前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。また、実需のドル買いが観測されたことも支援材料となった。ただ、FOMCの結果発表を控えて上値は限定的となり、その後はレンジ内の動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された11月の米生産者物価指数が前月から鈍化したことを受けて、米金利の低下とともにドルは軟調な動きとなった。その後、FOMCで予想通りFF金利の誘導目標が据え置かれたが、ドット・チャートで2024年末時点の中央値が5.1%から4.6%へ下方修正されたことを受けて、早期の利下げ観測が再燃し米金利が一段の低下となり、ドルも一段の下落となった。
米株式市場では、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強く、主要株価指数は序盤から小動きの展開となった。その後、FOMCのドット・チャートで来年3回の利下げ予想が示されたことを受けて、米景気の先行きへの警戒感が和らぎ、主要株価指数は軒並み大幅上昇となった。ダウ平均は、序盤から小幅のレンジ内の動きが続いたが、FOMCの結果を受けて堅調な動きとなり、512.30ドル高(+1.40%)で終了し、終値ベースで最高値を約1年11ヵ月ぶりに更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、200.56ポイント高(+1.38%)で終了し、2022年1月以来の高値を付けた。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤に発表された日銀短観が良好な結果となったことから、日銀の政策が正常化に向かうとの思惑が強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、仲値公示にかけて実需のドル買いも観測されてドルは堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の145.19から145.61まで上昇した。
(2)午後に入ってもドル円・クロス円は堅調な動きが続き、ドル/円は一時145.99まで上昇した。ただ、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードもあり、上値は限定的となった。
(3)米国市場では、序盤に発表された11月の米生産者物価指数が前年比で市場予想の1.0%を下回る0.9%となり、前月の1.2%からも鈍化したことから、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の145.72から145.05まで下落したが、その後はFOMCの結果発表を控えて小動きの展開が続いた。FOMCでは、予想通りFF金利の誘導目標が据え置かれたが、ドット・チャートで2024年末時点の中央値が5.1%から4.6%、2025年末が3.9%から3.6%へ下方修正されたことを受けて、早期の利下げ観測が再燃し米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.164%から4.005%まで低下するなど、米金利が軒並み一段の低下となり、ドル/円も142.67まで下落した。
本日のトピックス
前日のFOMCの結果発表では、ドットチャートで来年3回の利下げが示されたほか、パウエルFRB議長の会見での発言がハト派的との受け止められたことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落となった。東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。
FOMCを通過したことで、マーケットの注目は来週18日ー19日の日銀の金融政策決定会合に移っており、それまではFOMCとパウエルFRB議長の発言が引き続き材料視され、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続く可能性も考えられる。
本日の海外市場では、英中銀、ECBの金融政策発表が予定されており、ともに据え置き予想だが、FOMCと同様に来年の利下げの可能性が示唆されるのか注目されている。一方、米国市場では、新規失業保険申請件数の発表が予定されているが、市場予想から大きく乖離する結果とならなければ、前日のインパクトの高さもあり、限定的な動きが続く可能性も考えられる。