前営業日トピックス
東京市場では、序盤から円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、日銀の国債の買いオペの減額を受けて円買いが優勢となる場面もあったが、その後は売り・買いが交錯してレンジ内での動きが続いた。
米国市場では、米長期金利が低下したことを受けて、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。しかし、イエレン米財務長官が「為替介入はまれな行為であるべきで他国への伝達必要」との見解を改めて示したことを受けて、政府・日銀の為替介入はさらに困難になるとの見方が広がり、円売りが優勢となった。また、NY連銀が発表したインフレ期待が上昇したことに反応してドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
米株式市場では、米長期金利の低下を好感し、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、ダウ平均が前週末まで8営業日続伸となった反動で利益確定の売りが優勢となったことや、NY連銀が発表した1年先のインフレ期待が上昇したこと、さらに米金利が上昇に転じたことから、その後は売りが優勢となった。ダウ平均は、序盤に前週末比134ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時109ドル安まで下落した。その後はマイナス圏での推移が続き、81.33ドル安(-0.21%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、プラス圏を維持したまま47.37ポイント高(+0.29%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、先週からのドル買い・円売りの流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の155.68から155.96まで上昇したものの、その後に日銀が国債の買い入れオペを減額したことを受けて日本の金利が上昇となり、円買いが優勢となった。ドル/円は、一時155.51まで急速な下落したものの、下落した局面ではドル買いが強まり、155.90まで値を戻す動きとなった。ただ、その後は上値も重く155.69まで再び下落した。
(2)午後に入り、再び円売り優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は155.92まで上昇したものの、その後は15日の米消費者物価指数の発表を控えてやや方向感の乏しい動きとなった。
(3)米国市場では、米長期金利が低下したことを受けて、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の155.88から155.69まで下落したものの、イエレン米財務長官が「為替介入は過剰な動きへの対処であるべき」「為替介入はまれな行為であるべきで他国への伝達必要」との見解を改めて示したことを受けて、政府・日銀の為替介入はさらに困難になるとの見方が広がり、円売りが優勢となった。また、米消費者物価指数の発表を15日に控える中で、NY連銀が発表した1年先のインフレ期待が前回の3.0%から3.3%まで上昇したことに反応してドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は156.25まで上昇した。
本日のトピックス
昨日の海外時間に、イエレン米財務長官が為替介入に関して改めて見解を示したことを受けて、今後政府・日銀が為替介入を実施し難くなったとの見方が広がり、円売りが優勢となった。更に、本日は米生産者物価指数、15日は米消費者物価指数の発表を控えている中で、NY連銀のインフレ期待が発表され、1年先と5年先のインフレ期待が上昇したことに反応し、米金利の上昇とともにドルも堅調な動きとなった。
本日と明日の物価指数の結果次第で動きが大きくなる可能性もあり、昨日の結果で注目度がさらに高まっている。そのため、発表まではやや限定的な動きが続く可能性も考えられるが、日本当局の介入の条件が厳しくなったとの見方もあり、円はジリ安の展開が予想されている。また、本日も複数の米FRB高官の発言が予定されていることから、発言の内容にも注目したい。
5/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月生産者物価指数(前年比) ![]()
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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2.2% | 2.1% |
前回は市場予想を下回ったものの前月から上昇となり、昨年4月以来の高市水準となった。ただ、FRBが重視している個人消費支出(PCE)価格指数を構成する一部の伸びが抑制された。今回は、前月からさらに上昇が予想されており、利下げ開始時期の後ずれの思惑が高まるのか注目されている。 |