前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落したものの、米長期金利の上昇や、実需のドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続き、ドル/円は高値を更新した。その後は、欧州時間にかけてドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となり、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時154.44まで上昇して1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。しかし、イスラエルの国防相の発言を受けて、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は下落となる場面もあったが、終盤までは底固い動きが続いた。
米株式市場では、序盤に発表された3月の米小売売上高が良好な結果となったことから、米経済の先行きを期待した買いが先行した。しかし、その後イスラエルの国防相の発言を受けて中東情勢への懸念が再燃したことを受けて、主要株価指数は下落に転じ、軒並みマイナス圏まで沈んだ。 ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、前週末比403ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて下げ幅を拡大し、325ドル安まで下落する場面もあり、248.13ドル安で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは290.07ポイント安で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から下落したものの、五・十日に当たり仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されえたことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の153.06から153.73まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続き、ドル/円は一時153.97まで上昇して高値を更新した。
(3)米国市場では、序盤に発表された3月の米小売売上高が市場予想の0.4%を上回る0.7%となったことを受けて、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.66%台まで上昇し、昨年11月以来5ヵ月ぶりの高値を付け、ドル/円も序盤の153.88から154.44まで上昇し、1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。その後、イスラエルの国防相が「イスラエルはイランの攻撃に応じるしかない」と発言したとの報道を受けて、欧米の主要株価指数が下落に転じたことや、米長期金利が低下したことからリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円も下落となり、ドル/円は一時153.86まで下押しした。ただ、下げは一時的となり、終盤までは底固い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の海外時間では、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。ドル/円は、先週の151円台から154円台まで上昇したものの、日本政府・日銀からはコメントが出たものの、円安に歯止めを掛けるというものではなかった。そのため、マーケットでは155円台が視野に入ったとの見方もある。
一方、中東情勢の緊張が再燃したとの見方からリスク回避の動きから円が買われたものの、下値は限定的となりドル円・クロス円は底固い動きとなった。引き続き円買い介入には踏み込み難い相場展開となっているが、中東情勢の緊張が高まる場合には円が買われる動きも予想され、注意が必要となるだろう。
本日の米国市場では、3月の米住宅着工件数、3月の米鉱工業生産の発表が予定されており、さらに複数の米当局者の発言も予定されていることから、結果と発言内容が注目される。一方、株式市場ではダウ平均が6営業日続落となっているが、本日は米主要企業の四半期決算が公表されることから、こちらの結果とマーケットの反応にも注目したい。
4/16の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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148.2万件 | 152.1万件 |
前回は市場予想を上回り、2ヵ月ぶりの増加となり、住宅ローン金利の低下や中古物件の不足を背景に、持ち直しが示唆された。今回は、前月から減少が予想されているが、着工件数の先行指標となる許可件数が前回市場予想を上回り、昨年8月以来の高水準となったこともあり、堅調さが示されるとの見方もある。 |