前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小したことや、米長期金利の低下も加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、下げ一服後は再び堅調な動きとなったが、上値は限定的だった。欧州時間では、底固い動きが続き、ドル/円は一時153.38まで上昇して約34年ぶりの高値を更新した。
米国市場では、イランの報復攻撃が行われるとの見方から、イスラエルが警戒態勢に入ったとの報道を受けてリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、その後は低下していた米長期金利が持ち直したこともあり、ドルは値を戻した。
米株式市場では、インフレ再燃でFRBの利下げ開始が後ずれするとの観測から主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、中東情勢の緊迫化を巡る懸念も相場の圧迫要因となった。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比581ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小したものの、475.84ドル安(-1.24%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、267.11ポイント安(-1.62%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤に一時332円高まで上昇した日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことや、時間外取引で米長期金利が低下したこと、さらに仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の高値の153.28から152.96まで下落した。
(2)その後、日経平均株価が再び堅調な動きとなったことや、米長期金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は153.38まで上昇して1990年6月以来約34年ぶりの高値を更新した。
(3)米国市場では、イランの報復攻撃が48時間以内にも行われるとの見方から、イスラエルが警戒態勢に入ったとの報道を受けてリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の153.19から152.61まで下落したものの、その後は値を戻す動きとなった。ただ、4月のミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想の79.0を下回る77.9となったこともあり、再び軟調な動きとなったものの、その後は低下していた米長期金利が持ち直したこともあり、ドル/円は終盤にかけて153.27まで値を戻した。
本日のトピックス
イランがイスラエルへの報復として無人機やミサイルで攻撃したことを受けて、中東情勢を巡る懸念が高まり、リスク回避の動きが強まった。そのため、先週末の海外市場では、株式市場が軒並み下落となり、為替市場では円やドルが買われる動きとなった。さらに、東京市場でも日経平均株価が序盤から大幅下落となった。
その中で、ドルが堅調な動きとなり、円は上昇後に失速している。一部では、原油価格の上昇が日本経済に影響するとの見方や、物価上昇が主要国の金融政策(欧米の利下げが後退)が進まないとの見方から、金利差拡大が意識されて円買いの動きが続かず、ドル高に推移したと見られている。このことから、ドル/円はさらに上値を試す展開となると予想されている。ただ、円売りが続く場合には、日本政府・日銀の円買い介入への警戒感が強まる可能性もあるが、上昇局面での介入は効果が一時的となることから、介入の決断し難いとも見方もあり、一部ではドル/円が155円台も視野に入っているとの見方も出ている。
中東情勢がここから落ち着けば、マーケットも落ち着きを取り戻すが、報復合戦が続くような場合にはマーケットも荒れた動きとなる可能性も考えられる。本日の海外市場では、3月の米小売売上高、ニューヨーク連銀製造業景気指数、NAHB住宅市場指数の発表が予定されているが、リスク回避の動きが強まる状況になる場合には、結果に対する反応も限定的となる可能性も考えられることから、中東情勢の変化には注意したい。
4/15の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
4月ニューヨーク連銀製造業景気指数
NY連銀製造業景気指数は、NY州の製造業の景況感などを指数化した経済指標である。製造業に関連した新規受注・雇用・在庫など、指数化された数値が発表される。数値はゼロが景況の判断の基準となる。
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-5.0 | -20.9 |
前回は市場予想を下回り、4ヵ月連続のマイナスとなった。新規受注、出荷、雇用が低下したことが影響した。一方、6ヵ月先の予想は4ヵ月連続の伸びとなり、先行きへの期待が高まっている。今回は、マイナス幅を縮小が予想されているものの、引き続きマイナスが続くと見られている。 |