前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が前日比930円超下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったものの、円買いの流れは止まらず、ドル円・クロス円は一段の下落となった。ただ、下げ一服後は底固い動きとなり、値を戻す動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。また、NY連銀総裁が利上げの可能性はないとの見方を示したこともドルの圧迫要因となった。ただ、下げ一服後は底固い動きとなり、終盤にかけて反発した。
米株式市場では、前日に発表されたIT大手の冴えない四半期決算が嫌気され、当該株が大幅下落となったことが影響し、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。特に、ハイテク株中心のナスダックは下げ幅が拡大した。 ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比440ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小し、330.06ドル安(-0.86%)で終了。一方、ナスダックは183.50ポイント安(-1.08%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場でドル/円が157.70台まで上昇したこともあり、政府・日銀介入への警戒感からドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が大幅下落となり、一時前日比939円安まで下落したことから投資家のリスク回避の円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の157.68から157.26まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が445円安まで下げ幅を縮小したものの、円買いの流れは止まらず、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は156.54まで下落したものの、下げ一服後は底固い動きとり、157.11まで値を戻したものの上値は限定的となった。
(3)米国市場では、序盤に発表された1-3月期の米GDP改定値が速報値の1.6%から1.3%に下方修正されたことや、コアPCE価格指数が前回の3.7%から3.6%に低下したことを受けて、米金利低下とともにドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。また、NY連銀総裁が「自分のシナリオでは利上げはない」との見方を示したこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は、序盤の156.85から156.38まで下落した。ただ、下げ一服後は底固い動きとなり、終盤にかけてドル/円は156.88まで反発した。
本日のトピックス
前日の米国市場では、米経済指標が冴えない結果となったことから、米金利の低下とともにドルは軟調な動きとなった。ドル/円は156円台前半まで下落したものの、このところFRB高官が早期の利下げに慎重な姿勢を示していることもあり、この近辺では先週から底固い動きが続いている。引き続き156円台前半が下値のポイントとなると見られており、ここを下抜ける展開となるのか注目されている。
本日の米国市場では、4月の米PCEデフレーターの発表が予定されており、結果が注目されている。前日発表されたコアPCE価格指数が低下したことから、PCEデフレーターも低下となる場合には、利下げ開始観測を背景にドルは下値を試す可能性も考えられる。
5/31の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月個人支出(前月比)
なし
|
0.3% | 0.8% |
前回は市場の予想通りの結果となり、底固さが見えたものの、PCEデフレーターが上昇したことから、物価の圧力に対する懸念が強まった。今回は、伸び幅の縮小が予想されており、特にインフレの再燃が指摘される中で、PCEデフレターが低下するのか注目したい。 |