前週末比439ドル安まで下落した。ただ、その後は下げ幅を縮小する動きとなり、115.29ドル安(-0.30%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、93.65ポイント高(+0.56%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、日経平均株価が序盤に一時前週末比544円高まで上昇したことが下支え要因となり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、仲値公示通過後は上値の重い動きが続き、ドル/円は序盤の157.34から156.99まで下落した。
(2)下げ一服後は底固い動きとなり、上げ幅を縮小していた日経平均株価が午後に入り再び堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円も底固い動きとなり、ドル/円は157.47まで上昇した。ただ、その後は欧州時間にかけて時間外取引で米金利が低下したことから、ドル売り・円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後に発表された5月の米ISM製造業景況指数が市場予想の49.5を下回る48.7に、4月の米建設支出が市場予想の0.2%を下回る-0.1%と、ともに冴えない結果となったことを受けて、米長期金利の低下とともにドルは一段の下落となった。ドル/円は、序盤の156.94から155.95まで下落し、5/21以来の156円台割れとなった。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、5月のISM製造業景気指数や4月の建設支出が市場予想を下回ったこと受けて、FRBの利下げ開始への思惑が意識され、米金利低下とともにドルは序盤から軟調な動きとなった。金利先物市場では、先週末時点の年内の利下げの折り込み度合いは0.25%の利下げを1.4回分を織り込んでいたが、昨日の指標結果を受けて1.6回分の折り込み度合いに拡大した。
ここまでFRB高官の発言を受けて、利下げの折り込み度合いは低下していたものの、指標結果を受けて織り込み度合いが高まり始めている。ただ、年明けの年内6回分の折り込み度合いには届かないものの、今後の指標結果が冴えない結果となる場合には、米景気の先行き不安も高まり、利下げ期待が高まる可能性も考えられる。ただ、良好な結果となる場合には、年内の利下げの折り込み度合いは低下すると見られる。特に、来週に米消費者物価指数やFOMCの政策発表を控えていることから、特に敏感に変化することが予想される。本日の米国市場では、4月のJOLT求人件数、製造業受注指数の発表が予定されており、結果とマーケットの反応に注目したい。
6/4の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
4月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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836.0万件 | 848.8万件 |
前回は、2021年2月以来の低水準まで落ち込み、労働市場の軟化が進んでいることが示された。自発的な離職者の割合である離職率は2.1%と2020年8月以来の低水準となり、より有利な職を得るための転職を見合わせていることが示された。今回は、さらに減少が予想されており、労働市場の軟化がさらに進むと見られている。 |