前営業日トピックス
東京市場では、序盤から日経平均株価が上昇したことを受けて、ドル円クロス円は堅調な動きとなった。しかし、米長期金利が低下したことや、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間に入っても円買いの動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米雇用関連の経済指標が良好な結果となったことを受けて、米金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時148.30まで上昇したものの、製造業指数の悪化が続いたことが嫌気され、147.86まで下落する場面もあった。ただ、米長期金利の上昇が続いたこともあり、再び堅調な動きとなった。
米株式市場では、米長期金利の上昇を背景に、序盤からやや上値の重い動きとなった。ただ、AI向けの需要が期待できるとの見方から半導体関連株の買いが優勢となったことが押し上げ要因となり、終盤には上げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤に前日比143ドル安まで下落したものの、その後は買いが優勢となり、プラス圏を回復して終盤には255ドル高まで上昇した。引けにかけてやや上げを縮小し、201.94ドル高(+0.54%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、200.03ポイント高(1.35%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。日経平均株価が序盤に前日比156円高まで上昇したこともあり、ドル/円は148.00から148.25まで上昇した。しかし、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、また日経平均株価が下げ幅を縮小してマイナス圏まで下落したことも加わり、ドル/円は147.87まで下落した。
(2)その後は株価が堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなったものの、午後に入り再びマイナス圏まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続き、欧州時間にかけてドル/円は147.65まで下落した。
(3)米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が市場予想の20.5万件を下回る18.7万件となり、2022年9月以来の低水準に改善したことや、住宅着工件数が市場予想の142.5万件を上回る146.0万件となったことを受けて、米金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の147.89から148.30まで上昇した
(4)ただ、同時に発表されたフィラデルフィア連銀景況指数が市場予想を下回り、NY連銀製造業景気指数に続いて下振れとなったことで製造業に対する懸念が高まり、ドル/円は一時147.86まで下落する場面もあった。ただ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.151%まで上昇し、昨年12/13以来の高水準となったこともあり、ドル/円も148.20台まで値を戻すなど底固い動きが続いた。
本日のトピックス
ドル/円は、17日に148.53まで上昇して昨年11/28以来の高値を更新したが、その後は上値の重い動きとなっている。早期の利下げ観測が後退しているものの、依然として金利先物市場では0.25%の利下げを年内に5回分を織り込んでいることもあり、やや買われ過ぎを指摘する向きもある。その一方、150円台の回復を期待する向きもあり、ここからの動きが注目されている。
FRB当局者の牽制発言により、早期の利下げ観測が後退したことを受けてドル買いが優勢となったが、ここからの一段の上昇には新たな材料が必要となるいだろう。米経済指標では、雇用関連の経済指標が良好な結果となったが、製造業関連の指標の悪化が続いていることから、今後の指標結果が注目される。
本日の海外市場では、米中古住宅販売、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、結果が注目されている。また、米長期金利の指標となる米10年債利回りの上昇が続いており、昨日の海外時間では昨年12/13以来の高水準を記録したこともあり、米金利動向にも引き続き注目したい。
1/19の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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383万件 | 382万件 |
前回は市場予想を上回り、6ヵ月ぶりの上昇で2010年8月以来の低水準となった前月の結果から改善した。引き続き、借り入れコストの上昇と在庫不足の影響で低水準が続いている。今回は、前回から増加が予想されているものの、増加幅は小幅に留まると見られている。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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70.0 | 69.7 |
前回の12月の確報値は市場予想を上回り、4ヵ月ぶりの高水準となった。1年先のインフレ期待が22年ぶりの大幅低下となり、消費者のマインドが大きく改善したことが影響した。今回の速報は、小幅上昇が予想されており、予想通りなら昨年7月以来の高水準となる。 |