前営業日トピックス
日本市場が休場となる中、日銀がゼロ金利政策を当面継続するとしたことが引き続き材料視され、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが広がり、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開が続いた。そして、FOMCではFFレートの誘導目標が予想通り据え置かれ、メンバーの年内の利下げ予想も3回に据え置かれた。一部の失望売りでドルは主要通貨に対して下落したものの、2025年、2026年の金利見通しが上方修正されたことや、GDP見通しが引き上げられたことから、ドルは反発した。その後、日銀が7月か10月に追加利上げを検討しているとの報道を受けて、米金利の低下とともにドルも主要通貨に対して下落した。
米株式市場では、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強く、主要株価指数は序盤から小動きの展開となった。FOMCでは、年内3回の利下げ見通しが維持されことを好感して主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、GDPの見通しが引き上げられたことも支援材料となった。ダウ平均は、序盤に前日比122ドル安まで下落したものの、その後は底固い動きが続いた。そして、FOMCの結果発表を受けて買いが優勢となり、一時418ドル高まで上昇し、401.37ドル高(+1.03%)で終了。一方、ナスダックは202.62ポイント高(+1.25%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)アジア市場では、日本が休場で新規材料に乏しい中、日銀が当面ゼロ金利政策を継続すると表明したことが引き続き材料視され、円売りが優勢となった。
(2)米国市場では、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが広がり、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開が続いた。そして、FOMCではFFレートの誘導目標が予想通り5.25%-5.50%で据え置かれ、メンバーの年内の利下げ予想も4.6%と0.25%の利下げ3回で据え置かれた。ただ、利下げ予想が下方修正されるとの思惑があったことから、一部の失望売りでドルは主要通貨に対して下落した。しかし、2025年、2026年の金利見通しが上方修正されたことや、GDP見通しが引き上げられたことから、ドルは反発した。ドル/円は、FOMC発表直前の151.61から151.22まで下落したものの、すぐに151.71まで反発した。その後、日銀が7月か10月に追加利上げを検討しているとの報道を受けて、米金利の低下とともにドルも主要通貨に対して下落し、ドル/円も一時150.72まで下落したものの、終盤にかけては再び151.40まで値を戻した。
本日のトピックス
米FOMCではFFレートの誘導目標が予想通り据え置かれ、メンバーの年内の利下げ予想も3回で据え置かれた。一部で利下げ予想が下方修正されるとの思惑があったことから乱高下する場面もあった。ただ、2025年、2026年の金利見通しが上方修正されたことからドルは反発する場面もあったが、日銀の追加利下げに関する報道を受けて円買いが優勢となった。
ここまで利下げ観測の後退でドルが買われてきたが、ここから一段の上昇は考えにくいとの見方もあり、今後の当局者の発言などが注目される。ただ、日銀も当面緩和的な金融環境が続くとしており、円高が進む状況とではないとの見方もあり、当面は148円高から150円台のレンジ内の動きが上予想されている。
本日の海外市場では、トルコや英中銀の金融政策発表が予定されており、ともに金利の据え置きが予想されており、声明などには注目したい。一方、米国市場では、新規失業保険申請件数、フィラデルフィア連銀景況指数、中古住宅販売件数の発表が予定されており、結果が注目されているが、FOMCの終了直後であることから、大きな動きにはなり難いとの見方もあり、市場予想と乖離する結果となるのか注目したい。
3/21の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
2月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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394万件 | 400万件 |
前回は市場予想を上回り、昨年8月以来の高水準となった。住宅ローン金利の低下が影響したことや、在庫不足、価格高騰から敬遠されていた流れが回復傾向にあることが示された。今回は、前回から小幅減少が予想されており、予想の範囲内なら懸念要因にはならないと見られている。 |