前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から大幅上昇となったものの、日米の金融政策への思惑に加え、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。午後には、下げ一服となったことや、日経平均株価が一段の上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、欧州市場でも主要株価指数が序盤から上昇したことから、ドル円・クロス円の堅調な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標がいずれも市場予想より強い内容となったことや、序盤から米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、英中銀が政策金利を市場の予想通り据え置いたものの、前回まで2名が利上げを主張していたが、今回ゼロになったことに反応してポンド売りが優勢となった。
米株式市場では、FOMCで年内3回の利下げ見通しが維持されことが引き続き材料視され、利下げ期待を背景に、主要株価指数は堅調な動きとなった。ダウ平均は、終値ベースの最高値を2日連続で更新、またナスダックとS&P500も終値ベースの最高値を連日更新した。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比376ドル高まで上昇した。ただ、その後は高値圏でのもみ合いが続き、269.24ドル高(+0.68%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは32.43ポイント高(+0.20%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の151.27から150.26まで下落した。一方、オーストラリアの雇用統計が良好な結果となったことから、豪ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(2)下げ一服後は、日経平均株価が序盤から大幅上昇となり、前日比808円高まで上昇したことからリスク選好の動きが強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、さらに米長期金利が上昇したもと押し上げ要因となった。欧州市場に入り、欧州主要株価指数が軒並み上昇したことから、ドル円・クロス円は軒並み堅調な動きが続き、ドル/円は151.45まで上昇した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想の21.3万件を下回る21.0万件、その後に発表された米中古住宅販売件数が市場予想の395万件を上回る438万件となり、ともに市場予想より強い内容となったことや、序盤から米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の151.01から151.73まで上昇したが、前日に付けた昨年11/13以来の高値となる151.81には届かなかった。一方、英中銀が政策金利を市場の予想通り据え置いたものの、前回まで2名が利上げを主張していたが、今回がゼロになったことに反応してポンド売りが優勢となり、対ドルでは3/4以来の安値となった。
本日のトピックス
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されている。マーケットでは、米FRBが年3回の利下げを示唆したことから早ければ6月に利下げ開始との見方が強まりつつある。一方、日銀は7月にも追加利上げとの見方もあり、ドル/円は昨年11月以来の高値を更新したが、ここから更に一段の上昇とは考えにくく、上値は限定的との見方もある。ただ、内外の株価が堅調な動きとなっており、リスク選好の動きから円が売られる展開となっている。ここからドルは一段の上昇となるのか、下落に転じるのか注目されている。