前営業日トピックス
東京市場では、実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後は上値の重い動きとなったものの、欧州時間では米長期金利の上昇もあり、ドル/円は再び堅調な動きとなった。
米国市場では、ドルは序盤に上昇したものの、その後は下落に転じて軟調な動きとなった。ただ、5月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったものの、期待インフレ率が市場予想を上回ったことを受けて、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなり、ドル/円は上昇に転じた。また、複数のFRB当局者の発言もあり、終盤まで底固い動きが続いた。
米株式市場では、FRBの利下げ開始時期の後ずれ観測が後退したことが引き続き材料視され、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、5月ミシガン大学消費者信頼感指数で期待インフレが予想を上回ると伸びたことや、米長期金利の上昇が続いたことから、主要株価指数は上げ幅を縮小した。一方、金利動向に敏感なナスダックはマイナス圏まで落ち込んだ。ダウ平均は、序盤に前日比192ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて18ドル高まで上げ幅を縮小した。その後は再び堅調な動きとなり、125.08ドル高(+0.32%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、5.39ポイント安(-0.03%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、週末の五・十日で実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、仲値公示にかけてドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の155.25から155.77まで上昇したものの、上昇一服後は上値の重い動きとなり、155.50まで下落する場面もあった。その後は、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドル/円は再び堅調な動きとなった。
(2)米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎドル/円は序盤から堅調な動きとなったものの、その後は下落に転じて高値の155.87から155.59まで下落した。その後に発表された5月ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想の76.2を下回る67.4となったものの、期待インフレ率が市場予想の3.2%を上回る3.5%となり、昨年11月以来の高水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなり、ドル/円は上昇に転じて155.90まで上昇した。その後、ボウマンFRB理事が「政策をもう少し長く現状維持する必要がある」、「年内の利下げは正当化されないだろう」とし、さらにダラス連銀総裁が「利下げについて考えるのは時期尚早」と発言したこともあり、終盤までドルは底固い動きが続いた。
本日のトピックス
今週は、15日に4月の米消費者物価指数の発表が予定されており、結果が注目されている。特に、先週末に発表されたミシガン大学消費者信頼感指数の期待インフレ率が予想を上回る結果となったこともあり、結果が注目されている。また、このところのFRB高官の発言では、利下げ開始に関して慎重な見方を示す意見も多くなっており、消費者物価指数の結果を受けてFRBの利上げ時期に関する思惑が交錯する可能性もあり、注目されている。
そのため、発表までは様子見ムードが強まる可能性もあり、本日は米国の主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されている。ただ、FOMCでの投票権を保有している複数のFRB高官の発言が予定されており、発言の内容次第ではドルが敏感に反応する可能性もあり、発言の内容に注目したい。