前営業日トピックス
東京市場では、イスラエルのミサイルがイランの拠点を攻撃との報道を受けて、リスク回避の動きが強まり、日経平均株価が急速な下落となったことや、逃避先通貨の円やスイスフランが買われる動きとなり、ドル円・クロス円は下落となった。ただ、下げ一服後は値戻す動きとなった。
米国市場では、序盤からドル円・クロス円は限定的な動きとなった。さらに、イランが再攻撃に慎重な姿勢を示しているとの報道を受けて、過度なリスク回避の動きも和らいだ。また、米国の経済指標の発表がないことや週末であることから、ドル/円は狭いレンジ内の動きが続いた。
米株式市場では、イランがイスラエルへの再攻撃に慎重な姿勢を示しているとの報道を受けて、中東情勢の悪化に対する懸念が和らぎ、買いが優勢となった。さらに、米クレジットカード大手や、金融大手の決算が良好だったことも支援材料なった。一方、ハイテク企業大手の株価下落が続いたことからナスダックは続落し、終値ベースで1/31以来の安値を付けた。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比327ドル高まで上昇した。その後、上げ幅を縮小する動きとなり、211.02ドル高(+0.56%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、319.49ポイント安(-2.05%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、序盤から小動きの展開となった。しかし、イスラエルがイランの拠点をミサイル攻撃したとの報道が流れると、リスク回避の動きが強まり、日経平均株価が前日比1346円安まで下落したことや、比較的安全な資産とされる円が買われる動きとなり、ドル円・クロス円は急速な下げとなった。ドル/円は、序盤の154.67から153.59まで下落した。また、避難通貨とされるスイスはドルや円などの主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(2)下げ一服後には、低下していた米長期金利がやや持ち直したことや、日経平均平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなり、ドル/円は154.61まで値を戻した。
(3)米国市場では、アジア時間での中東情勢の緊迫化を背景とした乱高下が一服し、ドル円・クロス円は序盤から限定的な動きとなった。さらに、イランがイスラエルへの再攻撃に慎重な姿勢を示しているとの報道を受けて、過度なリスク回避の動きも和らいだ。また、米国の経済指標の発表がないことや、週末であることから積極的な売買が手控えられたこともあり、ドル/円は154.46から154.65での狭いレンジ内の動きが続いた。
本日のトピックス
パウエルFRB議長などFRB高官の利下げの開始時期の先送りを示唆する発言が相次いでいることから、それを見極める上で週末26日発表が予定されている3月の米PCEデフレーターの結果が注目されている。また、25-26日には日銀金融政策決定会合での発表が予定されており、ゼロ金利政策が継続するのか注目されている。そのため、週後半までは限定的な動きが続くとの見方もあるが、本日は主要な米国の経済指標の発表がないものの、明日以降は主要な経済指標の発表が続くことから、指標の結果に敏感に反応する可能性も考えられる。
さらに、イスラエルとイランの軍事衝突など中東情勢も先週末にやや緊張が和らいだものの、引き続き警戒が必要との見方は変わっていない。中東情勢に新たな動きがある場合には敏感に反応する可能性もあり、注意が必要だろう。