前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後には日銀が金融政策の現状維持を発表したことから円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は一段高となった。ただ、展望レポートで前向きな見方が示されたことや、米長期金利が低下したことから、円買い戻しの動きが優勢となった。植田日銀総裁の会見では、早ければ3ー4月にマイナス金利解除の可能性との見方が広がり、円が買われたものの、デフレリスクに言及したことから、円売りが優勢となった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。上昇一服後、終盤にかけて上昇していた米長期金利が低下したことから、ドル/円も上値の重い動きとなった。
米株式市場では、連日史上最高値を更新したことから、ダウ平均は利益確定の売りが優勢となり、序盤から軟調な動きが続いた。一方、ナスダックは上昇して始まったものの、ダウの動きに連れて一時マイナス圏まで下落する場面もあったが、終盤にかけて再び堅調な動きとなった。ダウ平均は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比196ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小する動きとなり、96.36ドル安(-0.25%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、65.65ポイント高(+0.43%)で終了し、終値ベースで2022年1月以来2年ぶりの高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日銀の金融政策決定会合の結果発表を控えて様子見ムードも強く、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。ただ、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比370円超上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の147.98から148.26まで上昇した。
(2)午後に入り、日銀の政策発表で政策の現状維持が維持されたことを受けて一時円売りが優勢となり、ドル/円は一時148.54まで上昇した。しかし、展望リポートで物価の確度は少しずつ高まっているとしたことを受けて一転して円買いが優勢となり、さらに日経平均株価が下落に転じて110円安まで下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円も147.86まで下落した。ただ、植田日銀総裁の会見での発言を見極めたいとの見方もあり、下値は限定的となった。植田総裁の記者会見では、「物価目標の実現確度は少しずつ高まっている」との見方を示したことで、マイナス金利政策の解除は3ー4月頃になるとの見方が広がり、円買いが優勢となった。しかし、マイナス金利解除後も緩和的な環境が続くとの見方を示したことや、デフレリスクにも言及したことから、円売りが優勢となった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドルは堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米長期金利の上昇を受けて全般ドル買いが優勢となった欧州市場の流れを引き継ぎ、序盤からドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の147.88から148.70まで上昇し、植田日銀総裁の会見時に付けたこの日の安値の146.99からは1.7円超の上昇となった。上昇一服後、終盤にかけて米長期金利が低下したことから、ドル/円も上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したこともあり、対円でも上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日は、植田日銀総裁の会見を受けて、マイナス金利の解除は早くて3-4月頃となり、ずれ込めば6-7月頃になるとの見方が強まったと見られる。ただ、マーケットではすでに6月には1回の利上げが織り込まれており、一部では早期の利上げとの見方もある。
会見からは、次回会合の3月までには賃金や経済指標などのデータが出そろうことから、それを確認して4月にマイナス金利の解除に動くと見ており、データ次第では6月-7月に先送りされる可能性もあることから、3月までは円高が進みにくいと見られている。
一方、米長期金利は昨年12月末に7月以来の低水準まで低下したものの、そこから再び上昇に転じており、それが最近のドルの押し上げ要因となっている。米FRBの利下げに関しては、マーケットでは5月-6月頃と見られていることから、ドルの上値も限定的と見られており、ここからの動きが注目される。
本日の米国市場では、1月製造業・非製造業PMIの発表が予定されており、速報値であることから、結果を受けて反応する可能性も考えられる。ただ、 日銀のイベントが終了したことで、月末のFOMCにマーケットの注目が移っており、政策を見極める上で明日から週末にかけて第4四半期の米GDP、12月の耐久財受注、12月のPCEデフレーターなどの経済指標の発表が予定されており、これらの結果を見極めたいとの思惑もあり、本日はやや限定的な動きか。ただ、昨日も新規材料に乏しい中で米長期金利の動きに影響を受けていることから、引き続き米金利動向には注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、上昇一服後にやや上値の重い動きが続いており、ここから再び堅調な動きとなるのか、一旦調整となるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小していることから、先行するラインが下向きに転じて両線がクロスとなり、目先の軟調な動きを示唆する形状となるのか注目したい。一方、さらに短期の動きを見る上で注目されているストキャスティクスでは、両線がクロスして下向きに転じており、目先の軟調な動きを示唆する形状となっている。
このことから、目先軟調な動きとなる可能性が考えられる。目先の重要な下値のポイントは一目均衡表の雲上限ライン(本日146.430)近辺と考えられ、ここで下げ止まるのか注目したい。ストキャスティクスで予測する日柄では、3-5日程度と考えられることから、この日柄内で下抜けないようなら、その後は底固い動きとなると考えられる。ただ、雲上限ラインを下抜ける場合には一段の下げとなり、その場合には基準線が次の重要なポイントとなるだろう。
一方、上値のポイントは直近高値の148.805となり、ここを上抜ける場合には一段の上昇も考えられ、その場合の上値目標の計算値は151.46となる。