前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。日経平均株価が上げ幅を大幅に縮小したことなどが影響したものの、午後には株価が再び堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。また、米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円。クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことから、発表直後にドルは下振れたものの、4月の米輸入物価指数が市場予想を上回り、前月比で2022年3月以来の大幅な伸びとなったことから、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。上昇一服後は、上値の重い動きとなる場面もあったが、終盤まで米金利の上昇が続いたこともあり、ドルは再び上昇した。
米株式市場では、FRBの利下げ開始時期が早まるとの期待感を背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ダウ平均が初めて4万ドル台に乗せるなど、主要株価指数は軒並み最高値を更新した。ただ、終盤にかけて米長期金利の上昇が続いたことや、連日の最高値更新でやや過熱感が意識されたことで、利益確定売りが優勢となり、終盤には軒並みマイナス圏まで下落した。 ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比143ドル高の40051ドルまで上昇し、初めて4万ドル台乗せとなった。ただ、終盤にかけて上げ幅を縮小してマイナス圏まで下落し、38.62ドル安(-0.10%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは44.07ポイント安(-0.26%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤に前日比511円高まで上昇した日経平均株価が127円高まで上げ幅を縮小したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は序盤の154.85から153.59まで下落して5/6以来の安値を付けた。一方、オーストラリアの雇用統計で、雇用者数の伸びが改善したものの、失業率が予想以上に悪化したことから、豪ドルは主要通貨に対して下落となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が再び上げ幅を拡大し、終盤に一時563円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円底固い動きとなった。ただ、米金利の低下もあり、上値は限定的となった。欧州時間に入ると、米長期金利の上昇が続き、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が22.2万件(予想22.0万件)、住宅着工件数が136.0万件(予想142.1万件)、フィラデルフィア連銀景況指数が4.5(予想7.8)と軒並み市場予想より冴えない結果となったことから、発表直後のドルは下振れたものの、4月の米輸入物価指数が市場予想を上回り、前月比で2022年3月以来、前年比で2022年12月以来の大幅な伸びとなったことから、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、発表直後の154.56から155.53まで上昇したものの、上昇一服後は、上値の重い動きとなり155.16まで下げる場面もあった。ただ、終盤まで米金利の上昇が続いたこともあり、ドル/円は155.43まで再び上昇した。
本日のトピックス
昨日は、ドル円・クロス円の軟調な動きが一服し、再び堅調な動きとなった。ドル/円は、一時153.59まで下落して5/6以来の安値を付けたものの、米長期金利が上昇に転じたことなどもあり、ドル/円は155円台まで値を戻している。当面は、日米の金融政策の思惑が交錯するものの、日米の金利差が意識されて円を買いにくい状況が続くと見られている。実際に、FRBが利下げを、日銀が利上げを実施して金利差が明確に縮小するまでは、円高には進み難いとの見方もあり、秋口まで150円台が続くとの見方も。そして、目先の重要なイベントが終了したこともあり、来月の米雇用統計や消費者物価指数、FOMCまではレンジ内の動きが続く可能性も考えられる。
本日は、主要な米国の経済指標の発表がないことや、消費者物価指数などの重要な経済指標の発表が終了したこと、また週末であることから、限定的な動きが続く可能性も考えられる。本日もFRB高官の発言が予定されているものの、マーケットへの影響は限定的と見られているが、一応注目はしておきたい。