前営業日トピックス
週明けの東京市場では、下落して始まった日経平均株価が前週末比640円超上昇したことや、実需のドル買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、その後は日本の長期金利が上昇したことを受けて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、複数のFRB高官の発言を受けて早期利下げ開始への期待感が後退したことで、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1週間ぶりの高水準まで上昇となり、ドルも序盤から堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後はやや上値の重い動きとなったものの、終盤にかけて再び堅調な動きとなった。
米株式市場では、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなり、ダウ平均は史上最高値を更新したものの、先週末から4万ドルを超えていたことから、相場の過熱感を警戒した利益確定の売りが優勢となった。ダウ平均は、下げ幅を拡大したものの、ハイテク株中心のナスダックは先週末に下落していたこともあり、序盤から底固い動きが続き史上最高値を更新、終値ベースでも最高値を更新した。 ダウ平均は、序盤に前週末比73ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。ただ、その後は下落に転じて一時216ドル安まで下落したものの、引けにかけてやや下げ幅を縮小して196.82ドル安(-0.49%)で終了。一方、ナスダックは108.91ポイント高(+0.65%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が前日比649円高まで上昇したことや、五・十日に当たり仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測され、ドル/円は序盤の155.54から155.94まで上昇した。ただ、仲値通過後にはドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、日本の10年債利が一時0.973%まで上昇し、2013年以来の高水準となったことを受けて円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は一時155.50まで下落したものの、値動きは限定的となった。
(3)米国市場では、アトランタ連銀総裁が「インフレ目標の2%に到達すると確信できるまでまだ時間がかかる」とし、サンフランシスコ連銀総裁「インフレ率が2%に向けて低下していることをまだ確信せず」、ジェファーソンFRB副議長が「インフレは依然としてしぶとい」など複数のFRB高官の発言を受けて早期利下げ開始への期待感が後退したことで、米長期金利の指標となる米10年債利回りが5/14以来1週間ぶりの高水準まで上昇となり、ドルも序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の155.73から156.23まで上昇したものの、上昇一服後はやや上値の重い動きとなり、155.99まで下落した。終盤には、上昇後にやや低下していた米金利が持ち直したことから、終盤にかけてドル/円も156.30まで上昇した。
本日のトピックス
本日の米国市場では、主要な米経済指標の発表がないものの、前日に続き複数のFRB高官の発言が予定されており、発言の内容が注目される。前日は、利下げ開始時期に関して慎重な発言が相次いだことから、米金利が上昇してドルは底固い動きとなった。
本日も同様な発言が続くと予想されており、ドルは引き続き底固い動きが続くと見られている。ただ、ドル/円は156円台まで上昇しているが、この近辺から政府・日銀の為替介入への警戒感が高まり始めるとの見方もあり、上値が抑えられる展開となるのか、ジリ高の展開となるのか注目される。