前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなったものの、その後はドルが主要通貨に対して下落したことから、ドル/円も軟調な動きとなった。欧州通貨や資源国通貨は対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。
米国市場では、序盤からドルは上値の重い動きとなったものの、5月の米消費者信頼感指数が市場予想を上回ったことを受けて、米金利の上昇とともにドルは堅調な動きとなった。さらに、米2年債と5年債の入札が低調な結果となったことも米金利の押し上げ要因となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米株式市場では、米経済指標の結果やFRB高官の発言を受けて、FRBの早期利下げ開始期待が後退したとの見方から売りが優勢となった。ただ、AI関連の投資増加への期待から半導体大手株が大幅上昇となったことから、ハイテク株中心のナスダックは序盤から底固い動きが続き、取引時間中と終値ベースの最高値を更新した。 ダウ平均は、序盤から軟調な動きが続き、一時前週末比363ドル安まで下落した。終盤には下げ幅を縮小し、216.73ドル安(-0.55%)で終了。一方、ナスダックは序盤から底固い動きが続き、終盤には一時マイナス圏まで下落する場面もあったが持ち直して99.09ポイント高(+0.59%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなったものの、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、前日比143円安まで下落したこともあり、上値の重い動きとなった。ドル/円は、序盤の156.83から156.95まで上昇したものの、その後は156.68まで下落した。
(2)午後に入り、ドル売りが優勢となったことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円も156.62まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも底固い動きとなった。その後は米長期金利が上昇したことで、ドルは堅調な動きとなったものの、米金利が低下すると、上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、米金利低下もありドルは序盤から上値の重い動きとなった。その後、5月の米消費者信頼感指数が市場予想の96.0を上回る102.0となったことを受けて、米金利の上昇とともにドルは堅調な動きとなった。さらに、米2年債と5年債の入札が低調な結果となったことも米金利の押し上げ要因となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の156.80から156.58まで下落したものの、終盤にかけて157.16まで上昇した。一方、クロス円も堅調な動きとなり、ユーロ/円は170.80まで上昇して4/29以来、ポンド/円は200.65まで上昇して2008年8月以来の高値を更新した。
本日のトピックス
昨日発表された米消費者信頼感指数が市場予想を上回る結果となったことで、米金利が上昇してドルは堅調な動きとなった。また、FRB高官が「利下げを急ぐ必要性は見られない」「利下げを行う前にさらに数カ月インフレ率が改善する良好なデータを確認したい」と利下げに慎重な姿勢を示したことも支援要因となった。
金利先物市場では、今月15日の消費者物価指数の発表直前に今年2回の利下げを折り込んでいたが、経済指標の良好な結果やFRB高官の利下げに慎重な発言が続いたこともあり、現時点では年内1回の利下げを織り込むまで利下げの可能性が低下している。
このことから、引き続きドルは底固い動きが続く可能性が考えられるが、157円台では前回の為替介入の実施ポイントに近いことからやや警戒感もある。ただ、為替介入の条件ともされている急速な動きではなく、ジリ高の展開が続いていることから為替介入に踏み切り難く、このペースでの上昇なら再び160円台を試すとの見方もある。
本日の米国市場では、リッチモンド連銀製造業指数の発表が予定されているが、大きな動きには名難いとの見方もあるが、複数の米当局者の発言が予定されていることから、発言の内容には注目したい。引き続き利下げに対して慎重な姿勢が示されれば、金利の上昇にともないドルも底固い動きとなる可能性も考えられる。