前営業日トピックス
東京市場では、序盤に230円超下落した日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、中国株が大幅上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、米長期金利が低下したことから、ドルは軟調な動きとなる場面もあった。
米国市場では、新規材料に乏しい中、米長期金利の上昇を受けて、ドルは堅調な動きとなった。ただ、FOMCの議事要旨公開を控えてやや上値の重い動きとなった。FOMCの議事要旨では、大半の当局者が急速な利下げのリスクを指摘し、利下げを急がない姿勢が示されたことから、ドルは乱高下となったが、値動きは限定的だった。
米株式市場では、決算発表を控えている半導体大手の株が連日下落したことで投資家心理が悪化しており、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、FOMCの議事要旨でFRBが早期の利下げに慎重な姿勢を示したことも圧迫要因となった。ただ、引けにかけて買い戻しの動きが強まり、ダウ平均、S&P500はプラス圏を回復して終了した。ダウ平均は、序盤から軟調な動きが続き、一時前日比225ドル安まで下落した。終盤には買いが優勢となり、48.44ドル高(+0.13%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、49.91ポイント安(-0.32%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤から前日比233円安まで下落した日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の149.89から150.09まで上昇したものの、その後は株価が再び軟調な動きとなり、一時前日比268円安まで下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル/円は149.85まで下落した。
(2)その後は、中国株が大幅上昇となり、日経平均株価も下げ幅を縮小したことから、再び円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、欧州時間では、米長期金利が低下したことから、ドルは上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、米長期金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の149.94から150.39まで上昇したものの、FOMCの議事要旨公開を控えて積極的な売買が手控えられ、その後はやや上値の重い動きとなった。FOMCの議事要旨では、大半の当局者が急速な利下げのリスクを指摘し、利下げを急がない姿勢が示されたものの、政策金利がピークに達した可能性が高いとの認識も示されたことから、ドルは上昇後に下落に転じるなど乱高下となった。ただ、値動きは限定的だった。
本日のトピックス
昨日のFOMCの議事要旨では、大方の予想通り、利下げを急がない姿勢が示されたことから、早期の利下げ観測が後退した。金利先物市場では、2月初めに3月のFOMCでの0.25%の利下げの折り込み度合いは37%、5月は100%となっていたが、現状では3月が6%、5月が30%、6月が90%と金利市場でも利下げ観測が後退している。一方、政策金利がピークに達した可能性が高いとの認識も示されたことから、ドルは上値が重く、底固いレンジ内の動きが続く可能性が考えられる。
動きが出るとすれば、金融政策の方向性を左右するデータが示される場合と考えられ、特に物価関連の経済指標の結果が注目されるだろう。
本日の米国市場では、新規失業保険申請件数、中古住宅販売件数の発表が予定されており、結果を受けて大幅に動きが出るとは考えにくいが、引き続き149円台から150円台でのレンジ内の動きが続くと見られる。
2/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(2/17までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.8万件 | 21.2万件 |
前回は市場予想を下回り、2週連続の減少で1ヵ月ぶりの低水準となり、労働市場の底固さが続いていることが示された。今回は、前週から増加が予想されているが、ハイテク企業の人員削減の影響が出るとの見方も出ている。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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397万件 | 378万件 |
前月は市場予想を上回り、2010年8月以来の低水準となった。借り入れコストの高止まりと価格高騰が引き続き圧迫要因となった。今回は、前月から増加が予想されているが、低迷に一服感が示されるのか注目されている。 |