前営業日トピックス
東京市場では、円買いの動きが先行し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後は日経平均株価が上昇して始まったことや、実需のドル買いもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、新規材料に乏しく上値は限定的となった。
米国市場では、米長期金利の上昇を受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後、米JOLT求人件数が市場予想を上回ったものの、それ以上に前月結果が下方修正されたことで、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利が低下に転じたことも加わり、ドルは下落したものの、下値は限定的だった。
米株式市場では、FRBの利下げ開始時期が後退するとの観測を背景に、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり主要株価指数は下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比515ドル安まで下落した。終盤にかけて下げ幅を縮小し、396.61ドル安(-1.00%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、156.38ポイント安(-0.95%)で終了した。
米ドル/円

※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比347ドル高まで上昇したことや、仲値公示にかけて実需のドル買いも加わり、堅調な動きが続いた。ドル/円は、序盤151.67から151.50まで下落したものの、その後は151.79まで上昇した。
(2)午後に入ると、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、政府・日銀の為替介入への警戒感もあり、重い動きが続いた。下げ一服後、欧州時間では時間外取引で米長期金利が上昇したことから、底固い動きとなった。
(3)米国市場では、米長期金利の上昇を受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の151.60から151.72まで上昇したものの、東京時間に付けたこの日の高値の151.79には届かず、上値の重い動きとなった。その後、米JOLT求人件数が市場予想の873.0万件を上回る875.6万件となったものの、それ以上に前月の結果が886.3万件から874.8万件に下方修正されたことで、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、昨年11月以来の高水準まで上昇していた米10年債利回りが低下に転じたことも加わり、ドル/円は151.47まで下落した。ただ、下値も限定的で終盤まで底固い動きが続いた。
本日のトピックス
引き続き、ドル/円は152円台に近づく場面では日本政府・日銀の円買い介入への警戒感から上値の重い動きとなり、一方FRBの利下げ時期の後退観測から米長期金利が上昇しており、151円台前半では底固い動きも見られている。
日本の当局者からの牽制発言後に151円台まで上昇したものの、円買い介入が実施されなかったことから、マーケットでは152円台で実施に踏み切るのではとの見方が強まっており、これがドル/円の上値を圧迫している。インパクトのある材料が出なければ、当面は151円台でのレンジ内の動きが続くと予想されており、目先は週末の米雇用統計に注目が移っている。
本日の米国市場では、3月の米ADP雇用統計、3月の米ISM非製造業景況指数の発表が予定されているが、最近のADPと米雇用統計の結果との乖離が大きいことから、反応も薄くなりつつある。そのため、余程市場予想から乖離するなどインパクトのある結果とならなければ、レンジを突破しての動きは考えにくいだろう。一方、複数のFRB高官の発言が予定されていることから、発言の内容にも注目したい。
4/3の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:15 | 米国 |
3月ADP雇用統計 ![]()
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
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15.0万人 | 14.0万人 |
前回は市場予想を下回ったものの、1月の結果からは小幅な伸びとなり、労働市場の底固さが確認された。今回は、小幅に伸び幅が拡大すると見られており、労働市場の底固さが示されると見られているが、賃金の低下傾向が続くのか注目されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
3月ISM非製造業景況指数 ![]()
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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52.8 | 52.6 |
前回は市場予想を下回り、昨年9月以来の高水準となった1月の結果からは低下した。新規受注や景況指数が伸びたものの、雇用が低下したことが影響した。今回は、小幅改善が見込まれているが、インフレや雇用への懸念が残っていることから、低下を予想する向きもある。 |