前営業日トピックス
東京市場では、序盤から円買いが先行したものの、540円超下落した日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。終盤にかけて日経平均株価が67円安まで下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。ただ、その後は、米消費者物価指数の発表を引けて小動きの展開が続いた。
米国市場では、序盤に発表された2月の米消費者物価指数が市場予想を上回る結果となり、ドルは主要通貨に対して上昇した。しかし、上昇一服後は下落に転じたものの、その後再び米金利が上昇に転じたことで、ドルも再び堅調な動きとなった。
米株式市場では、米消費者物価指数が市場予想を上回り、FRBの早期利下げ開始観測が後退したことから、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、半導体関連株やIT関連株に買い戻しが入ったことも押し上げ要因となった。ダウ平均は、序盤に前日比58ドル安まで下落する場面もあったが、その後は堅調な動きとなり、一時301ドル高まで上昇した。終盤に上げ幅を縮小したものの、235.83ドル高(+0.61%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、246.37ポイント高(+1.54%)で終了した。また、S&P500は、3日ぶりに終値ベースで最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、賃上げ率が2023年を大きく上回れば、日銀がマイナス金利を3月にも解除に踏み切ると報じられたことや、日経平均株価が540円超下落したことから、円買いが優勢となった。ドル/円は、序盤の146.98から146.62まで下落した。下げ一服後は、低下して始まった米長期金利が上昇に転じたことや、日経平均株価が169円安まで下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は147.43まで上昇した。
(2)午後には値動きが落ち着き、ドル円・クロス円は小動きの展開となり、ドル/円は147.33から147.44での狭いレンジ内の動きとなった。ただ、終盤にかけて日経平均株価が67円安まで下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。そして、関係者の話として「日銀は3月のマイナス金利解除の是非を議論へ」「春闘で昨年上回る強い結果出れば日銀の3月解除を後押し」との報道を受けて円買いが優勢となるい場面もあったが、値動きは一時的だった。その後は、米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードも強まり、限定的な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された2月の米消費者物価指数が前年比ベースで総合が市場予想の3.1%を上回る3.2%となり、コア指数も市場予想の3.7%を上回る3.8%となり、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。しかし、直後に米長期金利が急落したことに合わせてドルも下落に転じるなど、乱高下する動きとなった。その後、再び米金利が上昇に転じ、米10年債利回りが4.170%まで上昇して3/5以来の高水準まで上昇したことで、ドルも再び堅調な動きとなった。ドル/円は、指標発表直前の147.45から148.14まで上昇したものの、その後は147.08まで下落したが、再び堅調な動きとなり147.98まで上昇した。
本日のトピックス
昨晩発表された2月の米消費者物価指数では、前年比ベースで市場予想を上回る結果となり、マーケットでは5月や6月の利下げ開始予想がさらに後退し、7月に利下げ開始との見方が優勢となりつつある。一方、関係者の発言からも日銀のマイナス金利解除は3月の可能性もあることから、ドル円・クロス円は来週まで上値の重い動きが続く可能性も考えられる。注目は、来週19日の日銀の金融政策決定会合、20日のFOMCに移っており、週末にかけて徐々に様子見ムードが強まる可能性も考えられる。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されている。ただ、金利動向や当局者の発言には敏感に反応する可能性もあり、注意したい。