前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から大幅下落となったことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。ただ、その後日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、底固い動きとなり、さらに低下していた米長期金利が持ち直したことから、ドルは堅調な動きとなったが値動きは限定的だった。
米国市場では、序盤に発表された米ADP雇用統計が市場予想を上回ったことを受けて、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。しかし、その後に発表された3月の米ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ると、米長期金利が低下に転じたことから、ドルは主要通貨に対して下落した。さらに、パウエルFRB議長は発言で利下げの可能性を否定しなかったと受け止められ、米金利が一段の低下とともにドル/円も下落した。
米株式市場では、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなり、3月米ISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことを受けてFRBの利下げ先送り観測が和らぎ、米長期金利が低下したことから底固い動きとなった。ただ、米雇用統計発表を週末に控えて様子見ムードもあり、上値は限定的となった。さらに、個別株の下落に押されてダウは終盤にマイナス圏まで下落した。
ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、前日比135ドル高まで上昇した。その後は底固い動きが続いたものの、終盤には一時153ドル安まで下落したものの、引けにかけて下げ幅を縮小して43.10ドル安(-0.11%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、37.01ポイント高(+0.23%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比621円安まで下落したことから、リスク回避の円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、下値は限定的となり、その後に日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、実需のドル買い・円売りが観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の151.58から151.43まで下落したものの、その後は151.64まで反発したが、値動きは限定的となった。
(2)午後に入り、上値の重い動きが続いていたが、時間外取引で序盤から低下していた米長期金利が持ち直したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなったが、引き続き上値は限定的となった。欧州時間に入り、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された3月の米ADP雇用統計が市場予想の15.0万人を上回る18.4万人となったことを受けて、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、アトランタ連銀総裁が「今年の利下げは1回のみ」と発言したことも加わり、ドル/円は序盤の151.74から151.95まで上昇し、3/27に付けた1990年7月以来34年ぶりの高値151.97に迫る動きとなった。
(4)その後に発表された3月の米ISM非製造業景況指数が市場予想の52.8を下回る51.4となったことを受けて、米長期金利が低下に転じたことから、ドルも主要通貨に対して下落した。さらに、パウエルFRB議長の発言が利下げの可能性を否定しなかったと受け止められ、米金利が一段の低下となり、ドル/円も151.58まで下落した。
本日のトピックス
昨日は、ADP雇用統計が良好な結果となったことから、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、34年ぶりの高値に迫る動きとなったものの上抜けとはならず、引き続き上値の重い動きとなった。依然としてドル/円は152円台が意識される展開が続いており、152円近辺ではやや神経質な動きとなっている。また、パウエルFRB議長の発言が利下げを否定しなかったと受け止められ、ドルは下落したものの下値は限定的となり底固い動きとなった。
ドル/円は本日も151円台を中心としたレンジ内の動きが続く可能性が考えられる。また、週末の米雇用統計の発表を控えていることもあり、様子見ムードが強まる可能性も考えられる。その中で、本日はチャレンジャー人員削減数、新規失業保険申請件数の発表が予定されているが、相場を動かすインパクトのある結果は期待されておらず限定的な動きが予想されている。ただ、本日も複数のFRB高官の発言が予定されており、むしろこちらの方に敏感に反応する可能性が考えられることから、発言の内容に注目したい。