前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は上値の重い動きとなる場面もあったが、欧州時間に入ると再びドルは堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米景気先行指数が市場予想を下回ると、ドルは一段の低下となった。ただ、終盤にかけて米長期金利の上昇が続いたことからドル底固い動きが続いた。
米株式市場では、ここまでインフレの鈍化を示す米経済指標の結果が続いたことから、FRBの利下げ開始への期待感から買い優勢となった。ただ、米長期金利の上昇が影響し、金利動向に敏感なナスダックは上値の重い動きが続いた。 ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、終盤には前日に続き4万ドル台乗せとなり、134.21ドル高(+0.34%)の40003.59ドルと初めて4万ドル台で終了した。一方、ナスダックは12.35ポイント高(-0.07%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。その後、日銀の定例の国債買い入れ通知では、一部で前回に続いて今回も減額するとの見方があったものの、前回と変わらずとなったことからやや円売りに反応し、ドル/円は序盤の155.32から155.93まで上昇した。また、序盤に一時380円安まで下落した日経平均株価が下げ幅を縮小したこともドル円・クロス円の支援材料となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が77円安まで下げ幅をさらに縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、その後は上値の重い動きが続いた。ただ、欧州時間に入ると、米長期金利が上昇したことから、ドルは底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。今週発表された米経済指標の冴えない結果が続いている中、米景気先行指数が市場予想の-0.3%を下回る-0.6%となったことなどが影響して、ドルは一段の下落となった。ドル/円は、序盤の155.89から155.24まで下落したものの、終盤まで米長期金利の上昇が続いたことからドル/円も底固い動きが続き、終盤にかけて155.72まで値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
先週は、4月の米消費者物価指数がコア指数ともに前月から鈍化するなど、米国の経済指標が軒並み低調な結果が続いたことを受けて、FRBの利下げ観測が再燃し、ドルは一段の下落となる場面もあった。米金利先物市場では、前月末時点で年内の0.25%の利下げ1回が折り込んでいたが、先週の指標結果を受けて9月と12月の年内2回の利下げを織り込んでいる。ただ、依然として米長期金利が高水準を維持していることから、ドルは底固い動きとなっている。
今週は、週央から米国の主要な経済指標の発表が予定されており、先週同様に低調な結果が続く場合には、利下げ開始の思惑が高まる可能性も考えられる。ただ、良好な結果となれば再び利下げ時期の後退観測が高まる可能性もあり、結果にドルの動きが左右される可能性も考えられる。
その中で、週前半は米国の経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されている。ただ、週前半は連日複数のFRB高官の発言が予定されており、金融政策の見通しに関する発言には敏感に反応する可能性も考えられることから、発言の内容に注目したい。