前営業日トピックス
東京市場では、序盤は小動きの展開となったものの、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は、狭いレンジ内の動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された1-3月期の米雇用コスト指数が市場予想を上回ったことを受けて、FRBの利下げ開始時期が後ずれするとの見方が一段と高まり、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後に発表された米経済指標が冴えない結果となったことを受けて失速する場面もあったが、米金利上昇が続いたこともあり、ドルは引けにかけて堅調な動きが続いた。
米株式市場では、米雇用コスト指数が予想を上回ったことで、FRBの利下げ開始時期の後退観測が高まったことから、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、米金利が軒並み上昇したことや、FOMCの結果発表を控えてポジション調整の動きが出たことも圧迫要因となった。ダウ平均は、序盤から軟調な動きが続き、終盤に一時前日比575ドル安まで下落した。引けにかけて安値圏を維持したまま、570.17ドル安(-1.49%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは325.26ポイント安(-2.04%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日に日本の当局が円買い介入を実施した可能性が高いことから、様子見ムードも強まり、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。ただ、月末の五・十日であることから、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の156.06から156.99まで上昇した。
(2)ただ、その後は円買い介入への警戒感や、FOMCの結果発表を控えて積極的な売買が手控えられたこともあり、ドル円・クロス円は小動きの展開となった。その中で、円買いが強まる場面もあり、一時ドル円・クロス円が急速に下落する場面もあったが、下落は一時的でその後は引き続き小動きの展開が続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された1-3月期の米雇用コスト指数が市場予想の1.0%を上回る1.2%と、1年ぶりの高水準となったことを受けて、FRBの利下げ開始時期が後ずれするとの見方が一段と高まり、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の156.86から157.54まで上昇したものの、その後に発表された4月のシカゴ購買部協会景気指数が37.9(予想45.0)、4月の米消費者信頼感指数が97.0(予想104.0)とともに市場予想を下回ったことから、ドル/円は一時157.25まで下落した。しかし、米金利上昇が続いたこともあり、ドルは引けにかけて主要通貨に対して堅調な動きが続き、ドル/円も157.80まで上昇した。
本日のトピックス
本日は、ドイツなどユーロ圏などの一部がメーデーのため休場となり、日本ではゴールデン。ウィークに入っていることもあり、市場参加者が少なく薄商いも予想されている。そのような状況下でドルの上昇が続く場合には、再び円買い介入実施への警戒感が高まる可能性も考えられる。ただ、日本の単独介入には限界があるため、円安の流れを完全に止めることはできないとの見方もある。
本日の米国時間では、週末の米雇用統計を控えてADP雇用統計、ISM製造業景況指数の発表が予定されており、雇用者数の伸びや雇用指数に注目したい。さらに、FOMCの結果発表も予定されており、FF金利の誘導目標は据え置きが確実視されているが、マーケットの注目となっているFRBの利下げ開始時期や、年内の利下げ回数などのヒントがあるのかどうか、声明やFRB議長の会見での発言に注目したい。
5/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
4月ADP雇用統計 ![]()
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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18.0万人 | 18.4万人 |
前回は市場予想を上回り、昨年7月以来の大幅増となり、労働市場の堅調さが示された。また、賃金も加速した。今回は、前月から伸び幅の縮小が予想されているものの、引き続き底固さが維持されると見られている。 | ||||
翌3:00 | 米国 |
FOMC ![]()
FOMC(Federal Open Market Committee 連邦公開市場委員会)は、米国における金融政策の最高意思決定機関で、公開市場操作の方針を決定する委員会である。メンバーはFRBの議長、副議長を含7名の理事と、ニューヨーク連銀総裁、地区連邦準備銀行の総裁4名の計12名から構成されている。
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5.25%-5.50% | 5.25%-5.50% |
前回は予想通りの据え置きとなり、メンバーの年内の利下げ回数も3回が維持された。その後は、FRB高官の利下げに対する慎重な発言などを受けて、利下げ開始時期の後退観測が高まっている。今回も政策金利の据え置きが予想されているものの、年内の利下げの回数や利下げの開始時期に関するヒントがあるのか注目されている。 |