前営業日トピックス
東京市場では、早朝の日銀総裁の発言を受けて、早期のマイナス金利解除観測が後退し、円売りが優勢となった。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きが続き、一時4万円手前まで上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、2月の米製造業PMIが市場予想を上回ったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、その後に発表された2月の米ISM製造業景況指数、ミシガン大学消費者信頼感指数がともに冴えない結果となり、さらに上昇していた米長期金利が急速な低下となったことから、ドルは主要通貨に対して下落となった。
米株式市場では、米経済指標の冴えない結果を受けて、FRBの早期利下げ観測が強まり、主要株価指数は買いが優勢となった。さらに、米長期金利が低下したことも支援材料となり、S&P500とナスダックは史上最高値と終値ベースの最高値をそれぞれ更新した。ダウ平均は、序盤に前日比145ドル安まで下落したものの、その後は上昇に転じて一時123ドル高まで上昇した。引けにかけてはやや上値の重い動きとなり、90.99ドル高(+0.23%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、183.02ポイント高(1.14%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ブラジルでのG20の会見で、植田日銀総裁が、物価の目標実現に関して「まだそこまでには至ってない」としたことから、ドル/円は序盤から底固い動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことから、リスク選好の動きから円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の149.95から150.41まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が一段の上昇となり、一時39,990円まで上昇したことも加わり円売りが続き、ドル/円も150.48まで上昇しクロス円も堅調な動きとなった。さらに、欧州時間では、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は150.68まで上昇するなど、クロス円も堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は上値の重い動きとなった。
米国市場では、米長期金利の上昇に加え、2月の米製造業PMIが市場予想の51.5を上回る52.2となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の安値の150.49から150.71まで上昇した。しかし、2月の米ISM製造業景況指数が市場予想の49.5を下回る47.8となり、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想の79.6を下回る76.9となり、さらに上昇していた米長期金利の指標となる米10年債利回りも4.293%から4.175%まで急速な低下となったことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円も150.06まで下落した。
本日のトピックス
ドル/円は、先週一時レンジを下抜けたが、その後に再び元のレンジに回復したものの、上値の重い動きとなっている。本日の海外市場では主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されており、引き続き上値の重い動きが続くと見られている。さらに、明日から週末までは、主要な経済指標の発表が続くことから、指標結果に左右される展開が続くことが予想されており、様子見ムードが高まっており、積極的な売買が手控えられることも影響するだろう。