前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、値動きは限定的で狭いレンジ内の動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことから、米長期金利の低下とともにドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後は米金利が持ち直したことから、ドルは底固い動きとなったものの、イランが48時間以内にイスラエルを攻撃する可能性との一部報道を受けて中東情勢の緊張が高まり、リスク回避の動きからドル円・クロス円は急速な下げとなった。
米株式市場では、序盤から主要株価指数は堅調な動きが続いたものの、FRB高官が「インフレが停滞すればFRBは今年利下げしない可能性」と発言したことや、イランがイスラエル攻撃の可能性との報道を受けて中東情勢への警戒感が高まったことを受けて、主要株価指数は軒並み下落に転じて下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比294ドル高まで上昇した。その後はもみ合いの動きが続いたものの、終盤には下落に転じて下げ幅を拡大し、一時567ドル安まで下落した。安値圏のまま、560.16ドル安(-1.36%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、228.38ポイント安(-1.40%)まで下落した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比790円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後は、時間外取引で米長期金利が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は一段の上昇となり、ドル/円は序盤の151.54から151.72まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が321円高まで上げ幅を縮小したことから上値が抑えられ、ドル/円は151.59まで下落した。ただ、東京時間では限定的な動きが続き、ドル/円は上下18銭と狭いレンジ内の動きとなった。欧州時間に入っても上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想の21.4万件から22.1万件と弱い内容となったことから、米長期金利の低下とともにドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の151.77から151.50まで下落したものの、その後は低下していた米金利が持ち直したことから、ドルは底固い動きとなった。
(4)イランが48時間以内にイスラエルを攻撃する可能性との一部報道を受けて中東情勢の緊張が高まり、リスク回避の動きからドル円・クロス円は急速な下げとなり、ドル/円は151.12まで下落した。
本日のトピックス
中東情勢の緊迫化を背景に、リスク回避の動きが強まり、株価やドル円・クロス円は下落した。東京時間に入っても、日経平均株価が序盤から600円超下落するなど影響が出ており、米雇用統計を前にインパクトのある材料が出た形となっている。今後は、報道通りにイランがイスラエルを攻撃するのか注意が必要だろう。
その中で、本日は米雇用統計の発表が予定されており、市場予想では雇用者数の伸びは前月から縮小すると見られている。景気動向を敏感に映す非農業部門雇用者数の伸びは、引き続き大台の+20万人を維持できるのか、+20万人を下回る伸びとなるのか注目されている。また、前回は過去2ヵ月分の修正が16万人超下方修正されたことで、ドル下落の要因となったこともあり、修正の結果にも注目したい。さらに、前回大きく悪化した失業率が改善を示すのかにも注目したい。
4/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
3月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
|
20.0万人 | 27.5万人 |
前回は市場予想を上回る結果となったものの、同時に発表された失業率が悪化したことや、過去2ヵ月分の修正が16.7万人下方修正されたことから、ドルはその後は下落に転じた。今回は、前回から伸び幅の縮小が予想されており、大台の+20万人を下回る場合にはドルの圧迫要因となる可能性も。 |