前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなったものの、序盤に前週末比320円超上昇した日経平均株価が下落に転じ、660円超安まで下落したことから、リスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、イースター・マンデーで欧州の主要市場が休場であることから積極的な売買が手控えられ、値動きは限定的となった。
米国市場では、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、3月の米ISM製造業景況指数が良好な結果となったことから、ドルは一段の上昇となった。ただ、152円に近づくに連れて上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きが続いた。
米株式市場では、3月のISM製造業総合景況指数が1年半ぶりの高水準となったことで、FRBの早期利下げ観測が後退し米長期金利が上昇したことから、主要株価指数は軟調な動きとなった。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時28日と比べ316ドル安まで下落した。終盤にはやや下げ幅を縮小し、240.52ドル安(-0.60%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、序盤に一時110ポイント高まで上昇したものの、その後は下落に転じてマイナス圏まで沈んだ。しかし、終盤にプラス圏を回復して小幅高となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から円売りが先行し、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の151.21から151.43まで上昇した。また、日銀短観が発表され、大企業の製造業と非製造業の業況判断が上振れたものの、先行きが下振れるなどまちまちの結果となったことから、反応は限定的だった。ただ、序盤に前週末比327円高まで上昇した日経平均株価が下落に転じ、632円安まで下落したことから、リスク回避の円買いが優勢となり、ドル円・クロス円は下落に転じ、ドル/円は151.22まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時662円安まで下落したものの、イースター・マンデーで欧州の主要市場が休場であることから積極的な売買が手控えられてドル円・クロス円は限定的な動きとなった。欧州時間では、主要市場が休場となったことで小動きの展開が続いた。
(3)米国市場では、米長期金利が上昇したことで、アジア時間から続いた狭いレンジを突破してドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、3月の米製造業PMIが市場予想の52.5を下回る51.9となったものの、その後に発表された3月の米ISM製造業景況指数が市場予想の48.3を上回る50.3となり、17ヵ月ぶりに景気判断の基準となる50を上回ったことから、米長期金利の上昇が続き、ドルも一段の上昇となった。ドル/円は、序盤の151.39から151.76まで上昇したものの、152円に近づくにつれて上値の重い動きとなり、3/27に付けた151.97には届かなかった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなったものの、ドル/円は152円台に近付くにつれて上値の重い動きとなった。マーケットでは、日本の当局者の発言が続いたこともあり、152円台では日本政府・日銀の円買い介入への警戒感が圧迫要因となっていると考えられる。ここからは、徐々に上値を試す動きを続けながら当局の出方を伺う展開が予想される。そのため、引き続き151円台でのレンジ内の動きが続く可能性が考えられる。
本日の米国市場では、製造業受注指数、JOLT労働調査[求人件数]の発表が予定されており、良好な結果なら金利上昇とともに152円台を試す展開も考えられる。また、複数のFRB高官の発言が予定されていることから、金融政策に関する発言のトーンにも注目したい。
4/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
2月JOLT労働調査[求人件数]
NAHB住宅市場指数は、全米住宅建築業者協会(NAHB)が加盟業者を対象にした一戸建て住宅の販売状況調査を基にした指数。50が判断の基準となり、50を下回ると住宅建設業者の多くが現況を「悪い」とみていることを示すことから、住宅市場の先行指標となる。
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877.5万件 | 886.3万件 |
前回は市場予想を上回り、労働力の需要が依然として強いことが示された。また、自発的離職者数は3年ぶりの低水準となり、より優遇の良い職を見つけるより現職に留まることを望んでいることが示された。今回は小幅上昇が予想されているが、自発的離職者数がさらに減少するのか注目したい。 |