前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。午後に入り、ドルは主要通貨に対してやや上値の重い動きとなったこともあり、ドル/円も上値の重い動きとなった一方、日経平均株価が一時前日比500円超と上げ幅を拡大したこともあり、クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数、製造業・非製造業PMIが良好な結果となったことで、米金利の上昇とともにドルは堅調な動きとなった。ただ、その後に発表された米新築住宅販売件数が市場予想を下回ったことが嫌気されてドルは下振れしたものの、米金利の上昇が続いたことから下落は一時的となり、その後は反発する動きも見られた。しかし、米主要株価指数が終盤にかけて下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は上値の動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数、製造業・非製造業PMIが良好な結果となり、米金利が上昇したことや、FRBが早期利下げに慎重との見方が広がったことで、主要株価指数は売りが優勢となり、終盤には下げ幅を拡大した。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比645ドル安まで下落した。引けにかけて安値圏を維持したまま、605.78ドル安(-1.53%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、前日引け後に発表された米半導体大手の良好な決算発表を受けて序盤から堅調な動きとなり、一時最高値を更新する場面もあった。しかし、終盤には下落に転じてマイナス圏まで落ち込み、65.50ポイント安(-0.39%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、日銀の国債買い入れオペで、前回から据え置きとなったものの、一部で減額が予想されていたこともあり円が売られた。ドル/円は、序盤の156.65から156.89まで上昇した。
(2)仲値通過後は上値の重い動きとなり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、午後に入り日経平均株価が上げ幅を拡大して前日比512円高まで上昇したことから、下値は限定的となった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想の22.0万件を下回る21.5万件と良好な結果となったことから、ドルは序盤から堅調な動きとなった。その後、製造業PMIが50.9(予想49.9)、非製造業PMIが54.8(予想51.2)となり、ともに市場予想を上回る結果となったことで、米長期金利の指標となる米10年債利回りが5/14以来の高水準まで上昇するなど、米金利が軒並み上昇したことからドルも堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の156.53から157.14まで上昇した。
(4)その後、米新築住宅販売件数が市場予想の67.8万件を下回る63.4万件となったことが嫌気され、ドル/円は一時156.65まで下振れしたものの、米金利の上昇が続いたことから下落は一時的となり、その後157.19まで反発する動きも見られた。しかし、157円台では売りに押されたことや、米主要株価指数が終盤にかけて下げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は上値の動きとなった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、ドル/円は一時5/1以来の157円台乗せとなったが、円買い介入への警戒感が強まったとの見方もあり、売りに押されて上値の重い動きとなった。また、イエレン米財務長官が「為替介入は稀であるべきであり、事前の伝達が必要」と改めて為替介入に対する牽制をしたことから、政府・日銀の為替介入は実施し難くなった。
このところ、米国の経済指標の良好な結果が続いていることから、利下げ時期の後退観測が高まりつつあり、さらに一部で追加の利上げを予想する向きも出ている。ただ、追加利上げの可能性はかなり低いものの、金利先物市場では、先週年内2回の利下げを織り込んでいたものの、今週に入って織り込み度合いが低下し、現状では1.4回を織り込む水準となっている。
そのため、ドルは引き続き堅調な動きが続くと見られているが、157円台乗せ近辺での動きに注目したい。157円台を固めてくれば、さらに上昇が加速する可能性も考えられる。
本日の米国市場では、米耐久財受注、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、結果が注目される。良好な結果となればドルの押し上げ要因となり、冴えない結果となった場合でも一時的な下落に留まる可能性もある。特に、その際には米国の金利動向にも注目したい。
5/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月耐久財受注(前月比) ![]()
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-0.7% | 2.6% |
前回は市場予想を上回り、面疔な結果が示された。ただ、その後は法修正されたこともあり、先行きの需要に慎重な見方が示された。今回は、マイナスへ低下すると見られており、再び失速が示されると見られている。 | ||||
21:30 | 米国 |
5月ミシガン大学消費者信頼感指数 ![]()
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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67.7 | 67.4 |
前回の速報は、市場予想を大幅に下回り、昨年11月以来の低水準に落ち込んだ。また、1年先の期待インフレ率が6ヵ月ぶりの高水準となり、インフレ圧力の再燃が消費者のマインドを低下させていることが示された。今回の確定では、上昇修正が予想されているが小幅に留まると見られており、期待インフレ率が下方修正されるのかにも注目したい。 |